2025/05/01
都合の悪いことは秘匿して買受を促す、自らは不良債権を回収
(写真 田嶋徹熊本県信用保証協会会長)
熊本県信用保証協会(原告)から求償金等請求訴訟を起こされた(令和6年8月8日)、熊本市内の不動産業者CN社(被告)は次のように主張している。前回の連載において既報済みの熊本市東区佐土原にある現在はマリーゴールド社(本社・熊本市)運営の結婚式場を舞台とする事案についての主張である。
『原告は~中略~K氏(※書面では実名)所有建物に根抵当権の設定を受けていたところ、当該根抵当権にかかる債権回収のため、平成22年10月頃、被告CN社に対して本件建物の売却手続きを依頼した。~後略~』
これがこの問題事案のすべての発起点である。これを咀嚼していえば、現在営業している結婚式場の建物に関してその当時の所有者であるK氏はその建物を根抵当として借り入れを起こしていたが、その債務の返済が渋滞してしまっていた。要するに不良債権になっていたのである。この根抵当権について保証していたのが熊本県信用保証協会である。K氏の返済渋滞に困った保証協会は、ある妙案を思いついた。まずはCN社に対して建物の売却を依頼した。ところがそう簡単に売却先が見つかるはずもない。そこで保証協会はCN社に対して、こう持ち掛ける。『いっそのことあなたのところ(※CN社のこと)でこの物件を買い取ってはどうか』。保証協会というれっきとした公の金融関係組織からの提案である。断るわけにもいかない、断るいわれもない。ここのくだりをCN社は次のように主張している。
『本件建物の買受人が見つからなかったところ、原告は本件物件を被告CN社自らが買い受けることを依頼し、被告CN社はこれを承諾して本件物件を3500万円で買い受けることとし、諸経費合わせて計4550万円ほど捻出した。~以下、後略~』。
これによって保証協会は頭を悩ませていた不良債権を健常再建に転換させることにまんまと成功した。一方のCN社は建物を買い受けることで新しい事業意欲を燃やすこととなる。ここまでならば何ら問題はなかったように見える。
ところが、現実はまったく違った。CN社が買い受けるにあたって保証協会はこの当該の土地建物において最も重要な事項を一切隠し込んでいたのである。この隠し込みが意図的なものであるのは言うまでもない。もしCN社がの物件にまつわる現実を知っていたならば4550万円も出してこの物件を買い受けるはずはないのだ。(つづく)
TIMES
社会•事件




