政治•経済 社会•事件 公取委がフリーランス法で4業種45社に行政指導
公取委がフリーランス法で4業種45社に行政指導
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2025/05/03

 企業は弱い立場のフリーランスを守る取り組みを率先して進めるべきだろう。公正取引委員会(公取委)がこのほど、個人で仕事を請け負うフリーランスが不利な取り扱いを受けないよう、フリーランス取引適正化法に基づき4業種45社に発注方法の是正を求める行政指導を実施した。昨年11月に同法が施行されてから初の指導で、企業経営者には取引ルールの順守の徹底が求められる。

 フリーランス取引適正化法は、フリーランスに業務を発注する事業者に対し、書面やメールで仕事内容や報酬額を明示し、60日以内に報酬を支払うことなどを義務付けている。企業から仕事をもらう立場の弱いフリーランスは、足元をみて報酬額を減額されたり、口約束で発注されたりすることも少なくない。一方、国の統計では、本業がフリーランスの人は、ITエンジニアや通訳、アニメーターなど200万人超にも上っている。このため、適正化法は増加するフリーランスを守り、発注者側の不当行為の是正を図る狙いがある。

 公取委が今回の行政指導を行った4業種は、アニメ、ゲーム、フィットネスクラブ、整体などリラクゼーション。フリーランス側の不満が以前から多いため、公取委が集中的に実態調査を進めてきたところ、4業種77社のうち6割弱の45社で適正化法違反が見つかったという。

 具体事例としては、ゲームのイラスト制作を依頼した発注者が報酬額や受取日を示さなかったりしたケースのほか、報酬の支払期日を設定していないケースも散見された。今回の行政指導の対象となったのは、適正化法が禁じている典型的な違反行為が多く、指導を受けた45社は重く受け止め、早急の改善を図るべきだ。

 昨年にフリーランスという用語を使った法律が初めて成立し、11月に施行されたことで、フリーランスとの取引を巡る悪弊に一定の歯止めがかかるとみられていた。

ただ、今回の行政指導の対象は45社と多数に及び、不当な取引が改善されていない実態を浮かび上がらせた形だ。

新法を絵に描いた餅で終わらせてはならない。公取委はさらに監視を強めるとともに、企業側も社内体制の整備など、適正取引に向けた取り組みを推進していかなければならない。

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