社会•事件 ついに大衆魚サンマまで養殖の時代がやってきた
ついに大衆魚サンマまで養殖の時代がやってきた
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2025/12/02

 ついに大衆魚サンマまで養殖物になる時代が来た。魚の養殖はクロマグロやマダイ、ヒラメなど基本的に単価の高い高級魚が対象だ。クエやマハタが養殖されるようになったのも漁獲量が少なく高価だからだ。

人気の高いノドグロ(アカムツ)も最近、人工授精や稚魚の飼育に成功しており、完全養殖の実現を目指して研究が進められている。

 サンマは、かつては大衆魚の代表で、秋の味覚として落語「目黒のサンマ」でも語られるほどの人気魚だった。しかし近年は不漁続きで、値段が高くなっただけでなく、新鮮で脂の乗ったものにはなかなか出合えなくなっている。

 そんなサンマの試験養殖をアクアマリンふくしま(福島県いわき市)とマルハニチロ(東京都)が共同研究を行い成功した。マルハニチロによるとサンマの養殖例があまりない中で、事業化を見据えることができる規模の養殖に成功したのは世界初。

事業化されれば、近年不漁傾向にある。不漁に左右されず、生食でも味わえる新たな養殖魚として生産の拡大を進めるという。

 サンマは意外にも臆病で神経質なことに加え水温に敏感で、比較的冷たい水温を好む。光などの外部刺激に敏感で、少し近づいただけでも水槽の壁にぶつかったり水槽から飛び出してしまい、うろこがはがれやすいため他の魚種以上に飼育管理に気遣う必要があるなど手間がかかる。

衆知の様にサンマは近年、全国的に不漁傾向にある。全国さんま棒受網漁業協同組合(東京都)によると、2024年の全国のサンマ水揚げ量は3万8695トン。近年のピークだった08年の34万3225トンの1割程度までに激減した。

 事業化に向けて、マルハニチロはコスト削減や事業規模、養殖場の選定などの検討を重ねる方針で「近い将来の実現を目指す」としている。多くの日本人に愛される秋の味覚が、手頃に食卓に上る日はそう遠くない?!(梛野順三)

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