2026/02/13
生命保険業界で発覚した史上最大の不祥事といえるだろう。外資系生保大手のプルデンシャル生命保険の社員ら約100人が顧客約500人から計31億円の金銭を詐取するなど不適切な行為を繰り返していたことが判明した。間原寛社長が2月1日付で引責辞任したのは当然だが、架空の投資話を持ちかけるなど不正に関与した社員・元社員の人数からすると、個人の犯罪で言い逃れできるレベルではなく、組織としてのガバナンスの欠如が明白だ。
プルデンシャル生命は、飛び込み営業はせずに、顧客にほかの顧客を紹介してもらうなど、こ「信用」を大事にしてきたことで知られる。それだけに、今回の前代未聞の不祥事は、その信用を根本から崩す信じがたい愚行といえそうだ。もはや、生命保険会社としての体をなしておらず、詐欺師の集団と批判されても仕方ないだろう。本来、顧客に安心を提供すべき生命保険会社として、猛省に猛省を重ねるべきだ。
不正の温床とされてきたのが、過度な成果主義だ。新規契約を獲得すればするほど報酬があがる一報で、業績が芳しくない社員は経費や生活資金が不足するケースもあったとされる。プルデンシャルの営業は中途採用の「即戦力」が多く、営業社員同士でもしのぎを削っていたのだろう。
もちろん、保険業界において「営業」の果たす任務は重く、成果を上げることは大事だが、コンプライアンスが大前提にあるのは言うまでもない。成果を上げるために犯罪に手を染めるなどもってのほかだ。
不正は30年以上にも及んでおり、法令遵守意識の欠落も極めて深刻だ。すでに一部のケースが事件化されているほか、金融庁が高い悪質性を踏まえて立ち入り検査に踏み切った。今後、当局による徹底的な捜査・調査によるさらなる全容解明が不可欠だ。
そもそも、プルデンシャル生命は社内調査で判明した不正として先月に概要を公表したが、これだけ不正が長期間にわたって続き、関与した社員らの人数の多さを踏まえると、社内調査だけで全容解明ができたのかにも疑問が残る。当局による徹底解明はもちろんだが、プルデンシャルが自ら外部有識者らによる第三者委員会を立ちあげ、徹底的に自浄作用を働かせることも重要だろう。(桜田亮)
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