2025/04/26
小惑星は地球にぶつからないんだって!『アルマゲドン』は回避?やれやれ
(写真 ホイヘンス・プローブの模型 Wikipediaより)
地球に衝突する危険が観測史上最も大きいとされた新発見の小惑星「2024 YR4」(以下:YR4)について、2月24日、米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は、2032年に地球に衝突する可能性はほぼゼロになったと発表した。ただ、NASAは月に衝突する可能性を1.7%と推計しているが、それも地球が危険にさらされる可能性はないという。YR4は24年12月27日にチリのエル・サウセ天文台によって初めて発見され、現在の名が付けられた。当初はNASAの推計で3.1%、ESAの推計では2.8%の確率で地球に衝突する可能性があるとされ、天体が地球に衝突する可能性を指標化した「トリノスケール」の座標は10段階中のレベル3に分類された。宇宙観測が始まって以来、地球にとって最も危険な小惑星と位置づけされた。
フィンランドの研究チームも24年にカナリア諸島にある地上のノルディック光学望遠鏡を使ってYR4を調査している。同国ヘルシンキ大学のカリ・ムイノネン氏は「YR4が月に衝突した場合、地球は月と小惑星から分離した粒子で覆われる可能性があり、人工衛星などの宇宙インフラに損傷を与える」と警鐘を鳴らした。NASAの評価は、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡からの新しい画像に基づいている。NASAのウェブサイトによると、現在の推定サイズは40~90㍍。衝突した場合、8メガトン級のエネルギーを放出する可能性が高いとされ、これは1945年に広島に投下された原子爆弾によって放出されたエネルギーの500倍以上という驚愕の数字が弾き出された。
ところが、NASAジェット推進研究所などがさらに精密な軌道計算を行った結果、今後100年間はこの小惑星が地球に衝突する可能性はほとんどないことが判明。「トリノスケール」の評価も「0」になった。やれやれである。YR4騒ぎで明らかになったことが一つある。NASAは21年11月24日、地球に接近する小惑星の軌道を変更させることを目的とした「DART」と呼ばれるミッションをスタートさせていたのだ。まるで映画「アルマゲドン」だ。DARTは Double Asteroid Redirection Test(二重小惑星方向転換試験)の略で、未来の地球の安全を守るためにNASAとESAが結束して「地球防衛システム」を構築するため約3億3000万ドルを投入したビッグプロジェクトだ。DART計画では、宇宙探査機(プローブ)を打ち上げ、目的の小惑星に衝突させ、小惑星の軌道の変動を観察する実験を行う。小惑星が地球に衝突する軌道上にあると判明した場合、その軌道を微調整することで地球に衝突する危険性を排除する試みだ。DARTは、地球が宇宙空間で今後も存続していくための危機管理、サステナビリティといえる。
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