国境の守りと空白の地:外国人による土地取得と離島国有化の急務

 日本の安全保障が多角的な脅威にさらされる中、とりわけ深刻な懸念として浮上しているのが、外国人や外国資本による重要土地の買収問題である。北海道の広大な森林、水源地、さらには自衛隊基地や米軍基地に隣接する土地が、不透明な背景を持つ資本によって次々と取得されている現実は、国家の主権と国民の安全に対する静かなる侵食と言わざるを得ない。2021年に成立した「重要土地利用規制法」は、注視区域や特別注視区域を指定することで一定の抑止力を期待させるものであったが、その適用範囲や実効性には未だ課題が多く、法の網目を縫うような買収工作が絶えないのが実情である。 この問題において、最も脆弱かつ緊急を要するフロントラインが「国境離島」である。日本は広大な排他的経済水域(EEZ)を保持しているが、その根拠となる離島の多くが管理不全の状態に置かれている。登記簿上の所有者が不明であったり、相続放棄によって実質的な管理者が不在となっていたりする土地は、外国資本による「点」の支配を許す絶好の隙となる。もし、国境付近の無人島や離島の一部が敵対的な意向を持つ主体に取得され、合法的な私有地として拠点化されれば、そこは日本の法的権限が及びにくい「安全保障上の空白地帯」へと変貌する恐れがある。  したがって、日本政府が最優先で取り組むべきは、所有者のいない、あるいは所有者が特定できない離島の迅速な国有化である。現行の民法や不動産登記法、あるいは所有者不明土地法に基づいた手続きでは、権利関係の整理に膨大な時間を要し、刻一刻と変化する地政学的リスクに対応しきれない。国境離島については特例を設け、一定期間の公告を経て所有者が名乗り出ない場合には、国家が強制的に収容・管理できる強力な法的枠組みを構築すべきである。これは私有財産権の尊重という民主主義の原則と、国家存立の基盤である領土保全という至高の命題をいかに調和させるかという問いに対する、現実的かつ断固とした回答でなければならない。 さらに、国有化は単なる手続きで終わってはならない。国有化した後の島々に海洋観測装置や通信設備を配備し、自衛隊や海上保安庁による監視・巡回を常態化させることで、名実ともに「実効支配」を強化する戦略が必要である。土地を守ることは、そこにある資源と海域を守ることに直結する。土地取得問題に対する防衛策を強化し、離島の管理を国家の手に取り戻すことは、次世代に平和な国土を引き継ぐための最低限の義務である。今、政治に求められているのは、法の不備を嘆くことではなく、主権の空白を埋めるための迅速かつ果断な執行力である。 (ジョワキン)
政治•経済

2026/03/31

最新記事

改正地方自治法「有事対処」をすぐ「戦争準備」と捏造するどこかのアホ
改正地方自治法「有事対処」をすぐ「戦争準備」と捏造するどこかのアホ

ああ、勘違い、なんでもかんでも戦争反対!(涙) (写真 文部科学省HPより引用)  2024年6月19日の通常国会で、大規模災害や感染症の蔓延などの非常事態が発生した際、国が自治体に必要な指示を与えることを盛り込んだ改正地方自治法が成立した。  この「改正法」に嚙みついたのが、どこかの「お花畑集団」だ。曰く「指示権」の拡大は、  ①地方自治を破壊するものである、②立法事実が存在しない、③要件や手続が大雑把で濫用のおそれのある無限定な指示権である、④武力紛争をめぐって発動されるおそれがある、⑤改憲項目とされている緊急事態条項の一部先取りである、⑥災害対策を歪めるおそれがあるという6つの重大問題を含んでいるとした。  日本国憲法は、戦前の自治体が自治体ぐるみで侵略戦争を遂行する一翼を担わされたことに対する反省から、「地方自治」を明記した第8章を設け、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」(92条)とし、団体自治と住民自治を保障しているとした事実を放棄するものだという批判だ。  国と地方との関係は、00年に地方分権一括法が施行され、それまでの「上下・主従」から「対等・協力」なものになった。今回の改正によって対等な関係が損なわれるとのこうした批判に対して、新たに盛り込まれた「指示」はあくまでも特例措置だ。  近い将来、南海トラフ地震や首都直下地震が高い確率で発生すると予測されている。コロナ禍では、地震や台風、豪雨などの自然災害と感染症の感染拡大が同時に発生する複合災害への対応不足が指摘された。  また周辺の国際情勢も緊迫化している。国際社会では軍事力だけでなく非軍事力も組み合わせた「ハイブリッド戦争」が一般化しており、多角的な防衛体制の整備が喫緊の課題になっている。  このほか「改正法」では、自治体ごとにサイバーセキュリティーを強化するための基本方針を策定し、公表することも義務付けられた。  「改正法」に至った教訓は、新型コロナウイルスの感染拡大初期、横浜港沖で停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で集団感染が発生した際の対処法だった。当時国の権限について定める法律がなく自治体間の調整などが難航した。そのため3711人の乗客乗員のうち712人が感染、14人が死亡した。  これだけの患者を横浜市や神奈川県だけで受け入れることは困難だった。現在も大雪による災害が続発している。自治体の境界線を越えた救出が発動されることが重要だ。  

政治•経済

2025.03.01

なぜいまだに「過払い金CM」がメディアに流れるのか
なぜいまだに「過払い金CM」がメディアに流れるのか

生活苦で借金生活から抜け出せない人は砂の真砂の如く 、それ故にいまだに過払い金CM    過払い金の請求原因となる消費者金融や信販会社の「グレーゾーン金利」による貸し付けがなくなってから十数年の時が流れた。何年か前までは「過払い金の請求権はまもなく時効を迎えます」と警告するCMが盛んに流れていたが、弁護士事務所や司法書士事務所による過払い金返還請求の手続き代行CMがいまだに流れている。そのわけとは?  過払い金返還を求める訴訟が一気に増え始めたのは2006年のこと。きっかけとなったのが、06年1月13日の最高裁第2小法廷判決だ。当時、消費者金融や信販会社は、利息制限法の上限金利(貸付額に応じて年利15~20%)は上回るものの出資法の上限金利(年利29.2%)内には収まる高金利で貸し付け=グレーゾーン金利を行っていた。  利息制限法に違反していても一定の要件(債務者が利息として任意に支払った)を満たせば有効な弁済とみなされるという「みなし任意弁済」の規定が貸金業法にあったからだ。  そんな中、前述の最高裁判決は、期限の利益喪失約款(返済が一度でも遅れたら残金を一括で支払わなくてはならないという条項)がある貸付契約に基づき、債務者が貸金業者に利息制限法の上限を超える利息を支払った場合、特段の事情のない限り、債務者が任意に支払ったものということはできないと判示した。  この判例により、過払い金請求は訴えさえ起こせば簡単に勝訴できるようになり、全国の裁判所には過払い金訴訟が殺到した。このため貸金業者の中には消費者金融最大手の武富士のように資金難で倒産するところも出た。逆に過払い金弁護士や司法書士は笑いが止まらないまさにバブル期を迎えた。  過払い金返還請求の対象となるグレーゾーン金利での貸し付けが行われなくなってから13年以上が経過しているにもかかわらず、今でも過払い金請求ができるのはなぜか。  消費者訴訟に詳しい弁護士によると、現在、過払い金返還請求ができるのは、グレーゾーン金利で貸金業者から借金をしたことがあり、その返済が終わった後も同じ業者(合併等によって別法人になっているものを含む)から借り入れと返済を繰り返しており、最後の取引から10年経っていない人に限られるという。  世の中には、グレーゾーン金利がなくなっても、生活苦その他の事情で借金生活から抜け出せない人はまだ多い。だからこそ消費者金融などの貸金業者は今も生き残っているし、それらがなくならない限り、過払い金請求も続き得るということなのだ。  

社会•事件

2025.02.28

さようなら、つば九郎、いつも“えみふる”
さようなら、つば九郎、いつも“えみふる”

ヤクルトスワローズのマスコットつば九郎一筋に30年  去る2月16日に東京ヤクルトスワローズのマスコットの人気マスコットである「つば九郎」が亡くなったという突然の報道に驚いた。聞けば亡くなったつば九郎の中の人はまだ52歳だったという。日本人男性の平均寿命が81歳だと言うから30年も早かったということになる。  中の人は沖縄のキャンプ地を訪れた後、2月4日に帰京するために空港に向かい、搭乗口付近で突然倒れ、心臓マッサージを受けつつ病院に搬送されたとのこと。6日になって球団はつば九郎の出演日程の多くを体調不良のためにキャンセルすることを発表した。つば九郎の公式ブログは2月4日から更新されておらず既に重病説が流れていたらしい。そして16日に肺高血圧症の為に帰らぬ人となったことが報じられた。聞くところによると着ぐるみに入る仕事はかなりのハードワークらしい。長時間、中に入っていると息苦しくなるそうだ。確かにそうかもしれない。バイク用のフルフェイスのヘルメットが目の部分しか開いていなかったら苦しくて被っていられない。息苦しいだけではない。冬以外は中に熱が籠ってしまい熱中症になる恐れがある。イベント運営会社によると多くの現場では1回の活動を30分以内に制限しているらしい。特に夏場は熱中症になるリスクが高まるために20分までとすることが多いとのこと。別段、法律による規定はないが労働災害を未然に防ぐための一定のガイドラインが業界内には存在する。  つば九郎の中の人が亡くなった原因と着ぐるみを結び付けているわけでない。とはいえ、着ぐるみによるパフォーマンスは思った以上のハードワークであることは間違いない。私は某政党のウサギ型のキャラクターの着ぐるみを見たことがあるが、見た目は大きいが中のサイズは実は随分と小さいし狭い。体の大きな大人の男性が入ることは容易くない。多くのキャラクターが見た目以上に中は窮屈な状態あると察する。この機会に着ぐるみを利用する業者は運用上の安全に配慮したガイドラインを設けることや一回の活動が過度にならないように管理する体制などを見直して頂きたい。それこそ、労災に至らぬように。  さて、つば九郎は余人に代え難い独特の魅力を持っていた。フリップ芸で毒舌を吐こうと、やさぐれた態度を露わにしてもつば九郎が持つ独特の魅力によって観客にはユーモラスに映った。決して美しくもなく言いたい放題に毒を放つマツコ・デラックス氏が視聴者から好感されている。有吉弘行氏もそうだし、カンニング竹山氏もそうだ。ぷんぷんしていても愛されるキャラ。つば九郎もそう、誰も傷つけない毒舌を吐ける稀有な存在の一人であった。いるだけで愛嬌を感じた。たとえ中の人のそれが素の性格であったとしても30年以上も続けて来たのだから様々な努力もしていたことだろう。つば九郎のようなメタボの球団マスコットは他では見なくなった。他球団のマスコットはバク転などアクロバティックな芸をウリにしていることが多い。その中でのろまなメタボ体型をしたつば九郎は独特の異彩を放っていた。つば九郎の姿に一種のノスタルジックさも感じられた。つば九郎の二代目は見たいような見たくないような複雑な胸中になる。偉大で唯一無比であったとも言える初代つば九郎の後を継ぐことは容易ではない。  つば九郎の中の人は惜しまれつつ飛び立った。天国でも愛されるに違いない。つば九郎の中の人の功績を称えると共にご冥福を祈念する。(世良 直)

社会•事件

2025.02.28

事件発生から1年が経過する。当事者である警視庁はシカトを続ける。警察不信極まれり。告発スクープ連載第2回
事件発生から1年が経過する。当事者である警視庁はシカトを続ける。警察不信極まれり。告発スクープ連載第2回

いきなり大外刈りを喰らわされ、パトカーで連行、留置場に放り込まれる  男性Aは警察官にいきなり食らわされた大外刈りに気が動転し、判断力は落ちてしまっていた。それよりなによりしたたか打った腰や背中がすこぶる痛む。投げ飛ばされたときに捻じ曲げられたのか、首が痛む。なにも判断できない状況で連行された麻布警察署の留置場に放り込まれる。まるで映画『イージーライダー』の主人公のようにである。何もしていないのに、暴れたとか女性に対して暴行を働いたとか、暴言すら吐いていないのに、いきなり派出所から飛び出してきた警察官からいわれのない〝暴行〟を受けたのだ。  こんなことがあっていいのか。  麻布署の留置場では、身に着けているものを次々と剝がされていった。本当に『イージーライダー』そのものだった。警察から身ぐるみはがされるのだ。それも複数の警察官からなのである。特にベルトはいきなり暴力的に抜かれた。これは集団暴行そのものといって差し支えない。男性は、朦朧とする意識の中でこう思う。  『俺が何をしたっていうのか』。  男性は何もしていない。警察官が一方的に、〝保護〟の名のもとに男性に大外刈りを喰らわせたのだ。事件はいたってシンプルなものである。突然、何の理由もなしに、年若い警察官が、中年の男性を投げ飛ばした。投げ飛ばされた男性は失神寸前になった。それだけなのだ。こんなシュールな話は聞いたこともない。本当にこんな理不尽なことが起きたのである。  男性はあまりの苦しさに耐えながらも喘ぎながら囲む警察官に向かって、『苦しい、息もうまくできない。病院に、病院に連れて行ってくれ』。警察官の一人が男性に訊く。『本当に苦しいのか?』。男性の異変を見てようやくただ事ではないと悟ったのか、そう聞いた警察官は、上司らしき警察官にいう。『本当に苦しそうです。病院に搬送した方がいいのではないでしょうか?』。  男性の顔色をもう一度入念に見た上司警察官は、命じた。  『消防(救急車)の手配』。  男性の意識は半覚半醒、そんな状態で救急車で聖路加病院に搬送された。ベルトは取り上げられたままで。(つづく)  

社会•事件

2025.02.28

「3食・風呂付き」「孤独からの開放」“刑務所良いとこ1度はおいで”に潜む日本の闇
「3食・風呂付き」「孤独からの開放」“刑務所良いとこ1度はおいで”に潜む日本の闇

日本の刑務所はオアシス?  1人の女性囚人が「自分は今、家にいる」と語った。その女性囚人の言葉、「Ich bin zu Hause」が、このルポのタイトルになっている。  ドイツのトップ週刊誌シュピーゲル(2025年2月1日号)に「日本の刑務所で高齢者の女性囚人が増えている」という内容のルポ記事が掲載された。同誌記者は、栃木と岩国の女性刑務所を訪問して、「なぜ高齢の女性がそれも貧困からやむを得ずといった理由でもなく、万引きなどの犯罪をするのだろうか」というテーマで3ページ余を割いている。取材に応じた女性囚人は、「刑務所では3食付きでフロも定期的に入れる。話し相手には事欠かない」と、囚人という暗さや罪の意識は微塵もない心情を吐露した。女性囚人をケアする刑務所の係員も「ここは高齢者ホームのようだ」と言い、「自分は囚人を監視する警備員というより、高齢者の女性を世話する看護人のようだ」と記者に説明した。  女性囚人の犯罪のほとんどは万引きで、その多くが、自宅で独り住まい。誰とも話さない日々が続いたという。その孤独が彼女たちを万引きに追い込み、刑務所では「生き生きとした日々」を送ることができるようになったということだ。また女性囚人の3人に1人は年金受給年齢層だ。20年前はその割合は10%に過ぎなかったという。岩国刑務所では最年長者の女性囚人は95歳だ。独誌のルポから、少子高齢化、家庭の崩壊、高齢者の孤独といった日本社会の現実が浮かび上がる。高齢の女性囚人の増加現象については、先進諸国の中でも日本は特異な存在だとシュピーゲル誌は指摘している。  

社会•事件

2025.02.27

事件発生から1年が経過する。当事者である警視庁はシカトを続ける。警察不信極まれり。告発スクープ連載第1回
事件発生から1年が経過する。当事者である警視庁はシカトを続ける。警察不信極まれり。告発スクープ連載第1回

 あれから1年。警視庁はいつまで頬かむりを続けるのか!  昨年11月20日にアップした本サイト、『いきなりの大外刈り、わけも分からず警察官から暴力をふるわれた』、という記事は大きな反響を生んだ。被疑者でもなんでもないのにいきなり警察官より柔道の大技、大外刈りをかけられた悲運の男性のことを取り上げた記事である。その事件が起きてから11か月が経過した。大外刈りをかけられた男性はいまだにどうして自分が警察官からそのような致命的柔道の大技をかけられたのか理解できないでいる。この事件、どのようにとっても警視庁始まって以来の警察官による不祥事としか思えないのだが、発生以降、一切の変化もなく今に至っている。  当該記事が未読の視聴者のために事件をおさらいしておこう。  2024年3月30日23時ごろ、男性A氏(48)は、仕事の打ち合わせで女性B(37)と赤羽橋(東京タワー付近)あたりから一の橋交差点まで歩いて移動していた。二人とも少々のアルコールを摂取していたため、ちょっとしたことで口げんかのようなことになった。それで勢い余って女性の方はすぐそこに目の入った警視庁麻布警察署一の橋交番に飛び込んだ。ただし男性はその時まで女性の体には触れていない。あくまで口喧嘩なのだ。交番にいた警察官は女性の話を聞く。その際、男性はと言えばのっけから交番の外で待たされていた。3月の末といっても時間が時間だけに寒い。それでも待たされていた。いい加減寒さが堪えてきたところでようやく女性の話を聞き終わった警察官が外に出てきてこういった。  『女性はあなたと行動したくないと言っている、ここで帰り給え』。  切り口上でそのようなことを言われ、男性は驚いた。『それは何かの冗談なのか?それともそちらの私に対する命令なのか?』と問うた。警察官はそれには答えす、『つきまといはやめなさい』、ますます居丈高になってそういってきた。  『私たちは仕事の打ち合わせを兼ねてここまで歩いてきた。なにがつきまといなのか。冗談じゃないよ。とにかく女性を連れて帰るからな。警察が出る幕ではない』。これはその通りなのだ。このシチュエーションで警察が二人に介入するなんてこととなったら、うかうか異性と町も歩けなくなる。男性は女性と仕事の続きをしようと交番の中に入って女性を連れて帰ろうとした。  その時、である。男性の体が宙に浮いたかと思うと、もんどりうって硬いアスファルトのペーブメントにたたきつけられた!警察官が大外刈りを男性に対してかけたのである。まったく無防備だった男性はほんの少しだが意識が飛んだくらいだ。地面にたたきつけられたままで男性は警察官から抑え込まれたままとなった。体中が痛みで震えた。それでも警察官は抑え込みの力を緩めない。男性は意識が飛びそうになる。そりゃそうであろう。そうこうしているうちに警察官は仲間を呼んだのであろう。パトカーがやかましいサイレン音を鳴らして目の前に乗りつけてきた。  抑え込まれたままの男性の耳に、『保護します』、という警察官の声が聞こえた。〝一体、何を保護するのか〟、意識が遠のきそうな不安定な心境の中、男性は麻布警察署までパトカーで連行された。ものの10分以内で男性は麻布警察署に連れていかれ、拘留房に叩き込まれる。  男性はまさしく夢としか思えない。『夢ならばとっとと醒めてくれ』、不安定な思いのまま男性はいやも応もなく房に放り込まれようとしていた。(つづく)

社会•事件

2025.02.27

選挙のモラルの崩壊(5) 関係者の相次ぐ自死
選挙のモラルの崩壊(5) 関係者の相次ぐ自死

候補者の劣化が有権者のリテラシーの低下を招いている  兵庫県知事選での斎藤元彦氏の当選は立花孝志氏との2馬力選挙だと多くの批判を受けている。年末の臨時国会で立憲民主党の辻元清美議員の質問に村上誠一郎総務大臣も虚偽情報の投稿について「公選法に虚偽事項公表罪が設けられているが、SNSを含め、インターネット上の発信なども対象となる」と説明。他候補の応援についても「一般論」と断ったうえで、「候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合には、その態様によっては、公選法上の数量制限などに違反する恐れがある」と発言している。  東京都知事選でのポスター掲示板騒ぎに引き続き兵庫県知事選で不確かな情報を拡散し大衆扇動に成功した立花氏。次なるターゲットとして岸和田市長選で2馬力選挙を実行すると宣言している。立花氏の身柄が拘束されていない以上、やりたい放題は続く。市民の声、国民の声などどこ吹く風である。訂正したら嘘を言っても良いのか?謝罪したら嘘がチャラになるのか?嘘も誹謗中傷も脅迫も選挙が絡むと言ったもの勝ち、やったもの勝ちなのか。たとえ言論の自由が保証されていようと何でもありではないはずだ。民主主義の崩壊、選挙のモラルの崩壊とは、性善説に立地した公選法で取り締まり切れない現状に起因する。公職の候補者が委縮するような状況を放置することは民主主義の根幹が揺らいでいる状況と言えよう。警察を踏みとどまらせているものは何なのか。選挙における負の連鎖を誰かが断ち切らねば新たな犠牲者が生まれかねない。今夏には参議院議員選挙が予定されている。残された時間は多くない。  最後に現在開かれている通常国会で選挙ポスターめぐる公選法改正案が提出された。改正案では、選挙ポスターに他人やほかの政党の名誉を傷つけるなど品位を損なう内容の記載を禁止することや営利目的で使用した場合は100万円以下の罰金を科すことなどが盛り込まれている。自民党は選挙でのSNSの活用をめぐり偽情報の拡散や収益を上げる目的での利用などが有権者の投票行動にも影響を与えているとして対策が必要だとし附則に記載することを目指して調整を図っている。(終)(世良 直)

社会•事件

2025.02.27

出版点数で京都・大阪を逆転!江戸文化の中心が江戸になった
出版点数で京都・大阪を逆転!江戸文化の中心が江戸になった

 1750(寛延3)年3月、江戸の書物屋仲間3組が行った寄合(会議)の席上で「重板は仕方ないが、類板禁止の申し合わせは廃止すべき」と強硬に主張する者が現われ、寄合が大混乱した。   言い出したのは3組の中の南町という1組だが、他の2組からも同調者が出て多数派となる。書物屋仲間の面々はその勢いのまま、類板OKとする法令を出すよう江戸町奉行に訴え出たのだ。   内容は、「百人一首でも編者が工夫を凝らしたものならパクリではないはず。なのに京都の格式などと勝手なことばかり言って首を縦に振らない者たちがいる」「上方の者たちが江戸の出版を滞らせるのは我慢ならない」等々。   実は、これは江戸の書商による京都・大阪への反乱だった。江戸は長らく京都の大手書商の独占市場。街中には京都の書商の出店まで存在し、江戸の版元が許可を得て販売する京都の書物も少なくなかった。しかしいつまでも風下に置かれては……というわけだ。   当時の南組のメンバー16名の中には書物問屋の名門・須原屋茂兵衛とその暖簾分けの面々のほか、大河『べらぼう』ではお馴染みの鱗形屋孫兵衛の先代と思しき名も見える。   上方の書店からも応援が駆け付け、結局は江戸側の敗訴に終わるのだが、ここから江戸の版元の出版点数が急伸する。1750年代後半には出版点数が京都・大阪の合計を追い抜き、天災続きの天明期(1781~1789年)を経た寛政期には、江戸が上方を完全に追い越してしまった。   江戸文化の中心が上方から人口100万人都市・江戸に移った証左であろう。言うまでもなく、その重要な立役者が蔦重だった。(つづく)   主な参考文献:今田祥三『江戸の本屋さん』平凡社

連載•小説

2025.02.27

東宝快進撃!アニメで大躍進
東宝快進撃!アニメで大躍進

 映画会社の東宝は、株価が1年で約5割も上昇し、好調な成績を見せています。特に「名探偵コナン」などのアニメ映画が大ヒットし、その利益を使って他の会社を買収し、アニメ制作や宣伝を自社でできるようにしています。これにより、人気アニメのキャラクターや物語を使ってグッズ販売や配信など、長く稼げる仕組みを作っています。 2024年の映画の興行収入は913億円と過去最高を記録し、東宝はその中でも多くの人気作品を手掛けました。今後はアニメ事業にさらに力を入れ、2032年には制作本数を倍に増やす計画です。また、海外市場にも注目しており、日本のアニメを世界に広めていこうとしています。 このような成長により、投資家たちの注目も集まり、東宝の株価は大きく上がっています。今後のアニメ事業の発展に期待が高まっています。

江戸の出版物を規制する法律は、あの名奉行が作った
江戸の出版物を規制する法律は、あの名奉行が作った

 蔦重の時代から半世紀ほどさかのぼった8代将軍吉宗の時代、1722(享保7)年に出された出版条例は、幕末まで続く出版統制の規準となった。贅沢がはびこると世が乱れる、という発想の下、出版物もその一つとされて取締りの対象となった。   しかし、「出版物は他の物品とは違う」と気付いて、それまでの出版取締令をいったん整理し、再構成したのが当時の江戸町奉行・大岡越前守だった。今もその名が残る名奉行は、行政官僚としての手腕も高く評価されている。   その内容は、 ① (幕府に都合の悪い)異説を唱える出版物を出すな ② 好色本は出すな ③ 先祖・家系について書いてはいけない ④ 必ず巻末に出版社・著者の名前を入れよ ⑤ 徳川家・幕府に関することを書いてはならない   …の5カ条。さらに、世の中で起きた事件(心中事件など)についての出版の規制を改めて強化し、翌1723(享保8)年には心中事件の脚本化・上演が禁じられた(『曽根崎心中』など事件ものを執拗に出し続けた近松門左衛門が標的だった)。   この条例を出す前に、大岡越前は「書物問屋仲間」の結成を促した。   以前から重板(パクり)、類板(同じ内容だが若干手を加えた出版物)を抑えるために仲間内で集まる組織はあった。幕府は1716(享保元)年にそれを公認し、重版・類板を正式に禁じると同時に行事(問屋仲間の世話役)に命じてこの条例を守るよう徹底させた。   京都に続き大阪、江戸の出版界でもこの問屋仲間が形成されるのだが、1750(寛延3)年、上方の問屋仲間と、一段低く見られていた江戸のそれとの間で抗争が起こる。(つづく)   主な参考文献:今田祥三『江戸の本屋さん』平凡社

連載•小説

2025.02.25

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