2025/12/23
2018年12月20日、能登半島沖の日本海上で、韓国海軍の駆逐艦「広開土大王」(クァンゲト・デワン)が海上自衛隊のP-1哨戒機に対し、攻撃を意図する火器管制レーダー(射撃指揮システムで使用されるレーダー)を照射した。いわゆる「ロックオン」だ。
当時の安倍晋三内閣は、韓国政府(文在寅政権=反日を是とする左翼政権)に対し抗議したが、韓国政府は「使用していたのは探索レーダーで、哨戒機が目標ではない。北朝鮮の遭難船のためにレーダーを稼働したのを日本側が誤解した」と主張して、日本側と真っ向から対立した。
それが通じないとみるや今度は、「大王」にP-1哨戒機が低空飛行で接近し「威嚇飛行」を行ったと主張し始め、日本政府が「威嚇飛行を行った事実はない」と反論したが、これも真っ向から対立した。
中国軍機が領空侵犯監視に当たっていた航空自衛隊のF15戦闘機にレーダー照射した事件も韓国海軍と同じ行為である。
中国側は終始「木で鼻を括る」態度で、逆に手を変え品を替え、日本側に非があるような発言を繰り返している。「嘘も百回言えば真実となる(ナチス・ドイツの宣伝相ゲッベルスのセリフ)」を実践した態度だ。
レーダー照射には、捜索用レーダー(SART)と火器管制用レーダー(FCR)がある。韓国軍艦も中国機もレーダー照射が射撃の準備段階として目標を捉える「火器管制」レーダーだったことは、偶発的な軍事衝突など不測の事態を誘発しかねない危険な行為だ。
ところで、中国軍によるレーダー照射の事例は珍しくない。23年2月6日には、フィリピン沿岸警備隊の巡視船が南シナ海の南沙諸島のアユンギン礁付近で中国海警局の艦船から軍用級のレーダー照射を受けた。
また今年7月2日には、中国軍艦が紅海上空で偵察任務に当たっていたドイツ機にレーダー照射したことで、ドイツ側が中国側に抗議するという事態が起きた。
ドイツ外相は同件について、「事件は憤慨の極みだ。中国はこの事件について説明責任を果たす必要がある。中国のいかなる不適切行動、そして我々のルールに基づく秩序に反するいかなる行動も断固拒否する」と批判し、中国大使を呼び、ドイツ側の立場を明確に伝えている。
ドイツメディアは、≪中国軍のレーダー照射事件はアジア極東地域では日常茶飯事だ。中国軍はその緊迫したエリアで軍事演習を繰り返してきていることもあって、レーダー照射が危険な違法行為、といった認識に欠けているのではないか≫と分析している。
当時の中国外務省報道官は、ドイツ政府の抗議に対し、日本へのそれと同じように「ドイツ外務省の説明は事実と全く一致しない」とシラを切り通した。
韓国海軍も今回の中国海軍も「日本は憲法の縛りから反撃してこない」ことを熟知しているから“威嚇得”なのだ。
ところで空自にレーダー照射したJ15戦闘機は、中国海軍の空母「遼寧」から発艦している。同艦は旧ソ連製の「ワリャーグ」をウクライナから1998年に購入したカタパルト非搭載の旧式艦で、飛行甲板はスキージャンプ式なので着艦は難しく、たびたび殉職者が出ている。J15は無事着艦できただろうか。(梛野順三)
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