政治•経済 失われた30年の真犯人 異常な低金利政策を変えることは可能なのか。中
失われた30年の真犯人 異常な低金利政策を変えることは可能なのか。中
政治•経済

2025/12/11

 11月6日投稿の『失われた30年の真犯人 異常な低金利政策が続く理由を考える』では、大蔵官僚が天下り先の銀行を預金者の犠牲の下で救済しようとして異常な低金利政策を取った為、日本経済は「流動性の罠」の状態にあると指摘。流動性の罠の状態では、アベノミクスのような異次元の金融緩和政策を行っても、景気拡大にならなかった。

 

 11月18日投稿の『失われた30年の真犯人 異常な低金利政策を変えることは可能なのか。上』では、30年以上も続いている低金利政策を変えるには、金利上昇によって損をする個人や企業への救済策が必要であり、その財源にはトヨタなど輸出大企業に支払われる消費税の輸出還付金を充てれば良い、と論じた。

 

 日本経済は、輸出偏重経済になっているのは確かであり、一人当たり国民の実質所得は、韓国・台湾に抜かれようとしている。輸出には、労働者の賃金は低い方が有利であり、円高より円安の方が望ましい。

 

 その結果、所得の伸びよりも、物価上昇の方が高い水準にあり、国民生活は苦しくなる一方なのだ。

 ところが、利上げや輸出還付金の廃止に反対するのが、政治家、財務官僚、マスコミなのだ。

 

 利上げは、景気に良くない、国の借金(国債)の金利が上昇する、といった反対であり、代表的なものに高市早苗総理が、総理になる前のインターネット番組で「金利を今、上げるのはアホやと思う」との発言が知られる。

 

 ある経済誌は、『10年国債金利、17年ぶり高水準 超長期債金利は当時を上回る』という記事を配信。「長期金利が上昇傾向を強めている。10年国債金利は、7月23日、25日には、一時、1.60%台まで上昇し、2008年10月以来の約17年ぶりの水準となった」と、あたかも国債金利の上昇が財政破綻を招くかのように憂慮している。ちなみに12月10日の10年もの長期国債金利は、日経新聞によると1.955%(前日比0.005%低下)で推移し、市場では一時1.970%に達して約18年半ぶりの高水準を記録した。

だが、バブル経済の頃の10年国債金利は5%~7%程度、あるいはそれ以上の高い数値で推移していたのだ。

金利上昇によって国の国債利払いが増えるにしても、日本の国債の半分以上は、日銀が引き受けている。

 

一方、日本の家庭の銀行預金の最新データ(主に2024年・2025年の統計)によれば、家計全体の現金・預金残高は約1126兆円。金利上昇は、必ずしも経済にとって悪いことばかりではない。

 

ちなみに、2025年12月9日時点の10年もの米国債利回りは、4.18%〜4.19%程度で推移している。日本の国債金利はアメリカの半分以下なのだ。

 

国内経済だけを見るなら、金利の引き上げは、政府と日銀が決断し、金利上昇によって損をする個人や企業に対して適切な救済策を取れば十分に可能と思われる。

ところが、厄介なのが「債券自警団」を僭称する国際金融資本の動向なのだ。

日本の低金利と輸出偏重経済は、国際金融資本にとってこれまで有利だった。なぜなら、低金利の日本の金融市場で資金調達できるし、円高に誘導すれば、日本企業の株価が下がり、逆に円安では株価が上昇するのを、法則のように繰り返してくれたからだ。

国際金融資本にとっておいしい状況を、彼らが簡単に手放すとは思えない。

利上げには、2022年のトラスショックの再現が懸念されるのだ。

 

(青山みつお)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

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