連載•小説 第44回 椎野礼仁のTANKA de 爺さん
第44回 椎野礼仁のTANKA de 爺さん
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2026/02/23

草むしり

草抜けばアリ、毛虫、まり虫、ダンゴ虫、命がこんなに群がって

いっせいに逃げる蟲蟲せめてもはスコップ突き入れるのはやめる

一メートル四方の草を抜くだけで何百匹の生を犯すか

「ガザ攻撃」はたして俺がしてるのか 草をむしれば逃げまどう蟲

金子みすゞもしたんだろうな草むしり 土の下では葬式出るか

府中市の自宅は父親から相続したもので、戸建てなので、犬の額(?)ほどの小さな庭がある。

去年の夏、暑い盛りに草むしりをした時に感じたものを短歌にした。素直なだけで、私としては先祖返りしたような歌。作品としてあまり選ぶところはないな。そうは思ったが、なぜか読んでもらいたいと思った。

最後の歌は、金子みすゞの「大漁」の詩の本歌取りだ。

(大羽鰯が大漁にとれたので)

浜は祭りの

ようだけど

海のなかでは

何万の

鰯のとむらい

するだろう

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