2026/01/07
日本維新の会(以後、維新)が連立与党入りして自党の主張を強めている。連立与党にいる機会を好機と捉える維新は大阪への偏重があからさまな政策を進めようとしている。かつて2度も住民投票で否決された大阪都構想を服首都構想に置き換えるような主張を吉村知事が明らかにしている。
かつての大阪都構想は政令市を廃止し、特別区を設置する方策で計画していた。吉村知事はその構想を服首都構想に置き換えようとしている。人口要件を政令市単独または隣接市町村を含めて200万人以上とする大阪都構想を副首都の要件として当てはめると大阪市、横浜市、名古屋市の3都市に自ずと絞られる。弾かれた他の政令都市の市長からは異論が相次いでいる。
京都市の松井市長は、長い間、皇族が住まわれ、今も御所が存在する街であり、文化財の集積度、生活文化の豊かさという意味で京都が文化的に大きな役割を担っていくべきではないかという考えを明らかにし、その一端を担わなければならない自負はあると述べている。
福岡市の高島市長は南海トラフによる巨大地震での被災リスクを避ける意味でも福岡市が最適だと提唱。大阪による大阪のためだけのような議論は残念だと述べ、広くいろんな場所も想定しながら、どういうバックアップ機能の配置が国家として一番いいのかを考えるべきだとの考えを示した。
名古屋市の広沢市長は副首都構想に特別区を持ち出すことに疑問を投げかけている。神戸市の久元市長も副首都構想というものと大都市制度が密接不可分かどうかは疑問だと述べている。
何も副首都を一か所に限定する必要はない。与党自民党の小林鷹之政調会長は「特定の一つの都市に限っていくよりも、できるだけ複数の地方が関心を持って手を挙げられるような枠組みにしていく必要がある」との考えを明かしている。南海トラフ巨大地震のリスクを避けるという意味では長野市あたりが妥当ではないか。新幹線も敷設されているし首都圏からも案外近い。
首都機能をバックアップするというがそもそもどのような機能をバックアップするのか。その中身の議論検討を先行し、それにふさわしい都市を選択するのが正当である。鼻息荒く功名を奪いに行くような維新の吉村代表の発言には国政政党日本維新の会が与党という立場からの利益誘導や権力の濫用のような猜疑を抱く。こと維新内でも党の大阪偏重に嫌気がさした議員らの離党が相次いでいる。吉村代表は与党に参画したからこそ尚更に公益で公平公正なスタンスを重視するべきなのではないか。
(坂本雅彦)
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