社会•事件 映画の都「ハリウッド」の覇者交代劇
映画の都「ハリウッド」の覇者交代劇
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2026/02/14

2025年12月5日、制作から公開、視聴までを一体で扱う動画配信プラットフォームのトップ企業「ネットフリックス」が、「ワーナーブラザース・ディスカバリー(WBD)」の映画スタジオ事業およびストリーミング事業を買収したと発表した。この買収は、いわばハリウッドにおける“覇者交代”のインパクトを放つ出来事だ。

WBDは「ハリー・ポッター」など世界的な知名度を持つIP群を抱え、それらを駆使して映画以外にも多角的に展開する力を持っているが、グループの純債務は約4.5兆円に達しており、その結果、投資余力を失い、グループの分社化や事業売却が現実的な課題となっていた。

買収総額は、負債込みで827億ドル(約12兆円)。買収完了は、WBDがCNNやTNT、ディスカバリー・チャンネルなどを抱えるケーブルテレビ部門を切り離した後になる見通しで、26年第3四半期までの実施が想定されている。

25年に起きたネトフリによるWBDへの巨額買収提案は、映像ビジネスにおけるハリウッドの覇権を大きく揺らがせた。パラマウントも対抗馬として現れ、激しい買収合戦を繰り広げた。

結果的にネトフリが制したわけだが、それは当然の流れと言えよう。同社は世界で3億人以上の有料会員を抱える最大手のストリーミング企業であり、そこにWBDの巨大IP資産が加わることで、映画館やエンタメ業界の労働組合に対して、これまで以上の影響力を持つ“巨大企業”が誕生することになった。

またIP企業としてグッズ販売や体験イベントに広範囲に進出しており、作品そのものだけでなく、多角的な収益モデルを築いている。

実際、ネトフリが、日本のアニメーションスタジオ「㈱MAPPA」との提携を発表した際、世界配信だけでなく、一緒にグッズ販売までやることを明言している。

WBDをめぐる買収は、ハリウッドの一映像スタジオの栄華盛衰の物語ではなく、映像業界の覇権移行を示す出来事といえる。(梛野順三)

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