2026/03/11
近年、保守的な主張を前面に出した政党の躍進が顕著である。参政党や日本保守党がそれにあたる。かつては自民党が保守的な政党の代表格のような印象であったが400人以上も国会議員を抱える大政党ともなると左寄りの議員も現れる。石破茂氏や岸田文雄氏や河野太郎氏らとその周辺にいる議員は紛れもなくリベラルと呼ばれる勢力だ。自民党左派による誤った歴史観や貨幣観、地政観によってちぐはぐな国家運営を繰り返してきたことが国民にとってフラストレーションとなっていたのだろう。そのストレスのはけ口となっていたのが参政党や日本保守党であったが、世論に押される形で遂に自民党内でも左派を抑える勢力が生まれた。それが高市早苗である。考えてみれば、保守的な与党としての自民党、それに対する中道改革連合、れいわ新選組、共産党などの野党が存在する形が国民にもわかりやすいし政治的にも進めやすいはず。参政党や国民民主党、日本維新の会、日本保守党などは与党の補完勢力にしか過ぎないのかもしれない。そうだとすればあまり存在意義がない。
さて、保守的な政党の多くが外国人の受け入れ、つまり移民を抑制する、もしくは厳格化する政策を掲げている。確かにEU諸国をはじめ多くの移民を受け入れ来た国は治安の悪化やナショナリズムの低下、社会保障の負担増など深刻な状況を招いている。日本は特定技能制度などを用いて実質的に多くの移民を受け入れてきたが欧州ほどの深刻な状態には今のところなっていない。経済界や産業界からは人手不足や賃金高騰などの理由で移民の受け入れ拡大を与党は要請されている。自民党は主要支持団体である経団連の意向を無視することは容易ではない。そこで気になっていたことを調べてみた。日本は少子高齢化が進み、労働力が減少している状況にあるのは紛れもない事実だが、労働力を外国人で補わなければこの国は本当に行き詰ってしまうのだろうか。少子化が進む国は世界に数多ある。少子化が進んでいるにも関わらず移民を受け入れることなく経済成長を遂げている国はないのか。実はけっこうあるようだ。
代表的な国が台湾である。台湾は移民に極めて厳格で実質的に受け入れていない。出生率は1.0前後。それでも実質的な経済成長を維持している。その原動力となっているのが半導体(TSMC)を中核とする圧倒的な産業集中と高度技術に特化した超高付加価値モデルの構築にある。労働力の量ではなく技術独占力で稼ぐ構造が台湾の経済成長を支えている。
もうひとつはお隣の韓国である。出生率は世界最低水準。移民を完全に排除しているわけではないが、社会として受け入れには消極的である。比較的排外的であるにも関わらず経済成長を維持できているのはIT業界の成長にある。韓国では電子機器やIT事業が効率的かつ高収益を生んでいる。
移民問題について日本の姿勢は決して定まっていない。来年からは外国人労働者が転職したり家族の呼び寄せが可能になる育成就労制度が新たに始まる。一方、一部の地域で外国人による治安悪化が懸念されたり、外国人コミュニティと日本人との間でのトラブルも頻発している。
減少した労働力は外国人で補うしかないのだろうか。日本の経済や産業の得意分野を特定し特化して革新的な生産性の向上を生むことはできないのだろうか。人手不足で困っている今こそ技術革新が生まれる好機でもある。
(坂本雅彦)
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