2026/02/24
資生堂は2月10日、2025年12月期の決算を発表した。売上高は前年比2.1%減の9700億円と、過去4年間で微増微減を繰り返し、成長はストップしたままだ。
同社低迷の2大要因は中国依存とハイブランド偏重である。
同社にとって最大の市場は中国とトラベルリテール(免税店)だが、その売上高は3.5%減の3422億円。売上構成比の35%を占めており、この事業の不振が、資生堂全体の減収の最大要因となっている。
資生堂の業績は16年から19年にかけて劇的に向上した。19年には利益が1000億円を超え、約3倍に伸びた。この業績急伸の最大の要因は中国事業の成功だったがいまや見る影もない。
もう一つの転落要因は、19年11月に買収した「Drunk Elephant=ドランクエレファント」にある。買収金額は約8億4500万ドルと当時の為替で計算すれば約920億円に達する巨額買収だった。
が、結果的にこの買収は失敗だったとして、25年2月10日に公表した通期連結業績で468億円の「のれん減損損失」を計上している。
同社は高級ブランド戦略を推進する中で、利益率の低い事業の切り離しに踏み切っている。その象徴が、21年に行われた日用品パーソナルケア事業の売却だ。これは、TSUBAKI、uno、専科といった一般消費者に馴染みの深いシャンプーなどを扱う事業で、その売却ロジックは、「成長性がない日本市場」と「価格競争にさらされ、利益率が低い日用品」を切り離し、高収益事業に集中するというものだった。
だが、売却されたパーソナルケア事業はその後、経営が改善し利益が出ている状況にある。同事業が残っていれば、これまでの資生堂の苦しい状況を支える可能性が大だっただろう。
一方で決算発表翌日の同社の株価は、終値で前日比15%高と急騰した。26年の最終利益420億円という市場予想を上回る黒字見通しや、「本業の稼ぐ力」を示すコア営業利益が、当初計画を上回ったことが市場に評価された結果だ。
25年12月期決算説明会で、同社の藤原憲太郎CEOは「トンネルは抜けたと捉えている」と語っており、その自信の背景にあるのが、欧州での成長だ。本柿的なV字回復に向かうのか要注目である。(梛野順三)
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