2026/02/19
高市首相の台湾有事発言以降、日中間に緊張が生じた結果、中国共産党の最高指導者である習近平主席について、報道されることが多いが、この巨大な隣国の指導者の性格や人物像、その目的についての解説は少ない。
“中国の夢”、“戦狼外交”、“祖国統一”といったスローガンや、汚職官僚や軍幹部の粛清といった内紛から、幹部を次々とパージしつつ、対外膨張の機会を伺う独裁者のイメージが、日本のメディアで独り歩きしている。
実のところ、中国人に聞いても彼らの絶対権力者である習近平の心の中は分からない、と言われるだろう。アメリカのトランプ大統領のように考えていることを、口からすぐに出すタイプではない。対外的には無口で寡黙な男で通している。ロシアのプーチンはKGB出身の暗いイメージを払拭しようと、積極的に記者会見を行ってきたが、“紅い皇帝”と呼ばれるほど権力基盤を固めた中国の指導者は、自らを謎めいた存在にすることを好んでいる。
習近平と対照的だったのが、習より4歳年長の薄煕来という人物。薄は、習が権力を握る2012年11月以前に側近がアメリカ大使館に亡命し、夫人が英国人殺害事件に関与したスキャンダルで失脚した。

かつては習近平のライバルだった薄煕来
薄の父の薄一波は、八大元老と呼ばれた中国革命の元勲の1人だったが、文化大革命で失脚して投獄されている。習近平の父の習仲勲も八代元老だが、1962年~1978年の16年間も失脚している。太子党と呼ばれる紅二代(共産党高級幹部の二代目)であり、父親が失脚後に名誉回復したことによって権力の階段を駆け上った点で、二人はよく似ていた。
目から鼻に抜ける才子肌で、スタンドプレーの多かった野心家の薄に対して、習は、与えられた仕事は着実にするが、出しゃばらなかった。薄には、権力を乱用しかねないと周囲を警戒させていたが、習は、党の長老や同僚に警戒感を抱かせなかった。無名だった習が、最高権力者の地位につけたのは、長老や先輩を尊重しつつ、共産党支配を永続させてくれると期待されたからであり、安全牌と思われていた。
ところが、腐敗撲滅を理由に江沢民派や胡錦濤派の汚職を摘発し、自らの権力を固め、文化大革命の反省から鄧小平時代に確立された「2期10年」の慣例や、68歳定年制を超えて最高権力者の地位を降りようとしない。
習の権力欲や野心の現れと見るべきか、共産主義中国が抱える構造的矛盾によって、そうせざるを得なかったのかは、中国ウォッチャーの間でも意見が定まっていない。
中国軍の軍事パーレドを謁見する習の表情は、厳格でもなく、得意満面や誇らしげとも言えず、どこか物憂げで憂鬱そうな顔をしている。近年の中国軍の偉容に対し、もっと嬉しそうな顔をしても良さそうではないか。
ところが、日本のメディアは、相も変わらず台湾有事を論じている。
筆者は、昨年12月18日の投稿で『存立危機事態なんて存在しない!』と主張し、「台湾有事など作られた幻想に過ぎない。」とした。
https://timessha.jp/politics-economy/sonritsu251218/

抗日戦争勝利70周年軍事パレードにおける習近平、江沢民、胡錦濤
(青山みつお)
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