2026/03/17
ソフトバンクグループ(SB)傘下のPayPay(親会社は携帯のソフトバンクとSNSのLINEヤフー)は、東京証券取引所をスっ飛ばし、アメリカのナスダックに上場した。
売り出し価格は1株当たり17~20ドルで、時価総額は最大で2.1兆円程度。米大手ビザの子会社やアブダビ投資庁、カタール投資庁傘下部門も出資し、日本企業の米上場としては、過去最大級になる見通しだ。
この上場時の時価総額が2兆円規模と評価されたことが衝撃をもって受け止められている。なぜ日本企業であるSB傘下のPayPayがアメリカで上場したのか。その理由は、①ナスダックの方が審査期間が短いこと。②フィンテック企業の場合はナスダックのほうが時価総額が高くつくこと。③今後の海外展開において知名度などの点で有利になることの3つだ。
今回の東証スルー上場劇は起こるべくして起きた。まず、2000年にSBグループの孫正義会長兼社長が「日本の金融市場に革命を起こす」と、24時間取引構想をぶちあげてナスダック・ジャパンを設立したが、その2年後、米ナスダック側が「採算が合わない」との理由で日本から撤退してしまう。これに対するリベンジだ。
次に20年、LINEはニューヨーク証券取引所での上場を廃止している。同社は韓国のNAVERの子会社であり、日米で同時上場をしていた。
ところがSBグループのヤフーと経営統合をすることになり、スキームとしてLINEは上場を廃止し、株式を非公開にした。LINEがSBグループの一員になったことで、グループ内にアメリカで上場するメリットやコストについての知見が蓄積されたこと。そして3番目は、23年にSB傘下の英・アームホールディングスがナスダックに上場したことだ。
この上場は、この年の世界最大規模の新規上場となり、これが孫会長兼社長にとって大きな成功体験となった。
今後グローバル化を視野に入れる企業は、東証をスルーし米市場に打って出ることになるだろう。(梛野順三)
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