政治•経済 社会•事件 エボラウイルス研究所の新宿移転―本当に安全なのか
エボラウイルス研究所の新宿移転―本当に安全なのか
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2026/01/03

 世の中で危険な感染症といえば、エボラ出血熱が思い浮かぶ。しかし、それはアフリカでの話で、日本とは無関係だ。そんなふうに楽観視していたが、そうではない。そう、エボラウイルスの研究所が日本にやってきたからだ。かつて致死率は90%と言われたが、現代では50%と言われている。それはウイルスが感染のたびに少しずつ変化したりするからだ。それでも二人に一人が感染するのはすごい数である。

ではその日本の施設について見ていこう。その施設は国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)だ。2015年に国内初のBSL-4施設として指定を受けている。BSL-4施設とは、エボラウイルスなど最も危険度の高い病原体(特定一種病原体)を安全に取り扱うための最高レベルの実験施設だ。この国立感染研究所東村山庁舎が新宿に移転するという。感染症の研究所がなぜ新宿という都心に引っ越してくるのだろうか。

感染のリスクを懸念した反対運動が拡大し、施設の改築が難しい状況に発展。そこで目を付けたのが新宿戸山だ。新宿戸山は戦前からバイオハザードに関する実験施設があり、敗戦から40年以上たった1989年の7月、工事現場から大量の人骨が発見されている。警視庁の科学捜査研究所は犯罪性のないものと鑑定し、新宿区に火葬を要求。これに対し、新宿区と住民はより詳細な身元調査を依頼した。かつてこの場所にあった陸軍軍医学校は、731部隊と密接な関係にあったという。731部隊は、戦中に生物化学兵器の開発と実践を行ったことで有名だ。そのため発見された人骨が部隊の実験等に関係する可能性がある。もともと研究施設があったこと、問題のある係争地であることなどから、2015年くらいからすでに候補地だった。731部隊の秘密の実験があった場所で、エボラウイルスの研究施設が移転する。時を経て人骨の恨みがしみ込んだ土地で何かが起きる前兆かもしれない。(早見慶子)

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