2025/12/30
日本の脱中国依存が急加速中だ。中国がレアアース(希土類)の輸出規制を打ち出したことで、米国をはじめ各国が中国以外でのレアアース調達に奔走し、自国でのサプライチェーン(供給網)の整備を急いでいる。
欧米の自動車メーカーは、レアアースの使用を削減するか、使用しないための試みを進めている。実際、BMWはEVにレアアース不使用のモーターを採用済み。また、米ノースイースタン大学をはじめとする研究機関では、隕石の中でしか見つかっていない高性能な磁性材料を合成する研究を進めている。
日本は中国からのこの手の嫌がらせは経験済みだ。2010年、両国の領土問題が緊迫するなか、中国が事実上の対日輸出停止に踏み切った。その後、政府は水面下で対策を進め、中国依存度を大幅に低減したサプライチェーンを着実に構築した。
現在、日本のレアアース輸入の対中依存度は当時の90%超から60~70%にまで低下している。影響はあるが欧米より軽微と言える。
中国は水産物の禁輸を実質再開したが、かつての2年近い禁輸期間には、ホタテなどの販路を米国やベトナムに拡大することで挽回することができた。輸出先や輸入元を一つの国に頼るのは、リスク管理の面で得策でない。中国のような独裁国家で政治的にも先行き不透明な国はなおさらだ。
中国からの企業の撤退もハイペースで続いている。キヤノンが広東省中山市に設立したプリンターの主力工場は、中国の類似品の追い上げと安値攻勢により従業員に退職金を支払い25年11月に撤退した。
富士フイルムは車載カメラ用レンズ等を生産する上海工場を現地企業に30億円で売却し、生産を外部委託する形に切り替えた。リコーは米国向けに輸出している事務機生産を中国からタイに移すと発表した。
休廃業に至った日系企業は進出企業の10%だが、現在も、実際的撤退は続いている。閉店のトップはコンビニの「ローソン」が202店舗を。次いで「セブン-イレブン」(62)、「ベネッセ」(56)。「ユニクロ」も15の休廃業を行っている。
ところで日本政府観光局が発表した1~11月の訪日外国人数は3906万人となり、年間初の4000万人突破が確実な情勢だ。
そんななか京都や大阪では中国人観光客の姿がめっきり減って、静かな日常が返ってきたと大歓迎だ。ショッピング目当ての中国人客への依存が減れば、モノ消費からコト消費への流れも強まるだろう。
だいたい中国人観光客は、富裕層を除いて、中国人の白タクに乗って、中国人の経営する民泊に泊り、中国人の経営するスナックや居酒屋で食事をする。日本には直接ゼニを落とさない。このまま意味のない嫌がらせを続けてほしいものだ。(梛野順三)
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