東・京大生の就職先としてコンサル業界の人気が高まっている。新卒採用向け求人サイトのワンキャリアが公開している就活人気企業ランキング(26年卒)の「東大・京大ランキングTОP30」をみると上位10社のうち総合商社の三菱商事とメーカーの資生堂を除いた8社が、コンサルティング業界に属する企業だった。 クライアントの経営課題や事業課題を解決すべくコンサルタントをチームで派遣し、その対価として決して安くはない報酬を企業から得るコンサル企業は、一般に「コンサルティングファーム」と呼ばれる。 「ファーム」とは言い得て妙で、「育成組織」つまり、次のステップに至るための“腰掛け”という意味合いもある。 だがその一方で倒産も多い。2025年秋信用調査会社が、経営コンサルティング会社の倒産件数が、過去最多のペースで推移しているというレポートを発表した。倒産に至らないまでもAIの急速な進化を背景に人員整理に動く大手コンサルもある 経営コンサルといえば“経営不振を支援し再生する側”である。それが倒産では笑えない話だ。ただし大手ファームも含めた経営コンサル業界全体が不調というわけではない。 大手ファームに勤務する腕っこきのコンサルの中には、「独立したほうがマシだ」という不満が引き金となり、実際に退職・独立を選ぶ層が一定数存在する。 しかし、起業の世界はそんなに甘くはなく、1年目で多くの企業が姿を消していくのだ。これが倒産の理由である。 起業ではない“独立形態”も出現している。それが「フリーコンサル」だ。「タイミー」のように、フリーの人たちが空いた時間に金を稼ぐのだ。 従来の常識にとらわれない新世代のコンサルも台頭している。「全世界230万人のコンサルタントをAIエージェントで代替する」とレクチャーするのが、グロービングという企業だ。21年創業から3年で東証グロースに上場し、26年1Qは売上高26.6億円(前年同期比プラス55%)、営業利益率は37%。平均年収も2025万円と業界屈指の水準を誇る。 「若手を大量にアサインし、提案時しか最上位職が関与しないモデルは業界を廃れさせる」と同社幹部は指摘し、同社では定型業務をAIに任せ、マネージャー以上の関与率を高めることで従来の人月モデル(1人の社員が1カ月働く量)から脱却した。結果的に成果ベースのビジネスモデルに転換することで今のところ成功している。コンサルをコンサルする人も必要な時代になったのか。(梛野順三)