政治•経済 短期集中連載 アフリカ有数の産油国アンゴラとの投資協定が発効 その2 参議院議員秘書 吝 貢辞(やぶさか こうじ)
短期集中連載 アフリカ有数の産油国アンゴラとの投資協定が発効 その2 参議院議員秘書 吝 貢辞(やぶさか こうじ)
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2025/05/08

大手日系企業も多く進出している

(写真 赤部分がアンゴラ)

 話をアンゴラとの協定に戻す。アンゴラは経済の多角化・安定化を目指し汚職対策、財政・金融改革、為替制度改革をはじめ投資環境改善・法整備を推進し、外国からの投資誘致に積極的に取り組んでいる。サハラ以南アフリカ地域有数の経済規模を有するとともにアフリカ屈指の産油量を誇り豊富な鉱物資源を有する経済的潜在成長力の高い国であるため日本企業の関心も高い。豊田通商、キャノン、NEC、パナソニック、横河電機、三菱ふそう、三菱重工、小松製作所、寺岡精工、山梨日立、IHI、JFE、国際石油開発帝石、日本海洋掘削、三井海洋開発、NTT、住友商事、双日、丸紅、日本郵船、千代田化工建設、日揮など錚々たる日系企業が進出している。

 アンゴラは127万平米と面積が広く日本の3倍以上、人口は約3550万人、首都はルアンダでキリスト教徒が多い。1975年独立以来の長期にわたる内戦により経済は極度に疲弊したが石油、ダイヤモンド等の鉱物資源に恵まれている他、農業、漁業等の潜在能力も高く、過去10年間、概ね高い経済成長率を維持している。特に石油についてはナイジェリアに並ぶサブサハラアフリカ最大の産油国。2007年には石油輸出国機構(OPEC)に加盟したが自国の利益にならないと2023年に脱退した。一方、アンゴラ政府は石油依存型経済からの脱却を図るため国家開発計画の下、農業、製造業の振興等による産業多角化を喫緊の課題として掲げている。かつてはコーヒーの栽培が盛んであった。

 日本はアメリカ、フランスに次ぐアンゴラへの支援国である。有償無償を含め累計740億円及び輸送用機器類等で約220億円相当の輸出をし、石油や天然ガスを約80億円相当輸入している。アンゴラは、元々はポルトガルの植民地であったが第二次世界大戦後に独立運動が巻き
起こり1975年にはポルトガルからの独立が認められた。だが、それ以降も2002年まで内戦が続いた。キューバとソ連の支援を受けた社会主義政権が南アフリカとアメリカ、中国の支援を受けた反政府勢力との衝突が激化し多くの人命が失われ経済は疲弊した。内戦で使用された地雷の撤去が進んでおらず現在でも経済成長の足かせになっている。国連の推定によるとアンゴラ全土に残されている地雷は数百万発に達すると言われている。冷戦終結後、外国軍は撤退しポルトガル政府の仲介によって内戦は終結する。しかし、政府のザイール出兵後に反政府勢力が再び蜂起し内戦が勃発する。2002年2月、反政府勢力のサヴィンビ議長が民間軍事会社の攻撃で戦死して長い内戦の歴史にピリオドを打った。

 アンゴラの内戦後、中国は多くのインフラ整備を行っている。2014年には内戦で破壊されたベンゲラ鉄道を中国の援助で再建した。アンゴラは原油の4分の1を中国に輸出しており最大の輸出先なっている。しかし、アンゴラに利益を還流しない中国の方法にはアンゴラ人からの批判もあり大規模な反中デモも起きている。沿岸部の埋蔵量80億バレルとされる原油と内陸部で産出するダイヤモンドなど鉱産資源には比較的恵まれていることから中国は20億ドルの融資を行いインフラの再建を手助けしIMFの影響力を低下させることに成功した。アンゴラの石油の輸出先で一番多いのが中国であり、中国にとってもアンゴラが石油輸入の最多先となっている。

 内戦の影響は物価を直撃している。アンゴラの首都ルアンダの物価は世界一といわれている。ほとんどの物資を輸入に頼っていることからキャベツ1個が約20ドルになってしまっている。住宅の供給数が絶対的に不足していることから家賃が高騰、日本人駐在員の家賃相場は月100万円に跳ね上がり、外国人は強盗のターゲットにされているという。(つづく)

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