2026/01/03
5年に1度、ポーランドの首都ワルシャワで開催されるショパン国際ピアノ・コンクールは、若手ピアニストの登竜門だ。古くは、マウリツィオ・ポリーニ(イタリア)、マルタ・アルゲリッチ(アルゼンチン)、クリスチャン・ツィメルマン(ポーランド)、ダン・タイ・ソン(ベトナム)、スタニスラフ・ブーニン(ソ連)など多くの巨匠を輩出してきた。
2025年に開催された第19回の優勝者は、エリック・ルー(アメリカ)。彼の父親は台湾・高雄出身、母親は中国・上海出身の中華圏系だ。前回優勝者のブルース・シャオユー・リウも中国系カナダ人である。
今回も予選から中国人、中華系の多さは際立っていたが、予選から本選へと進んだ中にも多く、最終的に6位までの入賞者8人のうち、なんと6人が中国人と中華系にルーツを持つピアニストだった。まさにクラシック・ピアニストといえば中華系と言われる時代を予感させる出来事である。
一方、ショパンコンクールどころか10年後には、ノーベル賞受賞者も中華系ではなく、本物の中国人だらけになるかもしれない。
数学者の藤原正彦氏がこう警告している。ノーベル賞受賞の日本人はこれまでに30人を輩出したが、「ほぼすべて30年以上前の研究」であり今後は減っていく。なぜかという質問にこう答えたのだ。
「最大の原因は、04年の国立大学の法人化です。日本の研究の9割は国立大学によるものですが、その研究予算をどんどん減らされて来た(中略)。背景にあるのは小泉、竹中時代の構造改革を掲げた政治にあり、日本の教養度が下がったからです」(週刊新潮:25年12月11日号)
米中がしのぎを削るAI関連技術で日本の特許庁が25年6月に発表した「AI関連発明の出願状況調査(国際編)」を見ると、日本は一部の分野で後れを取っているうえ、特許出願数では中国が圧倒的なリードをしており、米国、韓国がそれを追う構図になっている。米国は20年をピークに出願件数は減少傾向にある。
AIコア技術における特許出願件数では、中国が米国の約8.5倍(約44万件)を記録し、圧倒的な存在感を見せつけた。とりわけテンセント、バイドウなどの中国企業や大学が出願上位を占めており、国家規模での戦略的投資が透けて見える。
加えて特許認可件数は別とはいえ、画像・映像処理や自然言語処理でも中国の出願数はトップであり、技術領域を問わず総合的に強さを発揮している。中国がノーベル賞を独占する日もそう遠い日ではない。(梛野順三)
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