2026/02/04
2024年、2025年と2年連続で5%を超える高水準の賃上げが実現してきた。では、2026年はどうなるのか。
2025年には米国の通商政策を巡る混乱が市場に影響を与えたものの、株式市場は堅調さを維持し、日本銀行も金融正常化を着実に進めてきた。こうした環境の下で、賃上げの持続性が改めて問われている。
足元の物価動向を見ると、依然として物価高は続いている。こうした中、2026年春闘に向けて連合は、大企業に5%以上、中小企業に6%以上の賃上げを求める方針を示している。人手不足の深刻化、物価上昇の定着、企業収益の底堅さが賃上げを後押しする要因だ。
中小企業にとって賃上げは依然として容易ではないが、最低賃金の引き上げが続く以上、賃金水準の底上げは避けられない。実際、直近の最低賃金引き上げ率は5%台と高水準で推移している。
物価指標を見ると、企業物価指数の伸び率は2%台へと縮小し、上流段階での価格上昇圧力は和らぎつつある。一方、消費者物価指数は3%前後の上昇を続け、とりわけ食料品価格の高騰が家計を圧迫している。ただし、これまで上昇が続いていたコメ価格には沈静化の兆しも見られる。
エネルギー価格については、政府による電気・ガス料金への補助が講じられており、急激な再高騰の可能性は限定的とみられる。
景気の下支え役となってきたインバウンド需要は高水準を維持しているものの、国際情勢や外交発言の影響を受け、今後は伸びが鈍化する可能性もある。また、円高が進行すれば輸入物価の抑制には寄与する一方、自動車、半導体、造船、電子機器といった輸出関連産業の収益を圧迫しかねず、賃上げ余力に影を落とすリスクも否定できない。
これらを総合すると、2026年の賃上げ率は2024年並み、あるいはそれをやや上回る水準が期待できる。定期昇給込みで4.6~5.1%程度が一つの目安となろう。一部の輸出産業では通商政策の影響が懸念されるものの、全体として高水準は維持される可能性が高い。最低賃金についても、1150円台、場合によっては1200円に近づく展開も視野に入る。
もっとも、最大の課題は実質賃金である。名目賃金が上昇しても、物価上昇を上回らなければ購買力は改善しない。賃上げが「生活のゆとり」につながらない限り、成長の好循環は定着しない。名目と実質の乖離をいかに埋めるか――2026年の賃上げを評価するうえで、最も重要な視点となるだろう。(
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