浜田聡氏の鋭いツッコミに座布団1枚

 立憲民主党と公明党が組んで中道改革連合という新団体を形成し参議院選挙に挑むという茶番が繰り広げられているが、昨年まで私が仕えてきた浜田聡前参議院議員の動向が気になるところ。YouTubeやXなどSNS以外は地味で寡黙でソロ活動が得意な孤高の秀才であるが、氏のXを辿ってみると珍しく渾身の皮肉を放っていた。   『「中道」とは「中国への道」を意味するのでは』   山田君、座布団一枚!That‘s right。おっしゃる通り。浜田聡氏のポストへの反応の中には中道改革って『「中革」派じゃないか』というリプライも。立憲民主党の創設者の枝野幸男衆議院議員は中核派ではないが革マル派の代表格であるJR東労組の支援を受けているし、弁護士でもある枝野氏は革マル派のメンバーが捕まると代理人弁護士を務めていた経緯がある。立憲民主党の野田佳彦代表は仕事始めの挨拶で「媚中派の最高顧問もいますし、態度の悪い幹事長もいる」と発言しバッシングを受けた後に自虐的に言っただけだとして発言を修正している。これは紛れもなく枝野氏と安住氏を指している。公明党も中国とは結党以来の深い関係がある。公明党の母体である創価学会の当時の会長池田大作氏は中華人民共和国の正式承認と中国との国交回復を活動方針に掲げていた。公明党はその意向を汲んで事あるごとに日中間に介在してきた。悪いことと決めつけはしないが、公明党が中国共産党と親密な関係にあることは間違いない。立憲民主党と公明党が「中国への道」と言われてしまうことは名誉を毀損するバッシングの類ではない。そういわれる一端があるのだから事実の適示のようなもの。批判的なひとつの意見に過ぎない。大喜利風の浜田聡氏のポストはネガティブな評価であっても糾弾を回避する柔軟でクレバーなポストであった。 さて、そんな浜田聡氏は衆院選に立候補するのだろうか。自身の政治団体として日本自由党を立ち上げ、予てから国政に復帰する準備を進めてきた浜田聡氏であるが、目下のターゲットは3月に告示される京都府知事選であった。浜田聡氏は京都府出身であるから不自然ではない。3選を目指して出馬を表明している西脇隆俊氏は自公立国相乗りの絶対的な本命。西脇氏は京都出身の建設官僚、復興庁で事務次官を経験しているスーパーエリートだ。浜田聡氏にとっては売名に適い供託金ラインを越えたら御の字だと言える。京都知事選が国政復帰の為の取り組みだとすると、困ったことに高市首相の衆議院の解散総選挙がその前に行われることになってしまった。ただ、従前の方針だと浜田聡氏の狙いは衆議院ではなく参議院。衆議院だとしても比例の近畿ブロック。小選挙区での勝負は想定していない。なので、浜田聡氏が衆院選で京都1区からの立候補を検討しているのは京都府知事選の前哨戦としても位置付け。選挙戦略としては古典的だが有効。心配するとしたら選挙疲れと軍資金。何はともあれ、浜田聡氏は実直な人物であるから更なる活躍を期待している。私は京都で自分の会社の本社を置いて20年以上も活動していたし、自宅も浜田聡氏が住んでいた山科区大宅の同じ町内にあった。京都での知人友人は多い。陰ながら密やかに声掛けに勤しんでいこうと思っている。 最後に私も大喜利を。   中道改革とかけてハニートラップととく、そのこころは、 ちょうどよい快楽でしょう   (坂本雅彦)   浜田聡X 引用ポスト https://x.com/satoshi_hamada/status/2011690688937906483  
政治•経済

2026/01/28

最新記事

大企業の巨額献金にひれ伏す自民党  石破新首相の変節で経済失速へ 連載提言3回
大企業の巨額献金にひれ伏す自民党 石破新首相の変節で経済失速へ 連載提言3回

大企業優遇による経済停滞  90年代後半以降の低金利政策の端緒は、不良債権で傷付いた銀行の救済だった。低金利はゼロ金利となり、マイナス金利となり、20年以上続いている。  2000年度末の家計の金融資産は約1400兆円だった。その後増え続け、昨年末に2100兆円を超えた。その半分以上が預貯金であり、仮に金利が2%付いていれば、預金者は、20年間で500兆円以上の金利を得ていたことになる。銀行はこれだけの金利支払いを免れて来たのだ。「当時、銀行は救済を受ける代わりに、米英のような投資銀行を目指すとか、担保主義によらず、産業創出を担う融資を行える能力を付けると言われましたが、合併を繰り返して規模が大きくなっただけで、旧態依然として優良企業中心の融資であり、担保主義も脱することができず、経済成長を促す存在になっていません」(前出・経済誌記者)。  前出、自民党への献金総額1位は三菱UFJフィナンシャルグループ、2位はみずほフィナンシャルグループだが、メガバンクのもう1つ、三井住友フィナンシャルグループも4位である。銀行だけではなく、2000年以降の自民党政権による大企業優遇について、企業の内部留保問題を早くから指摘したマクロ経済学者はこう指摘する。「アメリカで、マイクロソフト、グーグル、アマゾン……と新興企業が成長して主力になる間に、日本は旧来型の大企業の救済または優遇を優先し、新産業は育ちませんでした。今、AI(人口知能)の世界では、技術力も人材も、日本は米国にも中国にも敵いません。この20年の間に開いた差は、簡単には埋まらないでしょう」。 円安放置で経済停滞続くかそして現在の円安だ。  22年の自民党への献金額上位には、歴代の経団連会長企業がずらりと並んでいる。円安で利益が増えるのは、経団連に加盟する輸出型大企業だ。一方で輸入価格の上昇による物価の値上がりは庶民を苦しめている。「円安により企業の利益が増えるのは、実質利益が増えるのではなく、あくまでも為替により、見かけの利益が増えるだけであり、円安は〝麻薬〟です。この麻薬が効いている間は、経済成長へのモチベーションの低下が起きることが問題なのです。まして、1ドル120円でも〝居心地のいい為替〟と言われていたのに、現在は1ドル150円。明らかに行き過ぎです」(前出・経済学者)。  しかし岸田前首相は、自民党に巨額献金を行っている経団連が望む円安であり、「利上げ」に触れれば株価が急落する状況下で、円安を実質的に放置した。法人税を引き上げ、利上げを実行する――石破首相が事前にそう示した時、これまでの自民党政権との決別が伺えた。しかし、石破首相は就任後にそれを簡単に覆した。この先に待っているのは、経済停滞でしかない。(了)

政治•経済

2024.12.25

問題山積医療法人 心和会前理事長のあきれた日常 追跡スクープシリーズ  セカンドシーズン1
問題山積医療法人 心和会前理事長のあきれた日常 追跡スクープシリーズ  セカンドシーズン1

 違法金利だ! 借りたカネは返さない    (写真は、カネを借りている荒井宗房氏)  千葉の名門医療法人 心和会の前理事長、荒井宗房氏は医療行為のことは一切人の口に上ることはないが、カネと女性にまつわる話ならばまるでスーパーマーケットの安売りの如く、様々な方面から飛び出してくる。 本サイトとしては、そのすべてを知り尽くしたと錯覚していたが、報じた事案含め氷山の一角に過ぎないことを痛感させられている。荒井氏の金銭貸借の手口はほぼ決まっている。その片鱗を紹介しておこう。  荒井氏は東大医学部卒の若き病院理事長ということで貸し手は何もかもすっかり信じ込んでいる。大病院の理事長(当時)、東大医学部卒、あの秀才然とした風体、三拍子そろった荒井氏から、カネを貸してほしい、助けてほしい、と言われれば、カネを持っている人の九分九厘は、よし分かった、と金を貸す。実にシンプルな話である。ところがその先はシンプルではない。荒井氏はわざと貸金元金の一割多く借り入れる。ただし、借用書には借入元金の額だけを書き込む。借用書まできちんととっているのだからよもやとりっぱぐれなどなかろう。誰もがこの手口で荒井氏に巨額の金を貸し付けている。  問題はここから起こる。荒井氏はいつまで経っても金を返してこない。返済日が大きく遅れていることに債権者は気づく。慌てて債権者は元金プラス一割の返済を求める。この一割がミソである。しばらくして荒井氏の代理人から返答が送られてくる。 そこには、こう書かれている。『元金の一割増の請求などには応じられない。出資法で訴えますよ』。 債権者は唖然として言葉も出ない。こういう例は一例ではないのだ。  悪質な手口としか言いようがない。その荒井氏は、個人では破産し、医療法人は、民事再生法を申請している。 世の中、借りたもんが価値なのか?

社会•事件

2024.12.25

袴田さん「再審無罪」 確定 再審法改正 への「号砲」に タイムスの眼#2
袴田さん「再審無罪」 確定 再審法改正 への「号砲」に タイムスの眼#2

100年前のら一向に変わらなかった再審法  それにしても無罪確定までの時間が長すぎた。最高裁は1975年、「疑わしきは被告の利益に」との原則が再審請求審にも適用されるとの決定を出した。この原則に立てば、もっと早く無罪が届けられたはずだ。死刑確定の翌年に第1次の再審請求がされたが、再審が確定するまで実に42年もかかった。無実の人を罰する不正義。真犯人を取り逃がす不正義。無罪まで長い歳月を要する不正義。冤罪には3重もの不正義がある。これはあまりに絶望的である。とりわけ死刑事件である。検察はもっと全証拠に神経をとがらせ向き合うべきだった。今後、求められるのは冤罪を生んだ捜査や裁判の検証である。真摯に取り組んでほしい。少なくとも袴田さんの無罪確定はゴールではなく、刑事訴訟法の再審規定(再審法)を改正するためのスタートの号砲とすべきだと考える。再審法はおよそ100年前の条文を使って、戦後もずっと放置されてきた。わずか19条しかない。つまり再審手続きについての規定がほとんどなく、裁判官のさじ加減で運用されているのだ。この機会を逃さず、再審法の改正に踏み切るべきである。例えば無罪にたどり着くまで長い時間を要するのは、再審開始決定に検察官が不服申し立てをできる仕組みがあるからだ。 袴田さんの場合も、2014年に地裁で再審開始決定が出ながら、検察官が即時抗告をしたため、再審開始が確定するまで約9年も経過してしまった。いったん再審が決まれば、検察官の不服申し立ては禁止する法規定が必要である。冤罪の被害者は一刻も早く救済すべきなのは当然であろう。証拠開示の在り方も大きな問題だ。再審については明文の規定が存在せず、裁判所の裁量に委ねられているにすぎない。「存在しない」と検察側が主張していた「5点の衣類」のネガフィルムが保管されているのが判明したのは2014年のことだ。証拠隠しともいえる行為が再審の扉を閉ざしていたに等しい。このような不正義を防ぐためにも、無罪に結びつく、すべての証拠を検察側に開示させる法規定を設けねばならない。現在、超党派の国会議員による「再審法改正を早期に実現する議員連盟」ができている。衆参計340人以上の議員が名前を連ねる。議員立法で進めてほしい。再審法改正を求める市民集会も開かれている。世論の後押しこそ大事だ。捜査にも裁判にも誤りは起こる。無実の人を罰するのは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ。

社会•事件

2024.12.24

地方税が減ると交付金が増える仕組み #1
地方税が減ると交付金が増える仕組み #1

地方税と交付金の相関関係を知れ!  「103万円の壁」の引き上げによる税収減が地方自治体の税収減にも及びけしからんと自治体の長が次々と声を上げている。地方自治体の首長は省庁上がりの元官僚が就いていることが多いのは今も昔も同じ。  国民民主党が10月17日の衆院選で大躍進を遂げ忽ち政界のキャスティングボードを握るに至った。国民民主党は自公とも立憲とも連立は組まず与野党にプレッシャーを掛けながら政策の実現を図る道を選択した。来年7月に参院選が迫っていることから国民民主党の選択は妥当である。衆院選では自民党も立憲民主党も国民の支持を伸ばせていない。よって、スターダムに躍り出た国民民主党が不人気の両党と与するメリットは存在しない。  不安定ながらも自民党は政権を維持している。が、政権運営に欠かせない存在となった国民民主党の政策実現も図らなければならなくなった。国民民主党の基礎控除額と給与職控除額の引上げは実質的には大幅な恒久減税となる。これまで財務省は国民に対して事あるごとに財政危機を煽ってきた。財政危機を過大に唱えて国民を脅すことで増税を可能にする環境を醸成してきた。この財務省による洗脳は多くに国会議員やマスコミにも感染しており広く浸透してしまっている。  たとえ選挙で多くの支持を得て躍進したと言っても財務省が国民民主党の税制改革を指をくわえて傍観することは決してない。すかさず、103万円の壁の引上げによって政府の税収が7~8兆円減り運営に支障をきたす可能性をマスコミを利用して伝播させた。国民民主党への国民からの熱狂的期待に冷や水を掛けつつ、総務省が地方自治体に向けて地方税収入も3~4兆円の減収となることを伝える。官僚が放ったプロパガンダに地方自治体の多くの首長が飲み込まれ国民民主党バッシングを始める。中央省庁の反撃が面白いほど的を射る。多くの自治体の首長が国民民主党バッシングを始める。財政の破綻を危惧する首長まで現れる始末だ。中には大蔵官僚でノーパンしゃぶしゃぶ接待に興じたスキャンダルが発覚した人物であるにも関わらず国民民主党は受け入れ、国会議員、その後、和歌山県知事になった岸本周平氏まで国民民主党のバッシングを始めてしまう始末である。  岸本知事は「県も市町村も財政運営ができなくなるため、当然、国で補填してもらえるものと思っている。政策を提案するなら、財源も提案するのが責任政党の姿だ。大変遺憾だ」と国民民主党の政策提言を無責任だと切り捨てる。何もわかっていないのは岸本知事の方ではないか。減収となる7~8兆円はそのまま消滅するのか、それとも減税の恩恵を受けたほとんどの国民が一斉に全額を貯金に回すとでも言うのか。地方税を含む7~8兆円の減税による所得増加分は国民を通じて多くが消費に回る。消費の促進が企業に収益をもたらし法人税の増収に繋がる。消費税は一部が地方税となる。  仮に当初、地方税収が落ち込めば総務省の一般財源総額実質同水準ルールに基づいて地方交付税が増額され一般財源総額実質同水準は維持できることになっている。いずれにせよ、地方自治体は国と違って通貨発行益は得られないので国の補填に頼るしかない。多くの首長がこうしたセーフティネットがはられていることを認識できていない。そして、そのことを総務省も財務省も地方自治体に示さずに敢えて不安を煽っている。このほかにも地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律というものがある。これは住宅控除等での税収減を補填することになっていることから、その縛りを外す改正が必要となるが、地方税税収減を国が補填する制度ではある。減収補填措置は過疎法、沖縄振興法、奄美振興法、離島振興法、半島振興法、山村振興法、原発地域振興法、水源地域対策特措法、地域未来投資促進法、地域再生法にも規定されているが事業税、不動産取得税、固定資産税に紐ついていることから範囲を拡大するか特例を規定する必要がある。地方自治体は控除額引上げによる減収分を国に補填してもらうことばかりを要求しがちではあるが、自治体の中には財政に余裕があるところも存在するはずである。マクロでいえば地方自治体の税収はこの10年で20%も増加している。プライマリーバランスは黒字が継続している。地方公債の残高も減少を続けている。国と同様に税収は大いに上振れていて好調を維持している。減税当初の税収減を受け止めることができる地方自治体は多いはずである。(紅 良作)

政治•経済

2024.12.24

大企業の巨額献金にひれ伏す自民党  石破新首相の変節で経済失速へ 連載提言2回
大企業の巨額献金にひれ伏す自民党 石破新首相の変節で経済失速へ 連載提言2回

巨額献金で法人税引き下げ  巨額献金の見返りが第一に法人税の引き下げだが、自民党はその代わりに、財務省による消費税の引き上げを呑んで来た。その結果、国の歳入構造はきわめてイビツなものとなっている。  1989年に消費税3%が導入された時、法人税(国税)の基本税率は40%だった。その後、消費税増税が繰り返されて10%まで引き上げられた一方で、法人税は引き下げが繰り返され、現在は当時のほぼ半分の23・2%まで下がった。しかもこれは名目上の税率であり、実際は自民党税制調査会が毎年末に策定する租税特別措置により、大企業ほど優遇されている。  実際の法人税負担率を企業規模別に見れば、資本金1000万円以下の企業の負担率は14・6%、1億円~10億円の企業は19・8%だが、資本金100億円超の大企業の負担率は、わずか12・8%だ(財務省資料より)。今年度の当初予算では、歳入総額113兆円のうち、租税収入は約70兆円。このうち基幹3税の税収は、法人税17兆円、所得税18兆円、消費税24兆円と、消費税の税収が最も多いのである。  近年、企業が内部留保(利益剰余金)を積み上げて問題となっているが、その額は実に600兆円を超えた。一方で、庶民ほど重税感が高まる消費税は、増税のたびに景気が失速している。石破氏が掲げた「税の応能負担の原則」にしたがえば、法人税引き上げは必須だが、自民党は引き上げるつもりはさらさらない。「近年は世界で法人税引き下げ競争が起きて、日本でも、法人税を引き下げなければ国際競争に負けてしまうという理屈が通用してきました。しかし米英はじめ各国は、コロナ対策による財政悪化を埋めるために、すでに法人税引き上げに舵を切りました。しかし、岸田前首相は最後まで引き下げに否定的でした」(経済誌記者)。  最近は、法人税引き上げは「賃上げの足を引っ張る」という論調が出てきた。しかし法人税が低いため企業は利益を溜めこむのであり、法人税を引き上げれば、賃上げなり、設備投資なり、海外企業買収なりが加速する。少なくとも賃上げの足を引っ張ることはない。「要するに、自民党政権の目的は法人税引き下げそのものにあり、そのための理屈は常に都合よく作られ、時に経済学を捻じ曲げてきたのです」(同)。  大企業への法人税を引き下げ、消費税増税を許容して来た自民党の姿勢は、庶民軽視を雄弁に語る。それ以上に、「目的は大企業優遇」という政策は、経済成長に資するものだったかという疑問が改めて出ている。

政治•経済

2024.12.24

カスハラ対策 企業に義務化 厚労省が法改正へ
カスハラ対策 企業に義務化 厚労省が法改正へ

客から理不尽な要求を突きつけられるカスタマーハラスメント。事態の深刻化を受け、国がようやく対策に本腰を入れ始めた。厚生労働省は今月、カスハラから従業員を保護するための体制整備などを企業に義務づける方針を決めた。ただ、カスハラの行為者となりうるのは消費者であり、抜本的な未然防止のためには、国による消費者教育の充実やカスハラが犯罪にあたりうることの周知も求められる。 ▼パワハラ防止法で対策  12月17日に開かれた厚労相の諮問機関・労働政策審議会。事務局を務める厚労省が、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)でカスハラの定義を明確化した上で、対策を企業に義務づける方針案を示し、労政審が承認した。厚労省は、来年の通常国会にパワハラ防止法改正案を提出し、法改正を目指す。  厚労省が示した方針案は、カスハラについて、①行為者は顧客や施設利用者など②社会通念上、許容される相当範囲を超えた言動③就業環境に悪影響を及ぼす――の三要素を満たすものと定義した。②には暴行や脅迫、中傷などが想定されており、クレームを入れた客が従業員に土下座を強いるといった行為が念頭にあり、今後、さらに具体例を示すとされた。  企業に義務づける措置の内容は、被害を受けた従業員向けの相談窓口の設置や、カスハラへの対応方針を明確化して、周知すること、カスハラのきっかけとなった商品やサービスの問題点の改善を図ることなどを挙げた。  一方、方針案では、顧客からのクレームや主張の全てが必ずしもカスハラに該当するわけではないとも指摘。顧客ら消費者側の権利を尊重すべきだとして、企業には特に障害を持つ消費者への合理的な配慮が求められると明記した。例えば、身体障害者がホテル従業員に車椅子の移動などを巡ってフォローを求めることなどが想定されている。 ▼消費者側に注意喚起  企業側のカスハラ対策が進めば、顧客ら消費者側への啓発にはつながるが、未然防止策としては不十分だ。このため、厚労省の方針案は未然防止に向け、国が消費者教育に取り組む必要性についても触れた。ただ、「理不尽な要求をしない」というのは、単純に「企業―顧客」「店―客」の関係に限らず、一般的な社会生活においても当然のことであり、実効性のある消費者教育がどこまできるのかは疑問視せざるをえない。  これまでも、度を超えたカスハラは、例えば店員側に脅迫めいた言動で繰り返し土下座を強要したケースについて、強要罪で立件されるなど、刑事事件化されたケースも少なくない。 政府は「カスハラは犯罪になりえる」という厳格なメッセージをしっかり発信し、消費者側への注意喚起に努めることが重要になるだろう。  

社会•事件

2024.12.24

自民党派閥政治資金パーティー裏金 政倫審で「知らない」国会議員の言い訳目立つ
自民党派閥政治資金パーティー裏金 政倫審で「知らない」国会議員の言い訳目立つ

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題を受け、今月に開かれた衆参両院の政治倫理審査会で、萩生田光一元政調会長ら安倍派と二階派の国会議員が、「裏金化システム」の運用を「知らなかった」と相次いで釈明している。「裏金議員」の事務所では、派閥パーティー券の販売ノルマ超過分を派閥からキックバック(還付)された際、政治団体の収支報告書に記載しない方法で裏金を捻出した形になっていたが、議員は会計処理を事務所の秘書らに一任していたと強調し、自身の責任を放棄しているのだ。 ▼政治資金規正法でも連座制導入を 政治とカネの問題を巡っては、これまでも問題が発覚する度に「秘書に任せていて知らなかった」と釈明し、何の責任も取らない議員が後を絶たない。ただ、政治家にとって秘書は極めて重要な存在であり、その秘書が刑事罰や道義的責任に問われているのにもかかわらず、政治家自身は責任を逃れて「無傷」のままその地位に居座っていることに多くの国民は憤っているだろう。政治資金規正法においても、公職選挙法と同様、秘書ら議員に近い者が罪に問われれば議員も失職する「連座制」の導入が迫られている。 自民党派閥の政治資金パーティーでは、2000年代から安倍派を中心に派閥からのノルマ超過分の還付金について裏金化していた実態が続いており、昨年12月に報道で明らかになった。東京地検特捜部が捜査に乗り出し、派閥の会計責任者や国会議員数人を政治資金規正法違反(虚偽記入、不記載)で起訴・在宅起訴した。すでに一部の会計責任者の有罪判決も出ている。 ただ、立件された政治家は、還付金の不記載額が5000万円前後と高額に及んだケースのみだ。不記載額が数百万円~3000万円近くの国会議員は数十人に上ったものの、いずれも立件を免れたため、市民団体などによる刑事告発が次々となされている。さらに、裏金所得の無申告による「脱税」との指摘も根強く、批判がやむ気配はないのが現状だ。自民党安倍派のベテラン議員秘書も「刑事告発については、不起訴になっても検察審査会に申し立てなされるので、事態が沈静化するのはまだまだ先だ。重鎮議員が引責辞職するなどしない限り、事態は決着しないし、国民は納得しないだろう」と嘆いている。 ▼知らぬ存ぜぬ こうした中、自民党への批判に拍車をかけているのが、今月の政治倫理審査会に出席した国会議員らの説明内容だ。 安倍派では、2728万円もの還付金を不記載としていた萩生田氏は、「パーティーの運営や会計に関与する立場にも、知る立場にも、伝える立場にもなかった」と完全に開き直った様子。鈴木英敬衆院議員は「報道を受けて秘書に確認し、記載していないことを知った」、松川るい参院議員は「報道されるまで本当に全く知らなかった」と発言するなど、もはや「知らぬ存ぜぬ」の姿勢が顕著と言わざるをえない議員が続出している。 二階派の平沢勝栄元復興大臣も「経理については担当秘書に全て任せていた」と説明しており、自民党国会議員は派閥に関係なく、「秘書のせいにする」という悪しき慣習がいまだ払拭されていない実態を浮き彫りにした。今回の政治倫理審査会は、なんだか議員の単なる言い訳の場にしか映らなかったのではないか。 もちろん、法治国家において、人の罪が問われる刑事罰は極めて重いもので、いい加減な証拠や証言で政治家を立件するのは適切ではない。ただ、東京地検特捜部は数十人の国会議員から聴取しながらも、立件にこぎつけた議員はたったの3人。立件人数が少ないのは、収支報告書に不記載となった裏金額が「3000万円」を超えているかどうかが「基準」とされたためだが、この3000万円という金額の壁は、法務・検察内でも幹部によって意見が割れており、国会議員に甘い結論になったとの批判は当然だろう。 自民党派閥全体でみれば、10億円規模の不記載が発覚した今回の裏金問題。実態解明が期待されたはずの政治倫理審査会は、改めて国民の不信感を高めたともいえ、今後は政治家に厳しい抜本的な政治改革が必須となる。政治家が自身の責任を厳格に問われうるよう、国会は連座制の早期導入に向け、本格的な改正議論を進めるべきだ。  

政治•経済

2024.12.23

大企業の巨額献金にひれ伏す自民党  石破新首相の変節で経済失速へ   
大企業の巨額献金にひれ伏す自民党 石破新首相の変節で経済失速へ  

金融所得課税や法人税の引き上げ発言はあっさり撤回?  自民党総裁選の告示前、石破茂新首相が「金融所得課税の強化を実行したい」とテレビ番組で発言すると、岸田前政権が進めた「貯蓄から投資へ」の流れに逆行すると他の候補者に批判された。総裁就任が決まると株価が急落する「石破ショック」が起こり、石破首相は就任後の衆院本会議で、金融所得課税の強化は「具体的に検討することは現時点で考えていない」と一転した。  もう一つ重要なことは、石破首相は「税の応能負担の原則」を掲げて法人税引き上げを示唆していたが、これもまたトーンダウンしたことだ。自民党は長年にわたり、大企業から巨額の献金を受けているが、その見返りの一つが法人税の引き下げだ。  調査報道オンラインメディアのTansaは、大企業による自民党への献金を1976年まで遡って調べ、企業ごとの献金総額を割り出した。1位は三菱UFJフィナンシャルグループの約73億2000万円。2位はみずほフィナンシャルグループの約54億円、3位はトヨタ自動車の約41億円……と続いて、1億円を超える献金を行った企業は249社に上ったという(シリーズ「自民支えた企業の半世紀」)。大企業の巨額献金が自民党を支えている構図は現在も変わりない。22年の献金額は、住友化学とトヨタ自動車が5000万円、キヤノン4000万円、日産自動車3700万円、日立製作所と野村ホールディングスが3500万円……と続く。業界団体による献金も並行して行われ、日本自動車工業会7800万円、日本電機工業会7700万円、日本鉄鋼連盟6000万円、石油連盟5000万円……と続いた。(以下、続く)

政治•経済

2024.12.23

元寇の255年前、外敵を撃破した武闘派貴族たち
元寇の255年前、外敵を撃破した武闘派貴族たち

筑前国・大宰府は当時、大陸や朝鮮半島との間の軍事・外交と九州全土の統治を担っており、隆家は九州の豪族たちに緊急で召集をかけ、同時に朝廷に向け、早馬で矢継ぎ早に解文(げぶみ、上申書)を送り、現地の状況を報告。自ら軍を率いて警固所に詰めている。 突然の来襲であったことに加え、守るべき範囲が北九州沿岸の広い地域に渡ったため、すぐには相応の兵力を集められず、当初は上陸先の地元豪族が応戦し食い止めていた。一方の刀伊軍は8日に博多湾内の能古島を攻略し、そこを拠点に数日間、方々へ軍を展開した。 しかしそこから2日間に渡る大風で戦闘が中断され、その間に隆家を始め京から大宰府に赴任していた「無止(やんごとなき=高貴な)武者」と在地豪族たちが筑前早良郡、志摩郡など沿岸部で陣容を整え、12日夕方に上陸した刀伊軍を撃退、13日には肥前国松浦を襲撃(『光る君へ』劇中ではここが描かれた)した刀伊を撃退、対馬まで追撃しついに追い払った。 当時の記録では、死者364人、捕虜となった者1289人、牛馬380頭が殺害・略奪されたが、一貫して隆家の指揮の見事さが際立っているという。敗走する刀伊軍を対馬まで追撃するも、深追いして当時恐れられていた新羅の領海まで踏み込むことを避けた判断も明快だった。 貴族といえば、TVや映画の劇中では‶体育会系″の武士と対比する形で、‶文科系″でなよなよしく、しかし権謀術数に長けた存在として描かれることが多かった。しかし、突然の外敵の襲来にこれだけ対応できた貴族がいたことは、平安貴族に対する一般的なイメージを少々改めねばならないかもしれない。 実は、都の貴族は決して軟弱な存在ではなかったのである。(つづく)   ※主な参考文献 関幸彦『刀伊の入寇』中公新書

連載•小説

2024.12.23

袴田さん「再審無罪」 確定 再審法改正 への「号砲」に タイムスの眼#1
袴田さん「再審無罪」 確定 再審法改正 への「号砲」に タイムスの眼#1

 静岡県の強盗殺人害事件で死刑が確定していた袴田巌さんが静岡地裁で9月下旬に「再審無罪」となった。検察は控訴を断念した。当然 の判断だ。同地裁は捜査当局による「3つの捏造」を認定した。捜査と裁判に誤りがなぜ起きたか精緻な検証が必要であるし、「開かずの 扉」と評される再審制度の在り方も根本的に問い直すべきだ。  1980年代に死刑事件の4件が相次いで再審無罪となった。当時、刑事法の大家だった平野龍一・元東京大総長は論文に「わが国の刑 事裁判はかなり絶望的である」と記した。袴田さんは戦後5例目である。事件発生は1966年。それから58年もたって、やっと「無罪」が確定した。その間、袴田さんは長期の身柄拘束によって心を病んだ。究極の人権侵害といえ、深い謝罪と反省が求められよう。何しろ同地裁では捜査当局による「3つの捏造」が指摘された。1つは長時間にわたる自白の強要があり、検察官の自白調書も捏造とされた。連日、平均12時間を超える過酷な調べで、体調も崩した。取調室で小便もさせられた。拷問に等しいではないか。逮捕後の20日目に「自白」したが、静岡地裁は「(自白は)非人道的な取り調べで獲得されたもので、捏造と認められる」と厳しく指弾した。2つ目の捏造は、「血痕の付いた5点の衣類」である。そもそも事件から約1年2カ月後に衣類が見つかったこと自体に不自然さが伴う。血痕に「赤み」が残っていた点も鑑定で「1年以上では赤みは残らない」とされた。これも同地裁は「捜査機関によって血痕を付ける加工がされ、タンク内に隠匿されたものだ」と認定した。捜査機関がこんなことをするとは。何と恐ろしいことか。袴田さんを犯人にでっち上げたわけで、恥ずべき権力の乱用だといえる。3つ目はズボンの端切れである。衣類は袴田さんのものでもないし、犯行着衣でもなかった。それゆえ実家から発見されたズボンの端切れも捏造と認定された。袴田さんの裁判を見るだけでも、いまだ「絶望的な刑事裁判」が続いているのは明らかだ。つまり確定判決の中核的な根拠だった衣類の証拠が次々と排斥されてしまった以上、袴田さんを犯人とする証拠などもはや存在しない。つまり控訴しても「再審無罪」を覆すことが困難だと検察当局はようやく悟ったのだろう。  

社会•事件

2024.12.23

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