政治•経済 なぜ台湾有事は2027年なのか
なぜ台湾有事は2027年なのか
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2026/01/03

米国防総省が2025年12月23日に公表した中国の軍事力に関する最新の年次報告書は、国際社会に大きな衝撃を与えた。この報告書の中で米国政府は、中国が2027年までに台湾侵攻を成功させるための軍事能力を確保するべく、着実な進展を遂げていると強い警戒感を示したのである。これまでも「2027年有事」の可能性は議論されてきたが、米当局が最新の動向を踏まえて改めてこの時期を明示した意義は極めて重い。

なぜ「2027年」という具体的な数字が浮上するのか。その最大の根拠は、習近平国家主席が自軍に対し、2027年までに台湾侵攻を完遂できるだけの準備を整えるよう指示したという情報にある。この年は人民解放軍の創設100周年にあたる節目の年であり、中国にとっては軍の近代化を一段階完了させるべき国家目標の期限となっている。また、政治的にも習近平氏の異例の長期政権において、4期目入りの是非が問われる共産党大会が開催される重要な時期だ。こうした軍事的・政治的なタイムリミットが重なることで、2027年が台湾情勢の最大の臨界点として浮上しているのである

さらに、最新の報告書が警鐘を鳴らすのは、単なる兵器の数だけではない。2024年から2025年にかけて、中国軍は台湾周辺での軍事演習を倍増させており、海軍や空軍だけでなく、初めて海警局を大規模に組み込んだ実戦的な訓練を展開している。これは、武力による直接侵攻のみならず、台湾を海上封鎖によって経済的に兵糧攻めにする「グレーゾーン事態」への備えをも着実に進めている証左である。
また、米国本土を射程に収める核戦力の急速な増強も看過できない。最新の分析によれば、中国はモンゴル国境付近のサイロに100発以上の最新鋭ICBMを配備したとみられ、2030年までに核弾頭数は1000発を超える見通しだ。こうした「核の傘」を背景に米国の介入を躊躇させ、その隙に台湾への決定的な勝利を収めるというのが、2027年をターゲットとした中国の冷徹なシナリオである。

もちろん、2027年に必ず侵攻が始まると決まったわけではないが、中国側が「今なら勝てる」という確信を持つに至れば、そのリスクは一気に現実味を帯びる。米国がこの時期を繰り返し強調するのは、残された時間がわずか数年しかないという切迫感を同盟国と共有し、手遅れになる前に多層的な抑止網を構築するための一致した行動を求めているからに他ならない。

(ジョワキン)

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