2025/12/28
前回まで高市早苗首相の台湾有事発言が原因となった中国との軍事的緊張関係について語ってきた。さらに日本と台湾の関係、中国と台湾の関係など、歴史的に密接であったことを説明した。今回は中国と台湾が政治的に対立しているように見えながら、経済的には反目しあっているのではないことを確認していきたい。
台湾の最大の貿易相手国は中国(中華人民共和国)である。しかし政治的対立に加え、アメリカ・トランプ政権による2018年および2025年の対中追加関税の発動などの影響を受けて若干亀裂が生じている。台湾は米中貿易戦争では中立的なポジションを保ちながら、アメリカ寄りの立場を取らざるをえない状況にあるからだ。前回語ったように国民党の蒋介石が中国共産党に敗れて台湾に逃げ、そこで支配を確立する過程で、アメリカの軍事力の支援を受けていた。そんな歴史もあり、アメリカとの関係を今日まで維持しているからだ。特にバイデン政権のときは豊かな資源を狙って「有事の危機」を演出し、介入を目論んでいた。
しかし、蒋介石が中国共産党と戦う力があったのは浙江財閥の経済力があってのことである。蒋介石は青幇(チンパン)という上海のマフィア組織と結びついていた。蒋介石と青幇のボスである杜月笙が手を組み、裏社会の勢力を動かしていく。その青幇の力を借りて浙江財閥ともつながり、政治的な影響力を形成していった。
浙江財閥はもともと浙江省・江蘇省出身の金融資本家集団で、中国の経済を支配してきた財閥だ。また青幇は大運河の水運業ギルドから発展した巨大な秘密結社である。蒋介石は辛亥革命のときから、青幇と交流し、浙江財閥ともつながり、大きな政治勢力となっていく。現代では浙江財閥の影響力も低下しているが、経済協力は今も健在だ。(早見慶子)
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