第46回 椎野礼仁のTANKA de 爺さん
連載•小説
2026/03/09
道
この暗い思いを払拭できぬまま三つの駅を歩いて帰る
今年もまた新発見のように驚きぬ 角を曲がるとつつじの匂い
家を出るときに携帯ONにして外の顔して駅へと歩く
「小松菜です一束一〇〇円」の手書き文字 雨に打たれて無人スタンド
終電を降りてついつい口をつく ♪ボウギャクノクモ ヒカリヲオオイ
路地奥に線香花火の兄(あに)弟(おとおと) 無言で何かが終わるの待って
先週は、NHKカルチャーセンター青山の福島泰樹・実作短歌入門講座に提出した「夢」の連作を掲出した。で今日は、その六首のうち、福島先生と議論になって、添削の提案もいただいた。それを俎上にすると書いたが、生まれついての粗忽者。資料を会社に忘れてきた。
そこで、急遽、来週の講座の課題「道」についての旧作・改作をピックアップしてみた。ここから推敲して、13日(金)の福島先生の講座に提出します。
1首目から5首目までは、通勤・退勤の途上に見たもの、感じたものをそのまま歌にしたもの。最後のものは、花火だったか路地だったかの詠題で作ったものの改作。講座には前のものと並べてみて、歌評を仰ぎたい。
蛇足。5作目の♪ボウギャクノクモ ヒカリヲオオイ は♪暴虐の雲 光を覆い 敵の嵐は荒れ狂い と続く「ワルシャワ労働歌」の冒頭です。
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