連載•小説 連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.85『テトリス本棚 その1』
連載『俺の名前は三遊亭はらしょう』vol.85『テトリス本棚 その1』
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2026/02/15

本棚を買おうかどうか迷っている。というのも、以前暮らしていた部屋は狭すぎて、自分のフリースペースが畳一畳ほどしかなく、独房のような空間であった。その為、本棚を置けば、俺は家の中で満員電車のように直立不動で立って寝るしかなくなる。身体を横にするには、本を部屋の隙間の至る所に置くしかなかった。俺は勝手に「テトリス本棚」と呼んでいた。だが、今はその頃の二倍以上の広さがあるので本棚は充分に置ける。ようし、と思ったが、仮に本棚を買ったとして、メリット、デメリットはある。まず良いのは、何の本があるのか一目瞭然であることだ。五十音順に並べるといった、そんな整理整頓まではしないが、現在、俺は本をその辺に置いている為、再読しようとした際に、探検隊レベルで探す羽目になる。それゆえ、本棚にあれば冒険に出かけなくてもすむから、ストレスが相当に減る。メリットは、精神面の充実、安息である。では、デメリットはというと、

(つづく)

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