連載•小説
侍ジャパンの打線だが、まだ本来の爆発力を見せきれていない。源田壮亮の好調やメジャー組の凄みは際立つものの、岡本和真や村上宗隆といった中軸に本来の当たりが出ていない。 佐野氏は、状態が上がらない近藤健介について「大谷の後を打つ重圧ではなく、自分のタイミングで打てていないのが原因」と分析。さらに気がかりなのは佐藤輝明だという。 「練習のケージでちょっと元気がない。去年、大谷に打ち方を寄せて結果が出たこともあり、多分大谷を追いかけていると思う。前回の村上がハマってしまったのと同じ感じ」と懸念を示す。「今のままでも十分力はあるので、本来の自分自身を取り戻してくれば大きな戦力になる」と奮起を促した。 若手の起用にも積極的だ。「源田は守備で安定感があるが、もう少し小園海斗も使ってみてもいい。次の世代を担う選手だけに、大きな舞台で経験をさせたい」と期待を込めた。 (タサイリョウ)
2026.03.15
WBC連覇へ向けて順調に予選リーグを1位通過した侍ジャパンだが、投手陣に課題がないわけではない。リリーフで登板した大勢はリードした場面で本塁打を浴びるなど、本来の投球ができていない。 佐野氏は「大勢はカウントを取りたがる」と指摘する。「コースを狙うのではなく、癖のあるボールなのだから打ち取りに行くことをした方がいい。小さなゾーンで勝負できるピッチャーだとは思っていない」と、ストライクゾーンを広く使う投球を求めた。 前回大会でもピンチを招いた際、小さいゾーンで勝負しようとする傾向があったという。「もっと広く使ってもいい。思い切ってどんどん放るという気持ちが前面に出てきてほしい」と、大勢本来の良さを取り戻すようゲキを飛ばす。 また、先発の一角・菊池雄星の起用法にも独自の分析を見せる。「雄星ははまったらとんでもないけど、はまらなかったらとんでもない。何とかゲームを作るタイプのピッチャーではない」と評価。「今日はいいなと思ったら長く投げさせて、ダメだったらすぐ切り替えてもいい」と、状態を見極めた思い切った継投を提案した。 負けられない一発勝負の決勝トーナメント。首脳陣の巧みな投手起用と投手陣の奮起に期待だ。 (タサイリョウ)
2026.03.13
藤吉郎は信長に命じられ、斉藤龍興の配下で美濃西部の要衝を押さえていた安藤守就、氏家卜全、稻葉一鉄のいわゆる「美濃三人衆」を寝返らせる調略に取り掛かっていった。 三人衆に対して行った懐柔と利益誘導の手練手管は、藤吉郎の数ある調略の中でも最高傑作とも言われるのだが、そこで大きな力となったのが竹中半兵衛だった。口説かれた藤吉郎ではなく信長に直接仕えるポジションに就いたので、軍監として藤吉郎に貸し出した格好となっている。 まず狙ったのは三人衆の筆頭・安藤守就だった。半兵衛は美濃国衆の出身で、自身の正室の父である守就を通して斎藤氏内部の動きを把握しており、かつ守就の強欲さをよく知っていたので、藤吉郎に恩賞の約束を活用した調略を助言した。藤吉郎はその助言通り西美濃を歩き回り、信長の支援を約束して寝返りを促したという。 すべては龍興が「その器ではない」のと、それを三人衆がよく承知していることを見越しての工作だった。藤吉郎は守就から誓紙を取ることに成功。さらに卜全・一鉄への工作も補強し、三人衆の寝返りを確実なものにしている。(つづく) (西川修一)
2026.03.12
姫路市立動物園のゲートをくぐると、奥に観覧車が見えた。ああ懐かしき遊園地つき動物園!俺の一番好きなタイプだ。さらには入った瞬間フラミンゴ。そう、動物園といえばまずはフラミンゴ。期待を裏切らない安心感に俺はウキウキ園内を進んで行った。急に視線を感じたため振り向くと、檻の中でカンガルーが直立していた。今にもパンチを繰り出してきそうである。檻がなければ拳闘大会の幕開けだ。俺は逃げながら近くの橋を渡った。突然、キャアキャア子供たちの声が聞こえて来た。見るとガラスの囲いがない観覧車が回転している。高さはないがスリル満点。もはや絶叫マシン。見ているだけで怖くなった俺は反対側を歩いていたら、姫路城が見えてきた。そうか俺は元々、姫路城を見にきていたのだ。動物園でレトロな気分になっていた俺は、姫路城がプラモデルのように見えてしまったが、天守閣からは、こっちの方がもっとプラモデルに見えているのだろうと思った。
2026.03.11
いよいよ決勝トーナメントへと向かうWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の侍ジャパン。見事1位通過を果たした予選リーグを振り返ると、メジャーリーガーの凄さが光る中で、佐野氏がそのポテンシャルを大絶賛するのが種市篤暉だ。 「フォークの抜けがほとんどないじゃないですか。真っ直ぐもそれなりに強いですし、角度のある真っ直ぐから同じ軌道でしっかり落ちる。初めて見るバッターはちょっと対応できないでしょうね」と、その完成度の高さを語る。 吉井前ロッテ監督が「一番成長したのは種市」と語った通り、かつての「投げてみないと分からない」状態から完全に脱却。「状態がいい時は本当にどんどん無双していた。その無双している状態が今なんじゃないか」と佐野氏の評価はうなぎ登りだ。 今後のメジャーのパワーヒッター相手にも「フォークを操れるので、ボールからストライクになるフォークでカウントを取れるようになれば」と通用する可能性を示唆した。 無双状態の右腕が世界を相手にどんなピッチングを見せるか、期待が高まる。 (タサイリョウ)
2026.03.11
道 この暗い思いを払拭できぬまま三つの駅を歩いて帰る 今年もまた新発見のように驚きぬ 角を曲がるとつつじの匂い 家を出るときに携帯ONにして外の顔して駅へと歩く 「小松菜です一束一〇〇円」の手書き文字 雨に打たれて無人スタンド 終電を降りてついつい口をつく ♪ボウギャクノクモ ヒカリヲオオイ 路地奥に線香花火の兄(あに)弟(おとおと) 無言で何かが終わるの待って 先週は、NHKカルチャーセンター青山の福島泰樹・実作短歌入門講座に提出した「夢」の連作を掲出した。で今日は、その六首のうち、福島先生と議論になって、添削の提案もいただいた。それを俎上にすると書いたが、生まれついての粗忽者。資料を会社に忘れてきた。 そこで、急遽、来週の講座の課題「道」についての旧作・改作をピックアップしてみた。ここから推敲して、13日(金)の福島先生の講座に提出します。 1首目から5首目までは、通勤・退勤の途上に見たもの、感じたものをそのまま歌にしたもの。最後のものは、花火だったか路地だったかの詠題で作ったものの改作。講座には前のものと並べてみて、歌評を仰ぎたい。 蛇足。5作目の♪ボウギャクノクモ ヒカリヲオオイ は♪暴虐の雲 光を覆い 敵の嵐は荒れ狂い と続く「ワルシャワ労働歌」の冒頭です。
2026.03.09
墨俣築城の翌年となる永禄10(1567)年、信長は美濃攻めの総仕上げに入る。当然、藤吉郎と小一郎も一役買うのだが、その前後、信長は藤吉郎にある人物の調略を命じた。 その人物――竹中半兵衛とは、天文13(1544)年生まれと藤吉郎よりさらに7~8歳年下だったが、信長がまさに標的としていた斉藤龍興の重臣。永禄6(1563)年、信長がこの半兵衛に注目したある出来事が起こった。 龍興が14歳で家督を継いで間もない時である。「組み易し」と攻め込んだ信長軍を、20歳の半兵衛は「十面埋伏陣」という独特の待ち伏せ戦術で撃退してしまう。 その勝利をいいことに龍興は酒色に耽ってしまうが、失望した半兵衛はわずか16~17人の手勢で稲葉山城を乗っ取り、主君・龍興を追い出してしまう。 動機については「龍興を諫めるため」などと言われているが、半年ほど経ってから何と、城を無償で龍興に返還してしまう。自らが痛い目に遭ったこの無欲の天才を、信長が味方に引き入れようとするのも当然であろう。 間もなく隠遁生活に入った半兵衛を、藤吉郎と小一郎がどう調略したのかは不明だが、小一郎が熱心に誘ったとも言われる。記録の上で始めて半兵衛の名が藤吉郎・小一郎陣営に見えるのは少し先の元亀元年(1570年)前後となる。(つづく) (西川修一)
2026.03.09
姫路城へ向かっていた。こう書き始めると、まるで時代小説のようだが、単なる観光である。俺の実家は神戸なのだが、姫路城は平成の大修理の時以来行ってない。久しぶりに目の前にやって来て「思ってたよりも高いなぁ」と思ってしまった。城がではない。入場料が2500円なのだ。世界遺産だから安いくらいかもしれないが、俺はここまでの交通費が往復3000円かかっていることを思い出した。これでは姫路城に二回行って、500円のお釣りが来る。すぐそこに城が見えているのに「責めるぞー!いや待て、馬の餌代を使い過ぎた。このまま、槍、鉄砲を使うと予算オーバーだ」などと帰った武士たちはいるのだろうか?そんな妄想をしながら城の近くを歩いていると突然「姫路市立動物園」という看板が見えた。一体、こんなところに動物園があったのか?幻影のようである。ゲートまで行くと入場料250円と書いてある。安い。これって、姫路城10回分じゃないか。 (つづく)
2026.03.08
プロ野球の春季キャンプも終盤を迎え、各球団の仕上がり具合が見えてきた。 その中で、佐野氏が今シーズンの注目球団として真っ先に名前を挙げたのが中日ドラゴンズだ。「ドラゴンズ、やっぱりいいと思うんですよね。球場が狭くなったのも大きな利点ですし」と、今季からバンテリンドームに導入されるホームランテラスの影響をプラスに捉えている。 球場が狭くなることで投手陣への重圧も懸念されるが、佐野氏は意に介さない。「基本、ピッチャーってバッターを見下して投げてますから。距離が短くなりましたけど、ホームランになるのはほぼ完璧に打っているわけですからね。そこまで考えなくてもいい」と投手心理を代弁した。 「今の中日にとっては狭くなった方がすごいチャンス。若い選手がハツラツとやっているし、井上監督も明るい監督ですからね」とチームの雰囲気の良さも絶賛する。 「当然Aクラス争いには間違いなく絡んでくる」と佐野氏。新生ドラゴンズの躍進から目が離せない。 (タサイリョウ)
2026.03.08
メジャー組も合流し、いよいよ完全体となる侍ジャパンの打線。激しいスタメン争いが予想される中、佐野氏がキーマンに挙げるのは阪神の森下翔太だ。 現在、佐藤輝明らも好調を維持しており、外野のポジション争いは熾烈を極めている。 「全体的なバランスを考えても、右でガンガン行けるバッターはそういない。森下はここぞという時に使いたい」と佐野氏は語る。 「メンバーを見ても左で長打を打てるバッターは多いんですよ。それを考えたら、やっぱり森下のピースというのは非常に大事。中盤もつれた時に、メジャーの左のリリーフが出てくると結構厄介ですからね」と、右の切り札としての役割に期待を寄せる。 また、注目の上位打線については「1番、2番にあんなメジャーリーガー入れてたら後ろのバッター力入ると思う」と分析。 「大谷の後に吉田正尚が打ってもいいと思う」と、柔軟なオーダー編成を提案した。 世界を驚かせる最強打線の爆発が待ち遠しい。 (タサイリョウ)
2026.03.06





