連載•小説
織田信長は部隊を召集すると、まず「信長本軍は伊勢方面から美濃に攻め入る」という噂を流させると、軍を3つに分けた。1つは留守居役、2つ目は墨俣の築城工事、つまり蜂須賀小六率いる川並衆と藤吉郎・小一郎の部隊で、3つめは信長自ら指揮して龍興軍を防ぐ役回りだった。 藤吉郎らは――あくまで伝承だが――長良川上流で組み立てた砦を、夜陰にまぎれて墨俣の地まで首尾よく運び終えた。 信長軍が来るのは「伊勢方面から」と思い込んでいた龍興軍は、日の出とともに目の前にいきなり現れた木造の砦を見て仰天したに違いない。しかし稲刈期とあって、農民兵が中心の龍興軍は、召集をかけてもなかなかそろわない。 一方、「一夜城」も急拵え。藤吉郎軍と川並衆は、信長本軍の助けもあって龍興軍の攻めをかわしつつ長屋10棟分、櫓10基、塀2000間分、柵用の杭5万本の木材で突貫工事を進めたという。 墨俣への龍興軍の襲撃をしのいだ信長は、藤吉郎に1500の兵と百数十丁の鉄砲を与えてこの地を守らせ、美濃攻めの拠点の一つとした。‶墨俣プロジェクト″は成功。藤吉郎・小一郎の出世の大きな足掛かりとなった。(つづく) (西川修一)
2026.03.05
先日、スーパーの揚げ物売り場にアメリカンドッグが売っていた。コンビニではよく見かけるが、スーパーでは珍しかった為、テンションが上がって買ってしまった。直後、店の入口付近にて、それを片手に持っている俺の姿を見た数名の来店者たちが「この近くでお祭りでもあるの?」というようなウキウキした表情をした。 俺は自慢気に一人祭りを見せつけるべく食べ歩こうとした。だが、ない!そう、プラスチックのパカッと割ったらケチャップとマスタードがうねうね出て来るアレがないのだ。取り忘れたのか、戻るのは面倒だ。俺は一気にテンションが下がった。こんなの醤油がない刺身と同じではないか。そう思いながら一口かじってみた。えっ、美味い!こんなにも魚肉の味がするものだったのか。この食べ方はありだ。 さよならパカッ。こんにちわ薄味。俺はこれをアメリカンコーヒードッグと名付けたくなった。そして、これには濃いコーヒーが合いそうだとも思った。
2026.03.04
いよいよ開幕が迫るWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。侍ジャパンの投手陣において、中継ぎや抑えといったブルペン陣の起用法が注目を集めている。 佐野氏は、リリーフでの起用が予想される種市篤暉や金丸夢斗について「いいとは思うんですけど、調整が難しいですよね」と指摘する。 「2人ともレギュラーシーズンではスターターとして間違いなく投げるので。リリーフで頻繁に投げたらその後、若干開幕に影響が出るかもな、という懸念はありますね」と、先発投手の負担増に懸念を示した。 一方で、絶対的なクローザーが不在の現状において、種市のフォークは「かなり武器になる」と高く評価している。 「クローザーを完全に任すのではなく、何人かで回す形になると思う。状況によって今日は大勢、今日は種市という形にはなると思う」と、日替わり守護神の可能性を示唆した。不安視された大勢についても「足が攣っただけなので心配はない」と語る。 世界一奪還へ、投手陣の柔軟なやりくりに期待だ。 (タサイリョウ)
2026.03.04
後に秀吉の有力な腹心となる川並衆・蜂須賀小六と、11歳年下の藤吉郎とは、この墨俣築城の依頼交渉が初対面と見られているが、藤吉郎が信長の配下となる前に父・弥右衛門の知己だった縁でその手下となったとの説もある。 日吉丸時代に三河岡崎の矢作橋で寝ているところを、小六率いる野盗の一団が通り、足を踏まれて咎めた度胸を認められ手下に加えられた…というエピソードは後世の創作である。 藤吉郎と小一郎は2人がかりで小六のもとに乗り込んで直談判した。どちらの発案かは不明だが、工事の手法は極めてユニークだった。墨俣の現地ではなく、長良川の上流で先に建物の原型を組んでしまう。それを筏に載せ、夜陰に紛れて下流まで運び、墨俣で荷下ろししてそこに設置する。夜が明ければ、そこに忽然と「城」が出現するというわけだ。 河川の水運に通じた小六の面前で、藤吉郎はプレハブ住宅の船輸送のようなこの奇抜なアイデアについて熱弁を振るったという。もちろん、川下りの途中で龍興軍に見つかれば一巻の終わり。部下の命を預かる小六はそう簡単には首肯しない。 そこで、藤吉郎の横に黙って座っていた小一郎がぽつぽつと話し始めた。「このたび兄者は、この城が建たなければ自分の命も無いものとの覚悟でお頼み致しております」。黙って聞いていた小六は、それに対してぼそりと「…お引き受け申す」と応じたという。(つづく) (西川修一)
2026.03.02
夢 安息の保証にもならぬ一畳の囲繞の中で彼が見る夢 警察にいつ踏み込まれるかわからないネットカフェで彼が見る夢 永遠の夢とは畢竟頽廃だ ここがロドスだ、ここで跳べ 人はみな夢見る自由があるという 自由とは権利勝ち取りに行け 一瞬の虹を見たことその虹をいつも心に抱けるということ 空だけが外界へ通じる道というガザの子供が飛ばす風船 2月27日のNHKカルチャーセンター青山の福島泰樹・実作短歌入門講座。解題詠は「夢」の7首連作だった。 ベタで難しい題材だが、かつてこの言葉を使って歌を作ったことがあったのを思い出した。それが1首目だ。殺人犯が逃亡中にネット喫茶で寝泊まりしたとしたら、という架空の設定で詠んだ。だが、いま見ると気取っている。というか昭和30~40年の少年たちのタームで言えば「すかしてる」。具体的に表現せずにこういういい方をするのが短歌だ、うまい事を言った、と作った時(数年前)にはそう思っていた。その頃、僕の歌には「分かりにくい」「独りよがりだ」という批判が投げ付けられていた。 同じことを有体に詠んだのが2首目だ。3日くらい前に作った。わかりやすいことはわかりやすい。が、どこか幼くも感じる。短歌とはどうあるべきなのか、悩んでいる。この間に正解があるのかさえも、分からない。 他の受講生と先生の歌評は、来週に書きます。
2026.03.02
映画のパンフレットを買わなくなった。昔は映画館に行くと、俺は必ず買っていた。お土産ということもあったが、一番は、たった今観たばかりの作品を深く知りたかったからだ。所が、今はネットで観た映画の情報が溢れんばかりに出てくる。その為、買う意味は殆どない。お土産だということにしても、千円近くするのもあって値段が上がりすぎている。 そうなると、これからは新しい工夫が必要になってくる。たまにあった、シナリオ付きなどは余韻に浸れて嬉しい。だが、それを音読しながら「一人映画館」をする者は俺くらいだろう。もっと万人向けのものがよい。サントラ付きはどうだろう。昭和の雑誌の付録のソノシートみたいな(懐かしすぎる!)ただし、かさばるのでQアールコードを貼ってネットに繋がることになりそうだが。 もうこの先、パンフレットは映画館の売店にQアールコードを貼って、ネットで読むという訳の分からない時代になっていくかもしれない。
2026.03.01
ブルージェイズ岡本和真が好調だ。23日に行われたオープン戦でWBCにも選ばれているクレイ・ホームズからバックスクリーン直撃の本塁打を放った。 佐野氏は「いいアピールができましたね! ブルージェイズの首脳陣も一安心したんじゃないですかね!」と賞賛する。ホワイトソックス村上宗隆も順調なキャンプを過ごしていて、侍ジャパンへの合流が楽しみだ。 さらに侍で活躍を期待しているのがレッドソックスの吉田正尚だ。 「吉田には期待したいですね。ボストンでの立場は正直微妙なのでね。WBCでアピールすれば、チームでの評価も上がる。実力は十分あるのでね。あとは試合でアジャストするだけなので頑張ってほしいですね」 大舞台での吉田の打棒に期待だ。 (タサイリョウ)
2026.03.01
藤川監督にとってもまさかの事態になってしまった。 中継ぎエースの石井大智が左アキレス腱の負傷で今季復帰がかなり難しい状況となった。 佐野氏は「石井の穴を埋めるというよりは新しい中継ぎ陣を構築していくという考え方の方がいいと思います」と提案する。 現在阪神には木下里都、石黒祐弥、工藤泰成と若手右腕がキャンプでしのぎを削っているが「まず岩崎がいるというのは大きいですよね。十分に役割は果たせると思いますし。木下、石黒、工藤のほかにも湯浅もいますからね」(佐野氏)と人材豊富だという。 最後には「あとは藤川監督のベンチワークですよね。選手たちもこのオープン戦中にいかにアピールできるかというところにもなるでしょう」とまとめた。トラの新勝利の方程式は完成するか。 (タサイリョウ)
2026.02.27
美濃を攻め落とすに当たって、尾張・美濃の国境であり長良川・木曽川・揖斐(いび)川と3つの川の交点であり長良川の西側である墨俣という場所は、戦の手練れであれば誰でも、ここに攻めの拠点を作れば美濃攻略が大きく前進すると考えるようなキーポイントだった。 しかし、当然ながらここは斉藤龍興の領土内。他国の軍が足を踏み入れた途端に斎藤軍が排除に駆けつける。柴田勝家、佐久間信盛がそれぞれ軍を率いて拠点づくりを試みたが、すぐさま龍興軍が襲い掛かられてあえなく失敗してしまう。 ここで、当時はまだ信長陣営の末席にいた藤吉郎が手を挙げる。 他の歴年の家臣たちの嫉妬と軽蔑の入り混じった視線をものともせず、なぜ引き受ける気になったのか。 藤吉郎と小一郎は、まず木曽川近隣の水運勢力・川並衆のトップ、蜂須賀小六(後の正勝)に接近する。数十人の配下を束ねる小六に、墨俣での築城工事を請け負ってもらおうというわけだ。 敵の領土に侵入するだけでなく、そこに城を建てるという極めて危険なミッション。2人が小六を説得するために提案した方策は、一言で言うと「プレハブ住宅」だった。(つづく) (西川修一)
2026.02.26
ダルビッシュ投手の侍ジャパンへの献身的なサポートが話題だ。 ピッチクロックやピッチコムへの対応など、ジャパンの選手たちに事細かにアドバイス。MLBへの打者に対しての「高めの球」への意識も徹底してコーチした。 佐野氏も「日本の野球って低めのボールで勝負するという教えてずっとやってきたので、上下をうまく使うって投手って あんまりいないですよ。 メジャーの場合はやっぱり上下をうまく攻める投手が結果が出ていますからね」と指摘する。 ただし「自分の投球スタイルは基本的には変えなくていい」とも言う。 「データとか傾向とか対策として一つ頭の中に入れてるっていう事が大事。もちろん闇雲に低めばかり投げても狙われる。日本の投手はコントロールがいいので、まんべんなく上下左右投げれば幅は広がります」 それでも「メジャーの選手は高めの甘い球はミスショットしないですからね。そこは気を付けて投げミスしないようにしたいです」ともアドバイス。 26日にはドジャース・大谷が名古屋に移動した侍ジャパンに合流。勝負モードも一気に高まりそうだ。 (タサイリョウ)
2026.02.25






