政治•経済 社会•事件 ニセコにおける中国資本の動き
ニセコにおける中国資本の動き
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2026/01/06

 北海道のニセコエリアは、世界屈指のパウダースノーを求めて海外資本が押し寄せる「リゾートバブル」の象徴となっている。なかでも中国資本による大規模な土地買収と開発は、地元の経済活性化という恩恵をもたらす一方で、日本の安全保障や主権という観点から根深い懸念を呼び起こしている。

中国資本の動きは、単なるホテルやコンドミニアムの建設に留まらない。ニセコ周辺の広大な森林や水源地、さらには自衛隊の演習場に隣接する土地までもが、香港やマカオを含む中国系の企業や個人によって次々と取得されてきた。日本では、外国人による土地所有に原則として制限がなく、所有権が一度移転すれば、その土地が将来どのように利用されるかを国や自治体が完全にコントロールすることは困難である。この「土地の所有権の絶対性」が、安全保障上の死角を生んでいる。

特に危惧されているのは、中国の「国家情報法」との関連である。有事の際、中国政府が自国企業に対し、海外で所有する土地や施設を情報収集の拠点や物流拠点として利用するよう命じるリスクは否定できない。また、水源地の買収は、将来的な資源安全保障を脅かす可能性を孕んでいる。こうした事態を受け、政府は「重要土地等調査法」を施行し、防衛施設周辺などの注視区域において土地利用の監視を強化しているが、観光地としての開発が主目的とされるニセコにおいては、規制の網をどこまで広げるべきかという議論が続いている。

一方で、過度な規制は自由な経済活動や外資導入を阻害し、地域の衰退を招くというジレンマも存在する。ニセコは今や、国際的な投資環境の透明性と、国家の安全保障をどう両立させるかという、日本全体が直面する難題の最前線に立たされている。単なる「外資への警戒」に終わらせず、土地利用の不透明さを解消し、日本の主権をいかに守るかという法整備の迅速なアップデートが、今まさに問われている。

さらに、土地のみならずインフラやサプライチェーンの依存度にも目を向ける必要がある。経済のグローバル化を享受しつつも、戦略的自律性を確保するため、実効性のある監視体制の構築と、自治体・国が連携した「守りのガバナンス」

(ジョワキン)

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