連載•小説 藤吉郎、半兵衛の知略で西美濃三人衆を寝返らせる
藤吉郎、半兵衛の知略で西美濃三人衆を寝返らせる
連載•小説

2026/03/12

 藤吉郎は信長に命じられ、斉藤龍興の配下で美濃西部の要衝を押さえていた安藤守就、氏家卜全、稻葉一鉄のいわゆる「美濃三人衆」を寝返らせる調略に取り掛かっていった。

 

三人衆に対して行った懐柔と利益誘導の手練手管は、藤吉郎の数ある調略の中でも最高傑作とも言われるのだが、そこで大きな力となったのが竹中半兵衛だった。口説かれた藤吉郎ではなく信長に直接仕えるポジションに就いたので、軍監として藤吉郎に貸し出した格好となっている。

 

まず狙ったのは三人衆の筆頭・安藤守就だった。半兵衛は美濃国衆の出身で、自身の正室の父である守就を通して斎藤氏内部の動きを把握しており、かつ守就の強欲さをよく知っていたので、藤吉郎に恩賞の約束を活用した調略を助言した。藤吉郎はその助言通り西美濃を歩き回り、信長の支援を約束して寝返りを促したという。

 

すべては龍興が「その器ではない」のと、それを三人衆がよく承知していることを見越しての工作だった。藤吉郎は守就から誓紙を取ることに成功。さらに卜全・一鉄への工作も補強し、三人衆の寝返りを確実なものにしている。(つづく)

 

(西川修一)

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