社会•事件 AIで死者と話すデジタルゴーストの登場―人間の心は癒せるのか?
AIで死者と話すデジタルゴーストの登場―人間の心は癒せるのか?
社会•事件

2026/04/11

 人間にとって大切な人が急にこの世を去ったらどれほど寂しいだろうか。もし病気が原因で亡くなった場合、十分な会話をしてあの世に送り出すことができる。しかし、今日笑顔で帰ってくると思った大好きな子どもや両親、あるいはパートナーが不慮の事故でいなくなったとしたら。突然の別れが悲しくて辛くて涙が止まらない日々を過ごすことだろう。ところがもう話すことのできない大切な人と会話できるシステムが誕生したとしたらどうだろうか。

 今、デジタルゴースト(AIゴースト)という故人と話をするツールが開発されている。デジタルゴーストとは、故人が生前に残したデジタルデータをもとに作られるAI人格のことだ。具体的には①SNS投稿②メールやメッセージ③写真や動画④音声記録などを活用。こうしたデータを学習したAIが、故人の話し方や人格を模倣し、まるで本人が会話しているかのような応答をする。

システムの形態は、テキストチャットボットから音声クローン、さらには映像アバターまでさまざまだ。研究者チームは、これらの技術を総称して「deadbots」「digital twins」「griefbots」「postmortem avatars」などと呼んでいる。すでに技術は現実のサービスとして利用可能となっている。

「Roman bot」が利用可能になったのは2016年。友人のメッセージ履歴をもとにチャットボットを作成することができる。また、オンラインサービス「Project December」では、亡くなった恋人をAIとして再現し会話ができるという。

最近で注目されているのは①HereAfter AI:生前インタビューをもとに音声AIを作成するアプリ、②StoryFile:動画インタビューを使った対中国のAI追悼サービス話型アーカイブ、③:写真1枚から会話可能なアバターを生成だ。心の寂しさを癒す力にはなってくれるだろうが、専門家からは依存することにより現実を受け入れられなくなるのではないか、との懸念が指摘されている。AIと人間はどこまで親密な関係を保つことができるのだろうか。(早見慶子)

TIMES

社会•事件