2026/03/07
作家の司馬遼太郎は訪中見聞録ともいえる「長安から北京へ」(中央公論社)でこう書いている。司馬が、日本作家代表団の1人として招待されたのは1975年5月のことだが、当時中国を批判していた曽野綾子のことを「どう思うか」と聞かれ、返答に困った司馬は、「美人だと思いますよ」とはぐらかした。
この時同行した作家は他に井上靖、戸川幸夫、水上勉、庄野潤三、小田切進、福田宏年で、60年に中国人民対外文化協会と中国作家協会に招かれたのが、野間宏、亀井勝一郎、松岡洋子、開高健、竹内實、大江健三郎だった。亀井は中国共産党の支持者になって帰国し、以後中国ヨイショの旗を振った。
中国共産党の外交を一手に引き受けるのが中央対外連絡部(中連部)だ。中国政府の外交の窓口である国務院外交部とは別の組織で権限はより大きい。その中連部のターゲットにされた議員がかつて6人いた。
福田達夫(5期)、中川俊直(参政党政調会長補佐)、田野瀬太道(5期)、大野敬太郎(5期)、武部新(5期)、津島淳(5期)だ(いずれも衆院選前)。
この6人がターゲットになったのにはワケがある。いずれも将来の…としての青田刈りであり、父親が中国と関係が深かったのだ。字数の関係で1人挙げれば、福田達夫議員の父親である福田康夫・元首相は、歴代首相のなかでも親中派の代表格といえる存在だった。
1人だけ異色と言える人物は大野敬太郎議員で、父である大野功統・元防衛庁長官は台湾生まれだっただけに親台派だった。敬太郎議員が2014年に訪台した際に親中派の馬英九総統(当時)と会見している。台湾工作の一環だったかもしれない。ちなみにこの時には中川俊直、津島淳、武部新各議員も同行していた。
中国が力を入れたのが小渕恵三元首相の娘で、かつては“次の次の総理候補”と言われた小渕優子議員(9期))だ。
小渕元首相は、外相時代の1997年、日中漁業協定締結にあたって、尖閣諸島が含まれる海域で操業する中国漁民に対して、「(日本政府は)漁業に関する自国の関係法令を適用しない」と事実上、“違法操業”を認める「小渕書簡」を交わしたことで知られる。
14年、彼女は自身の政治資金問題を指摘された際、証拠隠滅のために自身のパソコンのハードディスクをドリルで破壊した疑いがあるために「ドリル優子」と名付けられ、事実上総理候補を失脚した。中国は的を外した。(梛野順三)
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