社会•事件

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東北大学医学部よ、お前もか。東大医学部付属病院だけじゃない大学医学部〝腐食の構造〟。名門大学医学部の由々しきモラルハザードを追う。第2回 ルポライター廣田玉紀   
東北大学医学部よ、お前もか。東大医学部付属病院だけじゃない大学医学部〝腐食の構造〟。名門大学医学部の由々しきモラルハザードを追う。第2回 ルポライター廣田玉紀  

 ここに東北大学未来型医療創成センターのN特任教授による某団体から寄せられた質問状に対する回答書のコピーがある。この回答書は質問者に今年1月8日に記され発せられた。この回答書はA4の用紙18枚に及んでいる。そのどのページもびっしり文字が詰まっていて一見すると質問状に対して丁寧な回答をしている(但しそれは回答の内容の濃淡ではない)。ちなみに東北大学未来型医療創成センターというのは2018年3月に設立された指定国立大学(東北大学は2017年6月に指定されている)による未来型医療拠点として設立された研究拠点で同センターのHPによるとゲノム医学を中核とした研究を推進している組織だということだ。今、東北大学医学部において起きている問題の震源地はここである。  またN特任教授は同センターの特任教授という立場にある。N特任教授が寄せた自己紹介文がある。 東北大学大学院医学研究科にて博士号を取得し、大手製薬会社にて研究企画や新規技術評価、製品の企画、国内外の大学やベンチャー会社の目利きと連携推進を行う部門で働き、産学官によるいくつかのゲノム創薬スタートアップの企画や経営等にも携わり、その間MBA(ファイナンス専門職)を取得しました。その後東北大学から、首席URAとして新たな組織を立ち上げることを拝命し、大型研究予算の獲得やプロジェクトマネジメントの支援に携わっています。また、内閣府のCSTI事務局に上席フェローとして兼任し、科学技術・イノベーション基本計画の企画立案に従事しました。 この自己紹介文に〝その後東北大学から、主席URAとして新たな組織を立ち上げ雨ことを拝命し〟とあるが、ここで言われている主旨で立ち上がった組織が、東北大学未来型医療創成センターである。N特任教授は同センターにおいて非常に重要な地位にあることがわかる。ちなみにURAというのは、University Research Administratorの頭文字をとったもので、『大学などの研究組織において研究者および事務職員とともに、研究資源の導入促進、研究活動の企画・マネジメント、研究成果の活用促進を行って、研究者の研究活動の活性化や研究開発マネジメントの強化を支える業務に従事する人材のこと』(※RA協議会HPより抜粋引用)だそうだ。 さて、肝心の質問状とそれに対するN特任教授の回答をこれから検証していくことにしよう。(ルポライター 廣田玉紀)

日本が開発したリチウムイオン電池潜水艦による海底の技術革命
日本が開発したリチウムイオン電池潜水艦による海底の技術革命

 海上自衛隊が世界で初めて実戦配備したリチウムイオン電池搭載潜水艦は日本の防衛技術の到達点を象徴する存在である。なかでもおうりゅうは、従来の鉛蓄電池に代えて大容量のリチウムイオン電池を主蓄電池として採用した初の艦として、海外の専門家からも高い関心を集めた。 従来型の通常動力潜水艦は浮上してディーゼル発電機で充電する必要があり、潜航時間や行動の自由度に制約があった。これに対し、リチウムイオン電池はエネルギー密度と充電効率に優れ、急速充電が可能である。結果として潜航持続時間の延伸や静粛性の向上が期待され、対潜戦や監視任務における作戦柔軟性は飛躍的に高まる。こうした特性はインド太平洋の海洋安全保障環境が厳しさを増す中で日本にとって大きな戦略的意味を持つ。 海外の軍事専門誌や防衛アナリストはこの動きを「通常動力潜水艦の世代交代」と位置づける。原子力潜水艦を保有しない国々にとってリチウムイオン電池は能力向上の現実的な選択肢となり得るからだ。実際、韓国や欧州諸国でも同様の技術導入を視野に入れた研究開発が進むとされ日本の先行は国際的な技術競争を刺激している。 もっとも、評価は賛辞一色ではない。リチウムイオン電池は高性能である一方、発熱や発火リスクを伴う。軍事用途では極限環境下での安全性確保が絶対条件であり、厳格な品質管理と冗長設計が不可欠だ。日本が実戦配備に踏み切った背景には長年にわたる安全対策の蓄積と技術的裏付けがあるとみられるが、運用実績の積み重ねが国際的評価をさらに確かなものにするだろう。 日本のリチウムイオン潜水艦は単なる装備更新ではなく、通常動力潜水艦の概念そのものを進化させる試みである。世界が注視するのは、その性能だけでなく、安全性と持続的運用能力をいかに両立させるかだ。技術立国としての信頼を保ちつつ、地域の安定に資する防衛力整備を進められるか。リチウムイオン電池搭載潜水艦の技術開発は長年の試験研究に基づく技術的なブレイクスルーであり、たとえ設計や思想を他国が摸索したとしても容易く模造することはできないはずだ。2020年3月「おうりゅう」が就役して以来、2025年10月の「そうげい」まで既に7艦が就役している。日本が実戦配備し続けることが世界各国に及ぼす影響は少なくない。実戦配備できているのは日本だけ。オランダやインドは試験段階、欧米各国と中国は研究段階。韓国は自国での設計を模索中。 (坂本雅彦)

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2026.03.06

宗教法人への課税強化には信教の自由と租税公平主義のバランスが問われる
宗教法人への課税強化には信教の自由と租税公平主義のバランスが問われる

 本格的に高市内閣が始動する中で宗教法人への課税をめぐる議論が再び世論の関心を集めている。背景には一部宗教法人の資産規模の大きさや経済活動の多様化がある。まず確認すべきは宗教法人が全面的に「無税」であるという理解は正確ではないという点だ。宗教法人法のもとで設立される宗教法人は、税制上「公益法人等」に分類され、礼拝や布教、祭祀といった本来的宗教活動については法人税が課されない。一方で不動産賃貸や物販、駐車場経営などの収益事業を行えば法人税法上の収益事業として通常の法人と同様に課税対象となる。すなわち、現行制度は「宗教活動は非課税、営利活動は課税」という峻別を前提としている。 それでもなお課税強化を求める声が上がるのは租税公平主義の観点からである。巨額の収入や資産を有する法人が広範な非課税措置のもとに置かれているとすれば、憲法14条の平等原則との関係が問われる。特に宗教活動と経済活動の境界が実質的に曖昧な場合、課税の公平性と透明性に疑問が生じるのは避けられない。財務情報の公開をより徹底し、収益事業の範囲を明確化すべきだとの主張は制度の信頼性を担保する意味で一定の合理性を持つ。 課税強化には慎重論も根強い。日本国憲法第20条が保障する信教の自由は日本の憲法秩序の根幹である。課税権は国家の強力な統制手段であり、その運用次第では宗教活動への萎縮効果を生む可能性がある。また、地域の小規模な寺院や神社、教会の多くは経済的基盤が脆弱であり、一律の課税強化は地域コミュニティの維持や文化財保護にも影響を及ぼしかねない。戦前の国家による宗教統制の歴史的経験を踏まえれば国家と宗教の距離感には細心の注意が求められる。 結局のところ、問題は「特権の是正」か「自由の保障」かという単純な二項対立ではない。信教の自由と租税公平主義という二つの憲法的価値をいかに調和させるかが核心である。感情論や一部事例への反発に流されるのではなく、収益事業の定義の精緻化、財務透明性の向上、小規模法人への配慮措置など段階的かつ制度的な改革を検討すべきだろう。 宗教法人課税の議論は、単なる税制の問題ではない。それは国家と宗教の関係、そして市民社会の成熟度を映し出す鏡である。冷静で理性的な議論こそが、憲法秩序にかなった解を導く道筋となる。 (坂本雅彦)

「#ママ戦争を止めてくるわ」って何?戦争を望む政治家はいない
「#ママ戦争を止めてくるわ」って何?戦争を望む政治家はいない

 先の衆院選の終盤に差し掛かったころからSNS上で「#ママ戦争を止めてくるわ」というハッシュタグをよく見かけるようになった。エッセイストの清繭子氏の投稿が最初だという。この投稿には「#期日前投票」などのハッシュタグが添えられ大きな反響を呼んだ。このフレーズを利用して中道改革連合をはじめとした野党陣営やその支持者達が高市氏を戦争主義者の如くレッテル貼りを行った。 戦争をしたがっている政治家なんていない。しかし、国民の生命を守る為にもあらゆる攻撃に対する備えを準備しておくことは必須である。少なからず日本は地政学的にもロシア、中国、北朝鮮など核保有もしくは核開発を懸念されている国々に隣接しているのだから。世界情勢が不安定であることは確かで覇権主義国同士が主導権を争っている状態である。 「ママ戦争を止めてくるわ」に賛同している人々の多くは防衛に関して具体策を提示していない。高市早苗総理が軍拡主義者だというレッテル貼りに終始しているだけ。ネット上のエコーチェンバーの中で大きな潮流となっていると一部の人々が勘違いしているに過ぎず、結果的に中道改革もれいわ新選組も社民党も共産党も選挙では惨敗している。要するに国民の多くは高市総理が戦争を肯定しているとは思っていないという証左。「ママ戦争を止めてくるわ」に多くの国民が違和感を抱いているのは間違いないだろう。 高市総理は憲法第9条に自衛隊を明記することに賛成してきた。安全保障規定の整備に前向きな立場を取っている。敵基地反撃能力の保有や装備増強に肯定的な姿勢である。これらのことが軍拡と言われる所以であるが、むしろ抑止力の強化だと受け止めるのが自然であろう。靖国神社参拝や歴史認識問題への発言が中国や韓国との外交摩擦を招くというが、少なくとも靖国参拝は外交問題ではありえない。信仰の問題であり、慰霊の手法である。 「ママ戦争を止めてくるわ」という表現は政治的レトリックの色彩が強く、政策の方向性に対する警戒感を誇張している。実際には「抑止力を強めることで戦争を防ぐ」という高市政権に対して「軍事優先は緊張を高める」という野党側による印象操作に過ぎない。結局、戦争をするには国内外の制度や同盟、世論によって強く制約されるというのが答えである。 ちなみに、現在は歴史的な円安が進んでいる。軍備を増強するにも日本の購買力は下がっている。野党がいうような軍備増強が急速に進むことはない、たとえ進めたくても。 (坂本雅彦)

世界の女子フィギア界を牽引してきた坂本花織が引退
世界の女子フィギア界を牽引してきた坂本花織が引退

 坂本花織がミラノ・コルティナ冬季五輪を有終の美を飾った。坂本本人は銀メダルとなった結果に悔し涙を流しつつも「前は本当に奇跡のような銅メダルから銀で悔しいと思えるぐらい成長したのかな。この4年間頑張ってきてよかった。自分を褒めてあげたい」と語った。今期がラストイヤーだと決心して挑んだミラノ・コルティナ冬季五輪だったことから坂本本人は金メダル獲得への意欲が相当強かったであろうが、個人競技としての最後の舞台を見事に締め括ったと言える。坂本が銀メダルを獲得したことは日本フィギュアスケートの歴史的な1ページとして高く評価されるはずだ。オリンピックの女子個人スケート競技で複数のメダルを獲得した日本人選手はいなかった。坂本は2022年北京オリンピックで銅メダルを獲得し、女子シングルスで自身2個目の冬季オリンピックメダルを獲得したことは快挙と言って良い。  坂本は、国内実績は十分だったが2018年の平昌五輪には代表に選ばれなかった。この落選後に彼女の練習姿勢が一段と厳しくなったと言われている。当時はロシア勢を中心に女子4回転ジャンプが台頭。「4回転を持たない選手は勝てないのでは」という評価があったが、坂本は無理をせず、ダブルアクセルの完成度向上、出来栄え点の最大化、スケーティングの加点など総合的に得点を積み重ねる戦略に特化した。技術点と演技構成点を高水準で両立させる現代型スケーターの完成形と表されている。2022年モンペリエ、2023年さいたま、2024年モントリオールと世界選手権3連覇を成し遂げている。2022年には北京オリンピックでシングルは銅メダル、団体で銀メダルを獲得、個人と団体の両面を牽引した。女子フィギュアは4回転時代に派手な高難度ジャンプだけに依存せず、完成度や安定性など総合力で頂点に立ち続けた坂本の演技は女子フィギュアの価値観を再定義した。技術と表現を高次元で両立したスケーターという点で坂本は大きな功績を残した。  坂本は勝って当然という期待の中で股関節や足首の痛みと付き合いながら競技を続けてきた。「環境変化に適応する戦略的思考」と「失敗を成長材料に変える心理的回復力」が華々しい実績を生んだのであろう。引退後は彼女を育てた神戸の地で後進の指導に携わりたいという意向を示している。ミラノ五輪でのSP曲は「タイム・セイ・グッバイ」、これからも日本フィギア界に貢献を続けてくれるであろう。 (坂本雅彦)

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2026.02.23

外国人優遇策の数々が自国中心主義の高揚を招く
外国人優遇策の数々が自国中心主義の高揚を招く

 2月11日、南日本新聞によると鹿児島県が主要施策の柱に掲げる観光の「稼ぐ力」向上につながる39事業に、前年度比12億円増の35億円を2026年度当初予算案に盛り込むと発表した。訪日客誘致促進の特別事業に2億7792万円を計上する。特別事業では九州新幹線を活用し誘客を図る。福岡などを訪れる訪日客向けに博多から鹿児島中央までの片道分の運賃を全額助成する。対象は鹿児島空港に直行便のある4カ国・地域に加え、県が今後有望な市場と位置付けるアメリカやタイなどの利用客。旅行予約サイトと連携したデジタルプロモーションも継続する。 さて、インバウンドを排すべきだと主張するわけではない。外国人に日本の魅力を知ってもらい、日本との友好を諮ることは重要な施策だ。だが、同時に日本国民が日本の魅力をより深く知る機会、日本国民が国内旅行などを楽しむ機会を得ることは外国人に対する以上に重要なことではないのかということ。鹿児島県の特別事業は外国人に限って片道の九州新幹線代を税金で賄うという事業。これは国民を蔑ろした施策であることは否めないのではないか。日本人よりも外国人を誘致する正当性はあるのか。日本人だけではなく外国人にも来て欲しいから、新幹線代無料を日本人以外に対象を外国人にも拡げるというのなら妥当性が理解できる。しかし、端から外国人に限った優遇措置であるならば国民軽視も甚だしい。 このような道理に合わない事業を国も自治体も政治家が主導してきた、もしくは看過してきたことが現在のおける自国中心主義の台頭に繋がる要因のひとつであることは間違いない。留学生問題や移民問題、難民問題、外国人による不動産取得問題など国民の不信を買う状況を政治が袖手傍観してきたことが現在の混乱を招いている。 ジャパン・レール・パスやJRイーストパスなど外国人限定の日本全国または特定エリアの列車に一定期間乗り放題になる商品などが販売されている。航空会社や旅行会社が、外国人旅行者向けに割安な航空券やパッケージツアー商品を提供する例も数多みられる。外国人に対して消費税(10%)が免除される免税ショッピング制度は必要なのか。米国にはタックスリファンドなる制度は存在しない。韓国も美容整形などに関して税還付制度は終了している。日本においても外国人にきちんと日本人同様の消費税などの負担を課すべきだろう。政治が国民を蔑ろしていると思われないことは当然のことであるはずだが、一部の行き過ぎたノーボーダーや新自由主義者が謬論を振りかざしてきた恥ずかしい事実もある。日本を洗濯するには今が良いタイミングかもしれない。(坂本雅彦)   訪日外国人は九州新幹線の博多から鹿児島中央まで片道無料 南日本新聞 https://373news.com/news/local/detail/228929  

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