2025/12/22
同性婚を婚姻の形として全く想定していなかった憲法の規定を踏まえると、司法が同性婚を認めないのは妥当な判断といえるだろう。同姓同士の婚姻を認めていない民法や戸籍法の規定は憲法違反だとして、東京都などに住む同性カップルら8人が国に損害賠償を求めた「東京2次訴訟」の控訴審で、東京高裁が11月28日、「婚姻は同性同士に適用されない」として現行の法制度を「合憲」とする判決を言い渡した。1審・東京地裁は「違憲状態」と判断していたが、高裁は原告側の控訴を棄却し、国への賠償請求を認めなかった。
同性婚を巡る同種訴訟は2019年以降、腹痛の地裁に起こされ、これまでに言い渡された5件の高裁判決は全て「違憲」とし、先月11月の東京高裁判決が唯一の「合憲」となった形だ。早ければ来年中に最高裁が統一判断を示すとみられる。
今回の東京高裁では、原告側は、同性カップルの場合は法律婚に基づく社会保障制度が受けられず、重大な不利益を受けていると主張。性的少数者への社会的理解が広がっている現在は、同性婚を認めないことは不合理な差別にあたり、憲法違反だと訴えた。
一方で、 憲法24条は「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」と規定。このため高裁判決は、この規定について「歴史的、伝統的に、異性間が真摯に共同生活を営む関係として定められた」と判断した上で、「同性同士が憲法の婚姻の自由を保障されているとはいえない」とした。
法律上は、憲法が同性婚を想定していない以上、合憲と判断した今回の東京高裁判決は極めて妥当といえ、納得感は大きい。むしろ、現行法を「違憲」などと結論づけてきた他の司法判断は、無理くりな憲法解釈を重ねてきたともいえ、釈然としない点が強まった。
もちろん、同性カップルを行政が公に認める「パートナーシップ制度」を導入する自治体も広がるなど、家族の形は多様化しており、同性カップルに対する社会的支援策は否定されるべきではない。性的少数者に対する社会的理解も、昔に比べると相当に深まっている。
同性婚を法律で認めることはできないとしても、同性カップルを理由に不合理な差別を受けることは許されず、社会的な支援先の拡充が引き続き重要となるのは言うまでもないだろう。
(桜田亮)
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