政治•経済 二代目“暗黒の君”のスティーブン・ミラーとは?
二代目“暗黒の君”のスティーブン・ミラーとは?
政治•経済

2026/01/24

  トランプ大統領の次席補佐官(国土安全保障担当)のスティーブン・ミラーは、二代目の“暗黒の君”(The Prince of Darkness)と呼ぶにふさわしい人物だ。

  初代の“暗黒の君”は、ブッシュ政権の国防政策委員会委員長としてイラク・アフガニスタン戦争を主導したリチャード・パールである。

 パールがネオコンと呼ばれる思想集団に所属していたことは知られている。ネオコン(Neo-conservative)」とは、新保守主義を意味し、アメリカの外交・安全保障政策において、民主主義の普及と法の支配を掲げ、必要であれば軍事力行使だって辞さない強硬な介入主義を主張する勢力を指した。その起源は、アメリカ共産党を追放されたトロツキストに遡る。スターリンの一国社会主義に対し、世界革命(永続革命論)を主張、労働者階級による民主主義的社会主義の実現を目指したグループで、彼らの多くがユダヤ系の元社会主義者だった。

 ネオコンの創設者は、ネオコンのゴッドファーザーと呼ばれたアーヴィング・クリストル(1920年1月22日 ~2009年9月18日)。リチャード・パールの師匠は、アメリカ合衆国の核戦略研究家として知られるシカゴ大学教授のアルバート・ウォルステッターで、二人ともユダヤ系だ。

 ミラーは、極右、反移民、白人至上主義とされるが、パール、クリストル、ウォルステッターと同じユダヤ系。彼の先祖は、ロシアのポグロムから逃れるためにアメリカに移民したアシュケナージ・ユダヤ人である。

 本来、ユダヤ人の白人至上主義者など、自己矛盾に等しい。なぜなら、ユダヤ系もアメリカの白人社会で差別されてきており、それ故、ユダヤ系アメリカ人には、リベラル派が多い。KKKのような伝統的な白人至上主義団体には、黒人と同様、ユダヤ系も入会できない。ユダヤ系にして白人至上主義者であるミラーは、在日右翼のような存在と言えよう。

 スティーブン・ミラーが、「国際的な礼儀についてはいくらでも語れるが、私たちは力と強さによって支配されている」と自己の信念を口にしたように、世界は弱肉強食であり、強い者が弱い者より優先されるのは当然といった考えだ。

 初代“暗黒の君”パールでさえ、民主化や自由化といった名分を使っていたが、そうした体裁すらしない。まるでヨーロッパのユダヤ人を虐殺したナチスのアドルフ・ヒトラーのように、むき出しの力を誇示している。

 アメリカとの付き合い方を考える上で、トランプ政権を裏で操ると言われるミラーが、こうした思想を持つに至った背景を分析しなければならないだろう。

(青山みつお)        

ミラー米大統領次席補佐官の妻がX(旧ツイッター)に投稿

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     

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