2024/12/26
「フリーランス・事業者間取引適正化法」が11月に施行された。同法は、企業などに属さず個人として働くフリーランスを保護するのが目的で、取引先の企業に対し、報酬額の明示やハラスメント対策実施などを義務づけた。フリーランスが安心して働ける環境整備の加速化に期待が寄せられるが、新法の内容に関する周知が進んでおらず、どこまで実効性が確保されるのかは不透明だ。
◆社名公表や罰金も
政府の統計によると、フリーランスは副業として携わる人も含めると約462万人に上り、就業者全体の約7%だ。時間や場所に縛られない働き方に魅力を感じる人が増え、配達員や美容師、イラストレーター、イラストレーターや配達員、美容師など幅広い業種に広がっている。
一方でトラブルは後を絶たず、政府が2020年に設置した第二東京弁護士会が請け負う「フリーランス・トラブル110番」には、報酬の不払いなどの相談が続出。2023年度は約9000件に上り、24年も相談が相次いでいるという。
フリーランスを含めた下請け業者に書面を交付しなかったり、報酬額を明示しなかったりするなどの行為は、以前から下請法で禁じられているが、フリーランスと取引する企業には資本金1000万円以下が多いため、下請法の対象外となっている。このため、フリーランスに対する保護を強化すべきとの機運が高まり、2023年4月に「フリーランス・事業者間取引適正化法」が成立した。
新法は取引先に対し、仕事内容や報酬額、支払期日などの契約条件を書面・メールで明示することや、ハラスメントの相談窓口の設置などを義務づけた。違反内容に応じ、公正取引委員会や厚生労働省が勧告や命令などを行い、従わなければ社名公表や50万円以下の罰金の対象となるのが特徴だ。
◆公正取引委員会が厳格に監視すべき
手厚い保護が法的には可能になったが、フリーランスと取引先ともに認知が進んでおらず、実効性に課題が残る。新法施行を控え、政府が今年5月に実施した調査では、「新法の内容を知らない」と回答したのが、フリーランス側では7割を超え、取引先側も5割超となった。昨年4月の新法成立から施行まで1年半以上の期間が設けられたのは、周知のための準備期間だったはずだが、認知不足が浮き彫りとなった形だ。
あるフリーランスは「いくら新法が守ってくれるとはいえ、フリーランス側から取引先に色々と苦情を伝えるのは、立場の弱さからもハードルは高い」「面倒なやつだと思われると、業界内で干されかねない」ともこぼしており、やはり取引先が適切に対応しない限り、トラブルは減らないだろう。
施行された新法を絵に描いた餅にしてしまっては、意味がない。公正取引委員会や厚労省には、新法に違反する企業に適切な対応が取れるよう、下請法と同様に厳格な監視態勢が求められる。
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