2025/07/03
NTTは、株式の58%を保有する子会社で、データセンタ関連事業で世界第3位、海外事業を統括するNTTデータグループ(以下:データG)を完全子会社化すると発表した。
TOBに要する費用は約2.3兆円で、東京証券取引所プライム市場に上場しているデータGは上場廃止となる。
今回、データGの完全子会社化に踏み切った理由は、①海外展開の強化、②スピーディーな経営体制の構築、③グループ総力の結集の3つだ。背景には1990年代以降、NTTの地位が大きく後退したことが挙げられる
1985年の民営化から今年でちょうど40年。「世界で勝てる、強いNTT作り」は大きな節目を迎えた。
データGを傘下にしたことで、意思決定のスピード向上や光半導体関連分野への資金再配分の積み増しを狙うが、これで18年以降のNTTグループの再編は完結するとみられる。
24年4月、NTTの企業力を削いできた研究成果の開示義務を撤廃する改正NTT法も成立した。NTTはNEC(日本電気)と業務資本提携を結び、かつての電電ファミリーとの結束を再度高めようとしている。
NTTが狙うのは、光半導体の早期の実用化だ。NTTによると光半導体の実用化で電力効率は100倍に高まる。伝送容量は125倍、さら、送信元から送信先(エンド・ツー・エンド)への遅延は200分の1に抑えられる。
これでAI(人工知能)の成長に伴う世界的な電力需給の逼迫を解消し、ビッグデータの超高速伝送を実現する切り札になる可能性が高い。今のところ、光半導体に関する実証研究においてNTTは主要国の中でもトップクラスの実績を持っている。
ただ、光半導体分野などNTTの事業戦略が期待通りに進むかは不透明な部分もある。光半導体分野では中国企業と研究機関の追い上げが猛烈だ。
中国では、ファーウェイや浙江大学など研究機関が光半導体関連の研究開発を増強した。特許出願数で中国は世界トップだ。関連企業と中国電信(チャイナ・テレコム)が連携して、中国国内や一帯一路加盟諸国域で次世代の中国型の超高速通信網が普及する展開も想定される。
それはさておき、同社は正式名称を現在の「日本電信電話株式会社」から「NTT㈱」に変更すると発表した。ロゴも刷新し、公衆電話やマンホールなどでおなじみだった丸が2つの「ダイナミックループ」を維持しつつ、「NTT」の書体も変更すると言う。
NTTはバブルの絶頂期の1989年、世界最大の時価総額を誇る企業だった。ところが、その後の株価低迷もあり、25年4月末現在、世界の時価総額トップは米アップル、2位はマイクロソフトでNTTは199位に沈んだ。
日本経済の牽引車として再浮上が期待される。
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