2026/02/06
いびつな法律の規制がやっと見直される見通しとなった。東京・歌舞伎町などで路上売春が社会問題化していることを受け、法務省は、成人間で「売る側」だけに罰則のある売春防止法の勧誘罪の対象に、「買う側」を新たに加える方向で検討に乗り出す。同省が今春までには有識者検討会を設置し、同法改正を視野に議論を本格化させる方針だ。
「売春は人としての尊厳を害し、社会の善良の風俗をみだすもの」
1956年に制定された売春防止法はこう定め、対価を受け取って不特定多数の相手と性交する売春」を禁じている。性行為そのものは罰せず、売春のあっせんや管理などを処罰する規定となっており、売る側が公衆の面前で勧誘したり客待ちしたりする行為についても、「6カ月以下の拘禁刑か、2万円以下の罰金」という罰則がある。
一方で現行法上、買う側については、相手が未成年の場合は、児童買春・児童ポルノ禁止法や児童福祉法などで規制摘発対象となるが、成人同士の場合は罰則がない。
ただ、昨年11月には、タイ国籍の当時12歳の少女が東京都内の「マッサージ店」で働かされ、人身取引の被害者として保護される事案が発覚。秋の臨時国会では、売春防止法に「買う側」を罰する規定がない点が議論を呼び、「性を売らざるを得ない女性だけが検挙されるゆがんだ構造がある」などと、女性を支援する団体を中心に法改正を求める声が一気に高まっていった。
昨年11月の衆院予算委員会では、「買う側」に対する処罰の必要性を問われた高市早苗首相が、その場で平口洋法相に「必要な検討をするように」と指示。法務省が国内の実態を調べるなど検討を進め、有識者検討会の設置を決めたという。
「売る側」が規制対象になっている中、違法な売春と分かっていながら「買う側」が罰せられない売春防止法がいびつなのは明白だ。法務省は有識者検討会で速やかに議論を進め、法制審議会(法務大臣の諮問機関)を経た上で早期の法改正を図るべきだろう。
(桜田亮)
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