政治•経済

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高市内閣の補正予算が財務省と自民税調の双璧を突破
高市内閣の補正予算が財務省と自民税調の双璧を突破

国会では補正予算の審議が始まっている。高市内閣としては初の予算組成であり注目されている。一般会計の歳出は18.3兆円で昨年度の13.9兆をおよそ4.4兆円上回る規模となっている。報道で注目されている政策は、子ども1人あたり2万円の給付、電気・ガス料金に対して標準的家庭で7000円の支援、プレミアム商品券やお米券などを自治体が発行する為の重点支援地方交付金の拡充などが挙げられている。 野党は、無駄が多いだとか、執行が遅すぎるだとか、規模が大きすぎるだとか、国債を発行するなだとか、定数削減を先にしろだとか、企業団体献金の規制強化はどうなったのか、だとか宣い批判する。衆議院は自民・維新の連立によって過半数を確保できているが、参議院は少数与党であることから予算案が否決される可能性もないわけではない。とはいえ、参議院で否決されても予算の場合は衆議院が優越されることから成立しないことは無い。野党とすれば政府予算を批判することで与党の高い支持率を崩したいという思惑がある。 予算案にある項目で高く評価したいのは「医療・介護等支援パッケージ」である。この支援パッケージ全体で 約 1兆3,649億円 が計上されており、医療分だけでも 約1兆368億円となっている。経営が厳しい医療機関(病院・診療所)や薬局に対して、賃金・物価高・経営環境の変化に応じた「⎯床数/施設数に応じた補助金支援」を手厚くする枠組みが今回の補正予算で整備されている。その他、国立大学の教育・研究基盤維持に485億円、大学病院の機能強化・経営改善に385億円、ICT環境整備など高校教育改革に約3000億円を計上している。これらは財務官僚や宮沢洋一議員をはじめとする財務省出身の自民税調幹部によって阻まれてきたことである。片山さつき財務大臣の助太刀もあってのことであろうが、財務官僚に屈しない予算組みが出来たことは画期時である。ただ、心配なのは来年の本予算で財務官僚の反撃にあい、増税を仕込まれるのではないかということ。日本を経済立国に立て直すには政府が貨幣観を改めることと、積極的な財政出動を継続しマネタリーベースを増やすことが必要不可欠である。積極財政に伴い、物価高騰支援策も並行して継続すること。高市政権の誕生が財政政策の転換期になることを願いたい。(坂本 雅彦)

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2025.12.14

高市早苗首相の台湾有事発言で中国問題が深刻化(3)
高市早苗首相の台湾有事発言で中国問題が深刻化(3)

 これまで高市早苗首相の台湾有事発言が中国への内政干渉になるだけでなく、宣戦布告と誤解される可能性について語ってきた。そしてその背後にいる勢力が軍産複合体であり、武器を生産し売るために、戦争を煽っていることを指摘。今回は核武装について検討する動きが活発になってきたため、この詳細について明らかにしていきたい。  戦後日本はGHQの政策により、日本軍を解体し、軍需産業も禁止されてきた。しかし、ドイツやイギリスでは軍事力を認められているため、発言権を強めるため、自衛隊ではなく、独自の軍事力を持つべきだ、という考え方の人も根強く存在していた。2022年2月末に安倍晋三元首相はアメリカとの間で核兵器の共同管理(シェアリング)を提案。日本の核抑止力を維持しようとしていた。もちろんアメリカの許容する範囲ではあるが。  高市早苗首相は安部元首相の側近であったため、軍事力の増大に積極的である。さらにトランプ大統領は以前から日本が核保有することを容認しており、トランプ政権の今が核保有を進めるチャンスだと考えても不思議でない。現在、伊藤貫氏や矢野義明氏などの知識人も核抑止論として核武装を肯定する立場をとっている。しかし、トランプ大統領がイランの核兵器保有に対して徹底的に妨害していることからも核兵器が抑止力ではなく、脅威そのものであることを理解しての発言であることは忘れないほうがいい。日本は唯一原爆を落とされた国であり、原爆資料館では「世界の人々に核兵器の恐怖や非人道性を伝え、ノーモア・ヒロシマと訴えます」というメッセージを送っている。安易な抑止論にならないことを祈るばかりだ。  ではなぜ日本は台湾にこだわり続けるのだろうか。次回台湾の建国と日本との関係について見ていこうと思う。(早見慶子)

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2025.12.14

米価高騰対策で注目されるおこめ券
米価高騰対策で注目されるおこめ券

令和の米騒動から半年以上が経った。日本人は飽きっぽいのだろうか、米価が4000円/5キロを超えても消費者は米騒動時のように騒がないし、メディアもおとなしい。高騰した価格に慣れてしまったということなのか。春先にコメ不足と米価が高騰した際、メディアは連日、騒ぎ立て、政府は何らかの施策を講じざるを得なくなった。政府の国会答弁では米価高騰は米流通の目詰まりだとしていたが、今になってそれは政府の詭弁であったことが明らかになっている。実際には流通とは関係なく農水省の生産量予測の見誤りによって米価高騰を招いていた。3月頃は3500円程度であった米価が5月頃には4200円を超えるようになり政府は取り急ぎ政府備蓄米の大量放出によって従前の3600円程度まで米価を引き下げた。6月に入ると備蓄米を含んだブレンド米に至っては3000円ほどにまで価格が下がり、連動して銘柄米も徐々に価格を下げていった。 ところが7月に行われた参議院議員選挙が終わると再び米価は上昇に転じている。11月末時点で4400円を超えており当初の米騒動時よりもむしろ上昇している。政府の米価対策は参院選対策でしかなかったのか。無理やりコメの流通量を膨らませ米価を下げて国民のご機嫌をとったにも関わらず与党は参院選で大惨敗を喫しているのだから嘆かわしい。 さて、参院選に惨敗した政府は開き直ったのか、再び米の生産調整に着手した。2025年は主食用米生産量が747トンであったところ2026年の需要量を694トンから711トンに設定した。価格高騰が続く中で生産を抑制するとどうなるか言わずもなである。報道各社は「消費者目線を忘れず生活の不安を解消しないといけない」という論調で農政の方針転換に疑義を唱えている。 こうした声を受けて政府は物価高支援策として地方自治体によるおこめ券や食品クーポン券の配布を想定した重点支援地方交付金を地方自治体に交付する方針を示した。米価高騰を受けた支援策だと受け取られがちであるが、おこめ券はあくまで一例であり、資金の使途は自治体が自由に決められる。 私見であるが、政府がコメの流通量を増やして米価を抑制するよりも、高騰した米価に対して所得の増加が追い付かない国民におこめ券を配布する方が効果的だと思料する。米価が4000円を超えるくらいが原価と労力に見合った適正価格だと生産者は主張する。現状は茶碗1杯60円ほど、これでは利益が出ない。米価は4000円を超えたままにしておき、その価格に対して消費者へ支援策を講じることは生産者と消費者の双方に経済効果が及ぶ。よっておこめ券の施策は正解なのではないか。 (坂本雅彦)

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2025.12.12

失われた30年の真犯人 異常な低金利政策を変えることは可能なのか。中
失われた30年の真犯人 異常な低金利政策を変えることは可能なのか。中

 11月6日投稿の『失われた30年の真犯人 異常な低金利政策が続く理由を考える』では、大蔵官僚が天下り先の銀行を預金者の犠牲の下で救済しようとして異常な低金利政策を取った為、日本経済は「流動性の罠」の状態にあると指摘。流動性の罠の状態では、アベノミクスのような異次元の金融緩和政策を行っても、景気拡大にならなかった。    11月18日投稿の『失われた30年の真犯人 異常な低金利政策を変えることは可能なのか。上』では、30年以上も続いている低金利政策を変えるには、金利上昇によって損をする個人や企業への救済策が必要であり、その財源にはトヨタなど輸出大企業に支払われる消費税の輸出還付金を充てれば良い、と論じた。    日本経済は、輸出偏重経済になっているのは確かであり、一人当たり国民の実質所得は、韓国・台湾に抜かれようとしている。輸出には、労働者の賃金は低い方が有利であり、円高より円安の方が望ましい。    その結果、所得の伸びよりも、物価上昇の方が高い水準にあり、国民生活は苦しくなる一方なのだ。  ところが、利上げや輸出還付金の廃止に反対するのが、政治家、財務官僚、マスコミなのだ。    利上げは、景気に良くない、国の借金(国債)の金利が上昇する、といった反対であり、代表的なものに高市早苗総理が、総理になる前のインターネット番組で「金利を今、上げるのはアホやと思う」との発言が知られる。    ある経済誌は、『10年国債金利、17年ぶり高水準 超長期債金利は当時を上回る』という記事を配信。「長期金利が上昇傾向を強めている。10年国債金利は、7月23日、25日には、一時、1.60%台まで上昇し、2008年10月以来の約17年ぶりの水準となった」と、あたかも国債金利の上昇が財政破綻を招くかのように憂慮している。ちなみに12月10日の10年もの長期国債金利は、日経新聞によると1.955%(前日比0.005%低下)で推移し、市場では一時1.970%に達して約18年半ぶりの高水準を記録した。 だが、バブル経済の頃の10年国債金利は5%~7%程度、あるいはそれ以上の高い数値で推移していたのだ。 金利上昇によって国の国債利払いが増えるにしても、日本の国債の半分以上は、日銀が引き受けている。   一方、日本の家庭の銀行預金の最新データ(主に2024年・2025年の統計)によれば、家計全体の現金・預金残高は約1126兆円。金利上昇は、必ずしも経済にとって悪いことばかりではない。   ちなみに、2025年12月9日時点の10年もの米国債利回りは、4.18%〜4.19%程度で推移している。日本の国債金利はアメリカの半分以下なのだ。   国内経済だけを見るなら、金利の引き上げは、政府と日銀が決断し、金利上昇によって損をする個人や企業に対して適切な救済策を取れば十分に可能と思われる。 ところが、厄介なのが「債券自警団」を僭称する国際金融資本の動向なのだ。 日本の低金利と輸出偏重経済は、国際金融資本にとってこれまで有利だった。なぜなら、低金利の日本の金融市場で資金調達できるし、円高に誘導すれば、日本企業の株価が下がり、逆に円安では株価が上昇するのを、法則のように繰り返してくれたからだ。 国際金融資本にとっておいしい状況を、彼らが簡単に手放すとは思えない。 利上げには、2022年のトラスショックの再現が懸念されるのだ。   (青山みつお)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

政治•経済

2025.12.11

生活保護最高裁判決 紛争長期化より早期補償を
生活保護最高裁判決 紛争長期化より早期補償を

 国による生活保護費の基準額の引き下げを違法だと認めた6月の最高裁判決を受け、厚生労働省が、減額分の一部を全生活保護受給者に支給する方針を決めた。最高裁では、引き下げの手続きに過誤があったと判断されたため、厚労省は専門委員会での議論を踏まえ、違法とされた方法とは別方法で引き下げるという。ただ、再び引き下げは実施されるため、引き下げ前との差額の全額補償を求めていた原告代理人弁護士らからは批判が噴出。原告以外の受給者が新たな訴訟を起こす可能性などもあり、紛争の長期化が避けられない模様だ。 今回の最高裁判決で問題になったのは、厚労省が2013~15年、食費や光熱費などの「生活扶助」の基準額を最大10%引き下げた措置。物価下落率を反映させた「デフレ調整」により約580億円、一般低所得者との均衡を図る「ゆがみ調整」により約90億円、計約670億円が削減された。 ■最高裁は金額そのものではなく手続きを問題視  最高裁は、このうちデフレ調整による4・78%の引き下げ率は、厚労省が専門家に諮らずに独自算出したことなどには合理性がないとして問題視。「「引き下げの判断の過程や手続きに過誤、欠落があった」と認めて違法と判断し、減額処分を取り消した。 一方、最高裁はゆがみ調整は適法とし、厚労省の専門委員会の議論でもゆがみ調整を再度実施することは妥当とされたため、ゆがみ調整は行われる。 厚労省はデフレ調整に代わり、当時の低所得世帯の消費実態に基づいて改めて算出した2・49%の引き下げ率を適用。違法とされた4・78%よりも引き下げ幅を小さくすることで、全受給者に減額分の一部を補償することにした。さらに、長期に及んだ訴訟の負担などを踏まえ、原告には特別給付金も追加支給し、違法な減額分については全額補償する。追加支給される保護費として、今年度予算案には1055億円が計上された。  ■合理性のある対応 違法な減額分は全額補償されるものの、原告側は原告以外も含む全受給者に対して引き下げ前との差額を全額補償するよう求めてきた。このため、厚労省が今後の対応について方針を示した直後、原告代理人弁護士らは11月21日夜、厚労省の決めた方針に猛反発し、改めて引き下げ前との差額の全額補償を訴えた。  最高裁は、引き下げ自体を違法としているわけではなく、それを決める手続きに瑕疵があったとしており、厚労省が専門家委員会をたちあげて議論を進め、全体では一部補償とはいえ、違法減額分については全額補償するとした対応方針には合理性があるように伺える。  原告代理人弁護士らは、このまま一部補償に納得せず、「全額補償」を求めて戦い続けるつもりなのか。専門委員会の議論を経た上で政府として「一部補償」を決めたのだから、いったんはそれを受け入れた上で今後の戦略を検討すべきではないだろうか。紛争が長期化すれば、一部支給の実施すら先送りになる恐れもあり、最低限の暮らしを保障するための生活保護制度の根本にも関わりかねない。(桜田亮)

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