2026/03/12
相次ぐ警察の不祥事の中でも、公権力の執行への信頼を失わせる悪質な事件といえるだろう。神奈川県警が交通違反の取締で約2年半にわたり不正を繰り返していたことが明らかになった。取締対象の車を覆面パトカーで追尾した際、距離を水増しして反則切符に記したり実況見分調書を立ち会わないまま作成したりしたなどとして、県警第2交通機動隊の7人が虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで書類送検されたのだ。
不正の中心だった元巡査部長は県警の調べに対し、「悪質な違反を取り締まって排除したかった」と釈明したが、違法な手続きが正当化されるはずはなく、言語道断の不正だ。「間違った正義感だった」と供述しているようだが、当然だろう。
今回の事件を巡り、2022年3月から2024年9月に神奈川県警が取り締まった約2700件の違反が取り消され、反則金約3400万円がドライバーらに返還される。
対象者は38都道府県に及び、各方面への影響は極めて大きい。対象の運転手にとっては、警察は信用できない「犯罪集団」にも映りかねない。
他県警で同様の不正はなかったのか。警察庁は全国的に厳格な調査を実施するべきだろう。今回の神奈川県警の不祥事によって警察不信は高まり、交通取り締まりに協力しないドライバーもでてきかねず、影響は甚大だ。
交通違反を取り締まる不正は過去にも起きており、神奈川県警の不正は氷山の一角ではないかという批判も噴出している。背景には、ノルマ主義があったとの指摘もあるが、ノルマを達成するために不正を正当化していいはずはない。
交通警察において最も重要なのは、事故抑止だろう。重大な事故につながるような悪質な運転こそ厳正に取り締まる必要がある。反則切符をでっちあげる暇があるなら、事故防止に向けたパトロールにでも精を出してほしい。
(桜田亮)
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