政治•経済 日銀の利上げが賃上げを困難にする
日銀の利上げが賃上げを困難にする
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2025/12/26

 日本銀行が19日開いた金融政策決定会合で追加利上げを決めた。政策金利である無担保コール翌日物レートの誘導目標を0.25%引き上げて0.75%とする。報道によると、政策金利は1995年以来、30年ぶりの高い水準となる。2026年以降も利上げを継続して行っていく方針だと言う。

マスコミの論調では金融正常化の下で利上げは正しい選択だとしていることが大勢であり、高市内閣の掲げる責任ある積極財政が間違っているという論調が目立つ。今回の利上げは日銀の政策委員9名の全会一致で決定したというのだからマスコミの論調が正当であるかのように見えるが果たしてそうだろうか。

短期金利を0.25%引き上げると、GDPが1年目に0.1%減、2年目に0.25%減、3年目に0.3%減になると予想され、後年ほど悪影響が大きい。今は物価上昇に賃上げが追い付いていない状況を受けて補正予算においても物価高騰対策が措置されている。利上げは円安を是正するが企業の借入コストが増加する。併せて急激な円高が進むと自動車など主要産業の業績が予想と大きく乖離して利益を圧縮することは不可避となる。企業の収益力を削ぐことは賃上げを困難にする。政府は企業に賃上げを強く迫るが、その一方で日銀が企業の利益を縮小される政策を行っていては歯車が嚙み合わない。その皺寄せは国民生活に直撃する。経済成長率が1%程度、実質賃金も消費も上がっていない環境下で利上げを行うことには強く危惧する。高市内閣は積極的に財政出動し本格的な経済成長を目指そうとしているが、その実を日銀の利上げが食いつぶそうとしている。マクロ経済の実態を無視した日銀の政策決定会合には憤りを抱くし、政策委員全員が利上げに賛成したことに30年以上の日本経済の低迷の原因を見たような気がする。

(坂本雅彦)

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