政治•経済 米国によるベネズエラへの軍事介入:中国はどう考えるのか?
米国によるベネズエラへの軍事介入:中国はどう考えるのか?
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2026/01/14

2026年1月、米国のトランプ政権が断行したベネズエラへの電撃的な軍事介入は、国際社会に激震を走らせた。かつて「米国の裏庭」と呼ばれた中南米におけるこの強硬策に対し、中国は表面上、国家主権の侵害を理由に厳しい非難の声を上げている。しかし、その戦略的な深層を探れば、北京の指導部はこの事態を、単なる他国への主権侵害としてではなく、冷徹な損得勘定に基づいた「絶好の商機」と「慎重な自制」の分岐点として捉えてだろう。

中国にとって、米国やロシアといった軍事大国による主権侵害の常態化は、皮肉にも自国の影響力を拡大させる強力な追い風となる。米国が南米で武力行使に踏み切ったことで、国際法や主権尊重の原則を掲げる米国の言説は説得力を失い、中南米やアフリカ、東南アジアといったグローバルサウス諸国の間には、米国に対する不信感がさらに広がるだろう。こうした中、中国は「他国の内政に干渉しない経済パートナー」という立ち位置を強調することで、これら諸国との政治的・経済的な紐帯をより一層強固にできる立場にある。米国が軍事力で秩序を強いる一方、中国は投資とインフラ支援を通じて静かに自陣営を広げるという構図が、今まさに鮮明化しようとしている。

しかし、米国によるベネズエラ介入が、直ちに台湾有事を誘発する引き金になると考えるのは早計である。米国が南米という「裏庭」の平定にリソースを割いている隙を突いて、中国が台湾侵攻に踏み切るという予測は一見合理的に映るが、実際には中国が背負うリスクはあまりに巨大だ。ベネズエラでの米軍の電撃的な作戦遂行能力は、中国に対して強力な軍事的抑止力として機能している。さらに、台湾への武力行使は米国との直接衝突のリスクを内包しており、中国が長年かけて構築してきたグローバルサウスからの信頼を根底から覆す危うさを秘めている。

もし中国が台湾で主権を盾に武力を行使すれば、それは米国の横暴を批判してきた自らの道徳的優位性を放棄することに他ならない。諸外国の間で「次は自分たちが中国の標的になるのではないか」という対中警戒論が急速に高まり、決定的な「対中離反」を招くリスクがある。結果として、中国はベネズエラ情勢を米国の威信低下を突く外交的武器として利用しつつも、自らの台湾戦略においては、国際的な孤立と経済的損失を避けるために極めて慎重な姿勢を維持せざるを得ない。米国による南米介入は、皮肉にも中国の二面性を浮き彫りにし、大国間の均衡を新たな緊張状態へと導いているのである。

(ジョワキン)

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