社会•事件 障害者雇用が進むも、「雇用ゼロ企業」は増加 対策が重要
障害者雇用が進むも、「雇用ゼロ企業」は増加 対策が重要
社会•事件

2026/01/25

 障害者の社会参画を促す上で、各企業が障害者を雇用する重要性が高まってきている。厚生労働省のまとめによると、2025年6月時点で雇用義務のある企業で働く障害者数は過去最多の約70万5000人に上り、前年比で約2万7000人増えた。法定雇用率(2・5%)の達成企業割合も5割近くを維持しており、労働市場における障害者の社会進出は一定程度進んでいる。ただ、雇用義務があるにもかかわらず、1人も障害者を雇用できていない「雇用ゼロ企業」は増加しており、行政による中小企業への支援強化が不可欠だ。

 

 厚生労働省が労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で示した資料によると、2024年6月時点で「雇用ゼロ企業」となった企業のうち、1年間の間で障害者を雇用した企業は14・6%にとどまった。前年から引き続き雇用ゼロ企業となったのは、約2万8000事業者に上り、3000ほど増えている。

 背景にあるのが、障害者の「採用合戦」のようだ。厚労省関係者によると、法定雇用率が段階的に引き上げられていくことなどを受けて、各企業が障害者雇用に積極的に取り組んでいく中で、ノウハウのある大手が障害者を順調に採用できる一方で、雇用ゼロ企業となるなどしている中小企業で採用の難易度が上がっているという。

 2026年7月には法定雇用率が2・7%に引き上げられるため、障害者の採用合戦はさらに過熱化する見通しだ。中小企業にとっても、障害者採用のハードルが高まっていくことが予測される。雇用ゼロ企業を少しでも減らし、中小企業が人材を獲得できるよう、国や自治体が知恵を絞る必要があるだろう。

障害者にとっても、単なる歯車の一つとして、法定雇用率を達成するためだけに大手企業に採用されるよりも、中小企業などでやりがいを持って働くことができれば、職業能力の向上というメリットにもつながるはずだ。行政には、助成金制度の拡充など企業に対する具体的な支援策の強化が求められる。

(桜田亮)

TIMES

社会•事件