社会•事件 後を絶たないストーカー対応強化へ 規制法改正案が閣議
後を絶たないストーカー対応強化へ 規制法改正案が閣議
社会•事件

2025/11/19

 悪質なストーカーによって、人の命が奪われることは絶対にあってはならない。ストーカーの深刻化を防ぐための大きな一手になることが期待される。政府は11月11日、ストーカーへの対応を強化するため、ストーカー規制法の改正案を閣議決定した。警察の職権で加害者に警告できる制度の導入が柱で、居場所を特定する「紛失防止タグ」の悪用も規制対象に追加した。警察庁は今国会で改正法を成立させ、早期の施行を目指す。

■警察が職権で警告

今回の改正は、ストーカー被害に遭っていた川崎市の女性が昨年末に殺害された事件が大きな契機となった。同事件では、川崎市の岡崎彩咲陽さん(当時20歳)が神奈川県警に被害を訴えていたが、県警による元交際相手の白井秀征被告(28)(殺人罪などで起訴)に対する警告には至らなかった

現行のストーカー規制法では、警察署長らが書面で警告する場合、被害者からの申し出が必要とされ、これまでは、悪質なストーカー事案であっても、加害者からの報復を恐れたり、元交際相手などの場合は心情が揺れ動いたりして申告されないケースが少なくなかった。このため、法改正により、被害者側の申告がなくても職権で警告できるようにすることで、被害が深刻化する前に警察が積極的に動くことを可能とする。

■改正法を絵に描いた餅にするな

ただ、結局のところ、警察が自身の裁量に基づいて積極的に加害者側にアプローチしないことには、改正法は絵に描いた餅になりかねない。ストーカー規制が一気に進むきっかけとなった1999年の桶川ストーカー殺人事件から長年が経過したが、同様のストーカー殺人事件は根絶されておらず、事件が起きる度に警察の対応の問題が明るみとなっている。

警察には、改正法の趣旨を踏まえ、ストーカーの被害実態を適切に見極めた上で早期の対応が求められる。

(桜田亮)

TIMES

社会•事件