社会•事件 頭脳日本トップの東大医学の准教授が収賄容疑で逮捕 大学のチェック機能働かず
頭脳日本トップの東大医学の准教授が収賄容疑で逮捕 大学のチェック機能働かず
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2025/12/13

 公費で高度な診療や医学研究を担っている東京大学医学部付属病院で、前代未聞汚職事件が発覚した。同病院の准教授・松原全宏容疑者(53が11月19日、医療機器メーカーから賄賂を受け取ったとして、警視庁に収賄容疑で逮捕されたのだ。松原教授は寄付金を隠れみのに賄賂を受け取ったとさるが、重大な問題なのは、日本トップの頭脳を誇るはずの東大では、医学部が受け取る寄付金などの管理運営がずさんで大学としてのチェック機能が働いていなかったことだ。

 

奨学寄付金を隠れみのにした70万円の賄賂

 松原容疑者に対して賄賂を渡したとされるのは、東証プライム上場の医療機器メーカー「日本エム・ディ・エム」。今回の事件では、同社の元営業所長、鈴木崇之容疑者(41)も贈賄容疑で逮捕された。東大准教授の松原容疑者の逮捕容疑は、2021年9月と2023年1月、エム社側に東大病院の口座を伝えて奨学寄付金名目で計80万円を振り込ませ、約70万円を不正に受け取り、私的流用したというもの。松原容疑者は救急・集中治療科に所属していたため、病院で使う医療機器を選ぶ職務権限も持っていたことから、エム社の商品を優先的に使う見返りに、賄賂を振り込ませた疑いが持たれている。

医師と医療機器メーカーの癒着は後を絶たず

 民間も含め、医師と医療機器メーカーや製薬企業との癒着は過去にも相次いでいる。自社製品を使ってもらいたい企業側による医師に対する過度の接待などもかねて問題視されてきた。ただ、国内トップの東大病院を舞台に汚職事件まで発展した事実は極めて重い。

大学への寄付金の使途の点検体制は適切だったのか、そもそも不正に対するチェック体制は敷かれていたのか、日本トップの頭脳を誇る東大でなぜこうした不正が見逃されたのか、疑問は尽きない。東大の藤井輝夫学長は、松原容疑者の逮捕後「社会の信頼をさらに大きく損ない、重く受け止める。一連の不祥事は決して許されない」などとする談話を出したが、至極当然だ。東大は組織全体のガバナンス(統治)の未熟さを猛省し、信頼回復に向けた具体策を早急に講じる必要がある。(桜田亮)

 

 

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