社会•事件 ルーシー・ブラックマン事件の織原城二服役囚がネットフリックスを提訴
ルーシー・ブラックマン事件の織原城二服役囚がネットフリックスを提訴
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2025/11/13

 2000年7月に元英国航空乗務員で、ホステスとして六本木で働いていた英国人女性が行方不明になり、翌年2月に神奈川県三浦市内の海岸にある洞窟で、バラバラに切断された遺体が発見された『ルーシー・ブラックマン事件』を覚えておられるだろうか。

同事件の容疑者として2000年10月に逮捕され、無期判決を受けて服役している織原城二服役囚が、2023年7月にネットフリックスが配信した映画『The Lucie Blackman Case』(日本語タイトル『警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件』)に対して名誉毀損訴訟を提訴している公判が、今月21日に東京地裁で開かれる予定。

同事件については、いくつか不可解な疑問点があり、警察の捜査に対する批判の声が当初から出ていた。

  1. 2000年10月に逮捕された織原服役囚のマンション付近の徹底捜査したはずの洞窟から、翌年2月になって遺体が発見されていること。
  2. 織原服役囚周辺の背後関係や協力者に対しては、警察は捜査を断念し、単独犯として裁判が進められてきたこと。

 ルーシーさんの捜索願が出された当初、警察は、よくある外国人ホステスの失踪事件として扱い、あまり熱心に取り扱わなかった。(初動捜査の遅れ)

だが、ルーシーさんの家族や友人が、英国のメディアに訴えるなどして、英国で日本人に対する偏見もまじえて報道され、トニー・ブレア首相(当時)が「早急な解決」を日本政府に要請する事態に発展。警察の威信をかけた捜査に切り替わった。2000年8月にはルーシーさんの家族も来日して記者会見しており、日本のメディアでも注目されるようになる。

ところが、容疑者として逮捕された織原服役囚が、韓国籍から帰化した元在日韓国人だったことが伝えられると、英国メディアの日本人批判はなりを潜め、主要メディアは報道を自粛する一方、今度は一部メディアやネット右翼による在日差別に利用されるようになっている。

織原服役囚に訴えられたネットフリックスの『警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件』は、警察の協力で製作されており、原作者は、業界では警察のお抱えジャーナリストとされる人物。警察が人々に信じ込ませたいストーリーに沿っており、後に判明した事実関係や証拠とは、かなりの隔たりや齟齬があると言われる。

「保護責任者遺棄罪」で服役した俳優の押尾学の事件。英国王室も巻き込んだ少女買春組織を運営していたユダヤ系富豪のジェフリー・エプスタイン事件。殺人では無罪判決が出たが、2008年にアメリカの捜査当局に逮捕され、拘留中に自殺している三浦和義の『ロス疑惑』と同様、事件の全容解明がなされているとは言い難い。(青山みつお)

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