2025/11/01
韓国では、毎年10月になると恒例行事が行われる。「アイゴー月間」だ。日本は今年、ノーベル生理学・医学賞に続き化学賞まで受賞して基礎科学強国の地位を示した。
日本はこれまで物理学賞12人、化学賞9人、生理学・医学賞6人など「ノーベル賞科学者」を27人も輩出したが、その間、韓国は1人も輩出していない。
今年は有力候補として取り上げられる韓国人科学者さえいなかった。日本に勝つことが至上命題である韓国にとってノーベル賞無縁は屈辱以外の何物でもない。
日本が米国はともかく欧州各国と互角に張り合えるのは、1917年に設立された理化学研究所における研究基盤が築かれていることが大きい。
韓国の場合、基礎研究基盤が整備されたのは、日米欧よりはるかに遅い。日本統治下時代に日本が残した文献や漢字による文献を捨て去ったことも影響している。
最も深刻なのは、土台まで崩れつつあることだ。研究職の所得が低く、未来が不安定であるため理工系に入学した優秀な学生まで医学部再受験で自主退学する傾向が顕著なのだ。
さらに定年退職した国内大学の研究者が、例によって中国からの高額報酬に釣られて韓国を去る事例が頻発していることも土台を崩している。
また韓国は日本以上に受験戦争が苛烈である。一流高校から一流大学、そして財閥系企業に就職できなければ、落ちこぼれと言われる傾向があまりにはっきりしている。
ところで日本のノーベル賞受賞者には別のはっきりした傾向がある。それは卒業した高校のほとんどが地方の国公立高校で、しかも出身・在籍大学は「西高東低」の傾向が色濃く出ていることだ。
今年のノーベル生理・医学賞の受賞が決まった大阪大特任教授の坂口志文氏(74)と、化学賞の京都大特別教授の北川進氏(74)はいずれも京大出身。これで京大出身者は東大出身者を上回りトップとなった。高校でみると坂口氏は滋賀県立長浜北高校、北川氏は京都市立塔南高(現:市立開建高)といずれも公立高校出身だ。
今回の2人を含め日本人の個人でのノーベル賞受賞は外国籍を含めて30人となったが、このうち28人が国公立高卒だ。私立高校出身者は、江崎玲於奈氏(物理学=京都府立京都第一中の受験に失敗→同志社中)と野依良治氏(化学=灘中・高)の2人のみだ。
できる限り効率よく学力を上げようとする東京の高偏差値進学校に対し、地方の公立校には好きなことに熱中する“余裕”を認める土壌があり、その差がノーベル賞受賞者の数に表れているとの見方がある。受験戦争、高偏差値追求からノーベル賞受賞者は生まれない。(文責・梛野順三)
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