社会•事件 連載•小説 形骸化「第三者委員会」の存在意義を問われる注目の裁判③
形骸化「第三者委員会」の存在意義を問われる注目の裁判③
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2026/04/13

ほの見える会社側の結論ありきの意図

 

 近年よく言われる第三者委員会の問題点。その問題を真正面から問う民事訴訟では、第三者委員会が出した結論のみならず、そもそも第三者委員会が設置される前の状況から、その結果生じたことについてまでが問われていた……。

 

 前回では、本件訴訟は第三者委員会そのものではなく、設置の前後のことまで関係者に賠償責任が問われる形になっていることに触れた。なぜこういった構成になっているのか。

 その個別の事情については、連載を進める中で徐々に触れていきたいと思うが、原告側の主張に立って見た場合、そこには第三者委員会の問題点として指摘される、「透明性・独立性・結論ありき」といった要素がだいぶ見受けられるのだ。例えば「結論ありき」であったことを垣間見させる失態を会社は演じている。

 本訴訟では適時開示とその内容の適正性を問う形となっているが、同社は6月29日に6月20日付け適時開示の補足説明について」との適時開示をし、以下の記述の訂正を行うとしている。

 

〈(6月20日の適時開示では、都の公安委員会から暴排条例で勧告を受けた原因となった事実について)小池信三が、当社の事業に関し、2021年3月25日、指定暴力団住吉会系の暴力団員に対し、額面約189万円の小切手を交付し〉

 

 この「小池による利益供与」を確定づけるような記述は、「誤解を招く表現」だとしているのだ。だが一方ではやはり、こうも言い切る。

 

〈上記勧告は、当該規制対象者との個人的交流があった小池信三氏の影響を当社が排除するようにという勧告であると当社は認識しております〉

 

 本来、何らかの不祥事があった場合、そこで何があったのか正確な事実を調査するために設置されるのが第三者委員会のはず。ところが会社側には訂正を行う前のストーリーがまずあり、加えて会社側は都の勧告の一事をもって、真実の解明を待たずに結論を出してしまっているというのがこの訂正から覗える。既にここにして、第三者委員会設置の意義が問われてもおかしくないだろう。

 そこで次回④では、いったん訴訟そのものから離れ、全体の経緯をまとめておこう。それはとりもなおさず、訴訟の中身を理解することでもある。・・・・・・④に続く

 

(本誌・第三者委員会問題追及班)

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