連載•小説 椎野礼仁のTANKA de 爺さん 第14回 『鉄道兵だった父』
椎野礼仁のTANKA de 爺さん 第14回 『鉄道兵だった父』
連載•小説

2025/07/07

右の目がほとんど効かない父だった 「乙二合格」徴兵検査

終戦の間際に召集されたとき26歳 会社勤めの

26で入った部隊は父だけじゃなくて創痍の新兵ばかり

しゃべれない、動作がのろま、耳がダメ。そこに目がダメ、二等兵父

「椎野! 前へ 軍人勅諭を述べてみよ」点数稼ぎの上官の指名

「『軍人勅諭』暗唱できたおかげでな、そんなに殴られないですんだ」

父は大正8年生まれ。敗色濃厚の中、満州へ送られ、南満州鉄道の防衛の部隊へ配属された。

夜、列車に乗り込み、一定の間隔で一人ずつ線路際に降ろされて、線路を守れと命じられる。あかりとてない真の闇。カサッと草がなれば、ちじみ上がった。

朝、気が付くとみんな、一か所に集まっていたという。そういうものだと思う。

(この稿、続く)

TIMES

連載•小説