椎野礼仁のTANKA de 爺さん 第12回 寺山修司 その2
連載•小説
2025/06/23
おそらくは麦藁帽の少年も海の広さを知らないだろう
これまた下手くそな寺山修司の本歌取りだ。本歌は
海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手を広げていたり
「海っていうのはね・・・」と得意満面で両手を広げる少年・・・も実はまた海を見たことがない、そう読んだ方が歌境が深まるような気がするが、どうだろうか。
さて、先週の続きである。寺山に煽られ津よりバスでさらに入る芸濃町から東京に出てきた男は、その名を伊藤裕作という。もう後期高齢者に入った。
寺山と同じ早稲田の教育学部に入り、当然、寺山もいた早稲田短歌会に所属した。7年かかってやっと(?)卒業すると、これも寺山の後を追ったか、文筆業に身を通ずる。
「自販機」を知っているだろうか? エロ雑誌を顔合わせしないで買えるように、町角に置かれていた自動販売機だ。そこに置かれる雑誌の記事をはじめ、夕刊紙など風俗ライターとして斯界では知るぬ人もない存在となった。
著作も多数あり、多く取材したソープ嬢を描いた『シャボン玉伝説 』という歌集も上梓。その中の一作を紹介して、この稿を終える。
するときはいつだって初夜新鮮に肉体(からだ)を開く花嫁娼婦
TIMES
連載•小説





