2026/01/25
高市早苗首相が衆議院を解散して総選挙を行うが、内閣支持率が高いだけでなく自民党支持率も上昇し32%を超えている。参政党や日本保守党などの少数政党が出現する中での32%なのだから非常に高い水準だ。自民党に次ぐ支持率の立憲民主党が7%であることからも自民党の支持率が如何に高くなっているかがわかる。
このまま高市自民党が高い支持を維持して総選挙投票日を迎えることができれば自民党が単独過半数の議席を回復する可能性も高い。そうなれば高市氏の目論見通りで御の字だと思われそうだが実はそんなに甘くない。各小選挙区の有権者はそれぞれの自民党候補者が保守なのかリベラルなのか、積極財政派なのか緊縮財政派なのか見極めずに一律で自民党に投票する可能性が高い。旧岸田派や旧森山派あたりの議員はリベラル且つ緊縮財政派であることが多い。自民党が大勝することで岸田政権や石破政権時代の自民党に逆戻りする可能性も否定できない。そうなると高市内閣で事実上棚上げしたプライマリーバランスの黒字化や積極財政予算、安全保障政策などへの対抗勢力が与党内に築かれることになる。いわゆるリベラル系議員が与党内に増すことは野党の攻撃を受けるよりも厄介なことになる。少なくとも財務官僚は一人でも多くの自民の族議員を懐柔し、日本を30年以上衰退路線に追い込んだ古典的貨幣観を復活させ、財政危機論を騒ぎ立て国民に過剰な負担を更に強いろうとするだろう。併せて、日本の歴史や伝統、文化を鑑みず理念なき国際化を推し進めようとする者の覇権が復活する可能性も否定できない。
自民党が大勝することで高市内閣が進めてきた方針に対する党内抵抗勢力の威力ばかりが増してしまう恐れがある。そうなると必要な歳出に躊躇しないとした骨太の方針が瓦解することもありうる。自民党には裏金問題で2024年の衆院選で落選した議員が28名もいる。この前議員達をどのように処遇するのか、公明党が離脱したことによる創価学会票をどのように補うのか、選挙によって年度内成立が厳しくなった予算に対してのどう説明するか、民主主義に反して議員定数削減(議員立法)を迫る維新との距離感をどのようにするのか、それなりに選挙に係る課題はある。自民党が議席を伸ばしたとしても行き過ぎた大勝は逆に高市氏にとって不利益になりかねない。よって、自民党の単独過半数が危ぶまれる程度の勝ち方が政権運営上、理想的なのではないかだろうか。
(坂本雅彦)
TIMES
政治•経済



